ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」【解説と名盤】

2020年9月20日

「亡き王女のためのパヴァーヌ」の解説

亡き王女のためのパヴァーヌPavane pour une infante défunte)はフランスの作曲家、モーリス・ラヴェル(1875-1937)が作曲したピアノ曲、管弦楽曲です。

パヴァーヌとはヨーロッパの宮廷で普及していた舞踏のことですが、リズミカルなダンスとは異なり、当時の貴族たちが舞踏会場に入場する時に使われたゆっくりと歩くようなものだったそうです。

日本では王女と訳されている箇所の原題「infante」はスペインの王女の称号で、一説によるとルーヴル美術館を訪れた際に見たスペインの画家、ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)が描いたマルガリータ王女(1651-1673)の肖像画から作曲の着想を得たとされています。

ディエゴ・ベラスケス「王女マルガリータの肖像」(ルーブル美術館所蔵)

ラヴェルは他にも「スペイン狂詩曲」「ボレロ」と言ったスペインをテーマにした作品を残していますが、これはラヴェルの生地がスペイン近くのバスク地方で、母親もバスク人であったことが大きく影響しているようです。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」ピアノ版演奏動画

この作品はまず1899年、ラヴェルが24歳の時にピアノ曲として作曲されました。

初演は好評を得たようですが、ラヴェル自身は自作に対して厳しい批評を残しています。

繊細で美しくどこか感傷的な旋律にラヴェル自身のノスタルジーを感じるような気がします。

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ版)

ピアノ:ベルトラン・シャマユ

「亡き王女のためのパヴァーヌ」管弦楽版演奏動画

ラヴェルはこのピアノ曲を1910年に管弦楽曲として編曲し、翌1911年に初演しています。

冒頭の旋律はホルンのソロで奏でられ、オーボエが奏でる次の旋律に受け継がれます。

ラヴェルがこの曲のタイトルに感傷的な意味を込めたのかどうかは定かではありませんが、この曲の持つ雰囲気と絶妙にマッチしていると言わざるを得ませんね。

フルートやハープが加わり、さらに夢の中を漂うような雰囲気に包まれます。

これからご紹介する動画はアメリカのジャズ歌手、ボビー・マクファーリン(1950-)が2002年に行われた音楽イベント「スピリッツ・オヴ・ミュージック」でオーケストラを指揮している様子です。

1743年に創設された歴史あるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮台にジャズ歌手が立っていると言うちょっと珍しい光景です。

ラヴェルが見たらきっと驚いたことでしょうね?

「音楽には国境も垣根もない」・・・そんなことを感じる素敵な動画です。

ぜひご覧ください!

※こちらの動画は埋め込みが出来ません。下記のタイトルをクリックしていただき、リンク先のyou tubeでご覧ください。

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)

ボビー・マクファーリン指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
収録場所:ライプツィヒ、マルクト広場

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いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

「亡き王女のためのパヴァーヌ」の名盤

カラヤン指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

収録曲
ドビュッシー:交響詩「海」
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

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