チャイコフスキー「交響曲第5番」

2020年5月6日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

弦楽器が奏でる美しく甘美な旋律はチャイコフスキーならではの魅力とドラマティックな雰囲気に包まれています。

まずは第2楽章をダイジェストで聴いてみましょう。

クラウディオ・アバド指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

チャイコフスキー「交響曲第5番」作曲の背景

交響曲 第5番 ホ短調 作品64はロシアの作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年に作曲した交響曲です。

前作の交響曲第4番を1878年に書き上げた後、しばらく交響曲の作曲から遠ざかっていたチャイコフスキーですが、1885年にマンフレッド交響曲を作曲、1887年の暮れから1888年3月にかけては西欧諸国に指揮者として演奏旅行に出かけ、同時代の他の作曲家とも交流したようで、プラハではドヴォルザーク(1841-1904)とも親交を温めたそうです。

そうした他の作曲家たちとの交流から刺激を受けたこともあったのか、チャイコフスキーはこの演奏旅行から帰って間もなくこの作品の作曲に取り掛かっています。

作曲自体は3か月弱で書き上げたと考えられていますが、その間に交わされた書簡からは「アイディアもインスピレーションも尽きた」「昔の手法をまねることしかできない」などの弱気な言葉が見て取られ、本作品の作曲にかなり苦心したことがうかがえます。

そのような心理状態で書き上げた作品のせいか、チャイコフスキー自身この作品に対し厳しい評価を下しており、パトロンとして経済的に彼を支えたメック夫人に対する手紙の中でも「作り物のような不誠実さがあります」と言った風に厳しく評しています。

チャイコフスキー自身の指揮によって行われた初演も批評家たちを中心に芳しい評価を得ることは出来ませんでしたが、その後は回を重ねるうちに好評を得、当時の高名な指揮者ニキシュによる名演もあり、チャイコフスキーを代表する作品との評価を得るようになりました。

チャイコフスキー「交響曲第5番」の解説

第1楽章:Andante – Allegro con anima

冒頭、クラリネットが奏でる重たく暗い印象の旋律は「運命の主題」と呼ばれ、この作品の軸を成しています。

テンポを速めアレグロに入るとクラリネットとファゴットが奏でる第1主題が徐々に力強さを増しながら展開されていきます。

弦楽器が奏でる第2主題はチャイコフスキーならではの美しさを感じます。

第2楽章:Andante cantabile, con alcuna licenza

弦楽器の静かな前奏に導かれホルンが穏やかで息の長い第1主題を静かにそして朗々と奏でます。

その後にあらわれるオーボエが第2主題の断片を奏でると、それはやがてオーケストラ全体へと受け継がれドラマティックに展開していきます。

美しく甘美な雰囲気を湛えた第1主題と第2主題を断ち切るように力強く演奏される「運命の主題」が印象的です。

第3楽章:Valse. Allegro moderato

重く暗い雰囲気の「運命の主題」とは対照的な優雅なワルツです。

中間部では弦楽器が細かい音符を刻みながら軽快に動き回ります。

最後の部分で「運命の主題」がクラリネットとファゴットによってわずかに顔を覗かせます。

第4楽章:Finale. Andante maestoso – Allegro vivace

冒頭から「運命の主題」が弦楽器によって堂々と演奏されます。

アレグロに入ると音楽は激しさを増し、「運命の主題」を交えながらクライマックスへと突き進んでいきます。

最後は第1楽章の第1主題も絡み合いながら堂々と華やかに終曲します。

チャイコフスキー「交響曲第5番」のyoutube動画

チャイコフスキー 交響曲 第5番 ホ短調 作品64
第1楽章(00:30) 第2楽章(15:00) 第3楽章(29:00) 第4楽章(34:36)

マンフレート・ホーネック指揮 hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)

チャイコフスキー「交響曲第5番」の名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

チャイコフスキー 交響曲 第5番 ホ短調 Op.64
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
録音時期:1971年9月

カラヤンとベルリン・フィルのコンビによるチャイコフスキーの録音は複数ありますが、今回ご紹介する1971年の録音はその中でも名盤との評価の高い1枚です。

ベルリンのイエス・キリスト教会で録音された音源は残響がやや長いようにも感じられますが、その分ライヴのような緊迫感と迫力が感じられます。

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