ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」【歌詞と解説、おすすめの名盤】

2021年2月9日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

「歓喜の歌」として親しまれる第4楽章の主題は、荘厳かつ壮大で宗教的な雰囲気さえ漂います。

まずは第4楽章をダイジェストで聴いてみましょう!

サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

作曲の背景

交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」はドイツの作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1824年、53歳の時に書き上げた最後の交響曲です。

日本では「第九」の愛称で広く親しまれています。

1812年、交響曲第7番交響曲第8番を書き上げたベートーヴェンは1815年頃から交響曲第9番の作曲に着手します。

1817年、ロンドンのフィルハーモニック協会から交響曲の作曲依頼を受けたことをきっかけに、作曲の作業は本格化して行ったようです。

第4楽章には4人の独唱と大規模な混声合唱を加え、多彩な打楽器を使用するなど革新的な試みも行われています。

シラーの詩に基づく第4楽章の主題は「歓喜の歌」として有名で、ヨーロッパを象徴する「欧州の歌」としてEU(欧州連合)で採択されるほど親しまれています。

交響曲の副題として「合唱」「合唱付き」などと付されることも多いですが、ベートーヴェン自身がつけたものではありません。

フリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)はベートーヴェンより10年ほど早く生まれた劇作家で詩人としても有名です。

「歓喜の歌」の原詩は1785年に初稿を完成し、1803年に改訂された「歓喜に寄す」(An die Freude )です。

ベートーヴェンはこの詩の一部を抜粋し、自身の手を加えた上で曲を付けています。

ベートーヴェンがこの詩に出会ったのは1792年、22歳の時のことであり、その時にこの詩に曲を付けることを着想したようですが、そのアイデアは30年以上の歳月を経て、ベートーヴェンの作曲技法の熟成とともにようやく結実したわけです。

初演は1824年5月7日、オーケストラ、ソリスト共に十分な準備が出来なかったにもかかわらず、初演は大成功で終わったそうです。

初演時、舞台に上がったベートーヴェンは既に聴力を失っており、演奏後、聴衆の喝采に気付かずに立ち尽くすベートーヴェンを見かねたアルト歌手がベートーヴェンの手を取り聴衆の方を振り向かせたと言うのは有名なエピソードです。

その後改訂が加えられ1826年に出版された本作品はプロイセン王、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(1770-1840)に献呈されています。

ベートーヴェンの交響曲の中でも傑作と言われる本作品ですが、声楽を伴う大規模な編成もあり、初演以後あまり演奏される機会は多くなかったようです。

しかし、ベートーヴェンが影響を与えたワーグナーなど後世の作曲家たちによって、取り上げられることにより、演奏の機会が増え、やがて今日の傑作との評価を得るに至ります。

日本では年末に演奏されることが多く、今日ではすっかり年末の風物詩となりました。

ヨーロッパではライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が大晦日の第九演奏を恒例としていますが、日本のように全国のあちらこちらで年末に集中的にこの第九が演奏されるのは他に例を見ないようです。

日本でこうした演奏習慣が定着した理由について「ドイツでは大晦日に第九を演奏する習慣があると言う勘違いから」など諸説あるようですが、高度成長期には既に定着していたようです。

1年最後の月とベートーヴェン最後の交響曲と言うイメージも重なるのかも知れませんね。

年末になると忠臣蔵を放送し、クリスマスにはツリーを飾り、1週間後には鏡餅を供え、門松を立てるイベント好きの日本人にはピッタリの恒例行事かもしれませんね。

ベートーヴェン「歓喜の歌」歌詞と和訳

「歓喜の歌」のタイトルで親しまれる終楽章の歌詞は、「作曲の背景」でも触れたようにフリードリヒ・フォン・シラーの詩を基にしています。

ベートーヴェンはシラーの原詩の一部を抜粋し、順序を入れ替えた上で、冒頭に自身が創作した歌詞を書き足しています。

ベートーヴェンが書き足したのは冒頭の文字色を変更している三行ですが、ベートーヴェンはいったい何に対して「このような旋律ではない!」と言っているのでしょうか?

次の楽曲解説で触れていますので、ぜひお読みいただければと思います。

※歌詞、訳詞は下記より引用しています。
「歓喜の歌」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年12月23日 (水) 15:36
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/歓喜の歌#歌詞(ドイツ語原詞・日本語訳)

O Freunde, nicht diese Töne!
(おお友よ、このような旋律ではない!)
Sondern laßt uns angenehmere

(もっと心地よいものを歌おうではないか)
anstimmen und freudenvollere.

(もっと喜びに満ち溢れるものを)

Freude, schöner Götterfunken,
(歓喜よ、神々の麗しき霊感よ)
Tochter aus Elysium

(天上楽園の乙女よ)
Wir betreten feuertrunken.

(我々は火のように酔いしれて
Himmlische, dein Heiligtum!

(崇高なる者よ、汝の聖所に入る)

Deine Zauber binden wieder,
(汝が魔力は再び結び合わせる)
Was die Mode streng geteilt;

(時流が強く切り離したものを)
Alle Menschen werden Brüder,

(すべての人々は兄弟となる)
Wo dein sanfter Flügel weilt.

(汝の柔らかな翼が留まる所で)

Wem der große Wurf gelungen,
(ひとりの友の友となるという)
Eines Freundes Freund zu sein,

(大きな成功を勝ち取った者)
Wer ein holdes Weib errungen,

(心優しき妻を得た者は)
Mische seinen Jubel ein!

(自身の歓喜の声を合わせよ)

Ja, wer auch nur eine Seele
(そうだ、地球上にただ一人だけでも)
Sein nennt auf dem Erdenrund!

(心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ)
Und wer’s nie gekonnt, der stehle

(そしてそれがどうしてもできなかった者は)
Weinend sich aus diesem Bund!

(この輪から泣く泣く立ち去るがよい)

Freude trinken alle Wesen
(すべての存在は)
An den Brüsten der Natur;

(自然の乳房から歓喜を飲み)
Alle Guten, alle Bösen

(すべての善人もすべての悪人も)
Folgen ihrer Rosenspur.

(自然がつけた薔薇の路をたどる)

Küsse gab sie uns und Reben,
(自然は口づけと葡萄の木と)
Einen Freund, geprüft im Tod;

(死の試練を受けた友を与えてくれた)
Wollust ward dem Wurm gegeben,

(快楽は虫けらのような者にも与えられ)
und der Cherub steht vor Gott.

(智天使ケルビムは神の前に立つ)

Froh, wie seine Sonnen fliegen
(天の壮麗な配置の中を)
Durch des Himmels prächt’gen Plan,

(星々が駆け巡るように楽しげに)
Laufet, Brüder, eure Bahn,

(兄弟よ、自らの道を進め)
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

(英雄が勝利を目指すように喜ばしく)

Seid umschlungen, Millionen!
(抱き合おう、もろびとよ!)
Diesen Kuß der ganzen Welt!

(この口づけを全世界に!)
Brüder, über’m Sternenzelt

(兄弟よ、この星空の上に)
Muß ein lieber Vater wohnen.

(聖なる父が住みたもうはず)

Ihr stürzt nieder, Millionen?
(ひざまずくか、諸人よ?)
Ahnest du den Schöpfer, Welt?

(創造主を感じるか、世界中の者どもよ)
Such’ ihn über’m Sternenzelt!

(星空の上に神を求めよ)
Über Sternen muß er wohnen.

(星の彼方に必ず神は住みたもう)

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」解説

第1楽章:Allegro ma non troppo, un poco maestoso

冒頭、弦楽器が静かに奏でるトレモロ(同音を小刻みに反復)とホルンの響きの中から、まるで霧の中から何かが姿を現すように第1主題の断片が現れます。

楽譜には「sotto voce(ささやく様に)」と指示されています。

この断片は徐々に大きくなり、はっきりと姿を現すと、やがて鉄槌を振り下ろすように第1主題が劇的に奏でられます。(譜例①)

譜例①:演奏動画(02:22)

ベートーヴェンの他の作品同様、この第1主題冒頭の劇的な動機は第1楽章を通じて執拗に繰り返され、聴く人の心に刻み込まれます。

木管楽器が奏でる第2主題は、力強く劇的な第1主題とは対照的に優しく穏やかな旋律です。(譜例②)

譜例②:演奏動画(04:11)

第1楽章では特に第1主題が中心となって展開されていきますが、この第1主題の中に現れる「合いの手」のような「パン、パッパ、パン!」と言うリズム動機も曲中に度々現れます。(譜例③)

譜例③:演奏動画(05:05)

このリズム動機はオーケストラのトッティ(総奏)で力強く現れる時もありますが、穏やかに奏でられる旋律の陰でひっそりと刻まれる場合もあります。(譜例④)

譜例④:演奏動画(05:40)

第1楽章はこれらの主要動機が形を変え、何度も何度も反復されながら、展開、再現されていきます。曲中に現れるこれらの動機を耳を澄まして聴いてみるのも楽しいかも知れませんね。

第2楽章:Molto vivace – Presto

第2楽章はスケルツォと呼ばれる舞踏的な性格を持つ楽章です。

ベートーヴェンがそれまで使われていたメヌエットに変えて交響曲に用いてから、定着していったものですが、通常は第2楽章に緩徐楽章(ゆるやかなテンポの楽章)、第3楽章にスケルツォが配置されるところを、この交響曲第9番では、逆に配置する斬新な試みを行っています。

付点のリズムが印象的なオクターブで奏でられる第1主題の断片にはティンパニが加わり、より躍動的な印象を強めます。(譜例⑤)

譜例⑤:第2楽章冒頭部分

これに続き第1主題がフーガの様に重なりながら、躍動的に奏でられます。(譜例⑥)

譜例⑥:演奏動画(19:56)

長調で描かれる第2主題も躍動感に満ちていますが、より明るく喜びに満ち溢れたような曲想です。(譜例⑦)

譜例⑦:演奏動画(20:44)

これらの主題が繰り返された後に現れる中間部では、木管楽器が牧歌的とも感じられる軽やかな旋律を奏でます。(譜例⑧)

譜例⑧:演奏動画(27:49)

第2楽章冒頭で力強く躍動的なリズムを刻んだティンパニは、楽章を通して活躍する場面が多く、聴く人に強い印象を与えます。(譜例⑨)

譜例⑨:演奏動画(23:11)

第2楽章はこれらの主題が展開された後、最後は中間部の旋律が繰り返されると思いきや、突然断章するかのように劇的に終わりを告げます。

第3楽章:Adagio molto e cantabile – Andante moderato

木管楽器の短い序章に続き、弦楽器がとても穏やかな第1主題を静かに奏でます。(譜例⑩)

譜例⑩:演奏動画(35:40)

美しいのはもちろんですが、個人的にはその中にもベートーヴェンらしい内省的な雰囲気を感じます。

他の作曲家なら高揚しきってしまうような旋律もベートーヴェンは適度に抑制しているかのようで、それがかえって心に染みます。

「cantabile」「歌うように」と言う意味です。

クラリネットが奏でる伸びやかな旋律に導かれるように「Andante moderato」となり、より動きを伴いながら、淡い憧憬を感じさせるような美しい第2主題を弦楽器が奏でます。(譜例⑪)

譜例⑪:演奏動画(38:30)

その後は第1主題、第2主題がそれぞれ美しく変奏されていきます。

第1主題を16分音符で縫うように奏でられる旋律は、ためらいがちに揺れ動く心のようで印象的です。

木管楽器が柔らかに第2主題を変奏した後、再び第1主題が変奏されます。

劇的な第1楽章、躍動感あふれる第2楽章、そして感動的なクライマックスを迎える第4楽章に挟まれて、束の間の夢を見ているかのような静かで穏やかな美しい楽章です。

終盤は次の楽章を暗示するかのようなトランペットの力強いファンファーレを交えながらも、再び穏やかさをを取り戻し、最後は静かに楽章を終えます。

第4楽章:Presto – Allegro assai

第4楽章冒頭、「恐怖のファンファーレ」と呼ばれる激しく荒々しい不協和音の旋律に続き、チェロとコントラバスが重々しく、そして朗々と語り出します。

楽譜には「Selon le caractere d’un recitative, mais in tempo(レチタティーヴォのように、しかしテンポ通りに)」と指示されています。(譜例⑫)

譜例⑫:演奏動画(52:24)

レチタティーヴォとは話すように歌われる独唱のことで、通常、オペラなどの中で状況や場面の説明に使われることの多い歌唱の形態です。

そしてこの低弦が奏でるレチタティーヴォは後で現れるバリトンのソロでも歌われ、そこに充てられている歌詞こそO Freunde, nicht diese Töne!(おお友よ、このような旋律ではない!)」なのです。

つまり、ベートーヴェンは冒頭の激しく荒々しい不協和音で満ちた旋律を否定し、「このような旋律ではなく、もっと心地よいものを歌おう!」と音楽で表現しているのです。

さらに続けて第1楽章の主題が回想されますが、これもすぐにレチタティーヴォにより否定されます。

同様に第2楽章、第3楽章の主題が現れますが、これも即座にレチタティーヴォによって否定してしています。

ベートーヴェンはスケッチの段階では、この3つの楽章を否定するレチタティーヴォの原型にそれぞれ「いや違う、これではない・・・」「これも違う、ちょっと陽気なだけだ・・・」「これも違う、甘美すぎる・・・」と言った風な歌詞を付けていて、ハッキリと歌詞を持って否定しようと構想していたことがうかがえます。

劇的な第1楽章も躍動的な第2楽章も、さらには美しく穏やかな第3楽章までことごとく否定したベートーヴェンが、ついに肯定したのが「歓喜の歌」として知られる第4楽章の第1主題なのです。

この第1主題はまずは短い断片として暗示された後、レチタティーヴォを奏でたのと同じく、チェロとコントラバスによって静かに奏でられます。(譜例⑬)

譜例⑬:演奏動画(55:26)

この第1主題はファゴットの美しい対旋律をまといながら、弦楽器によって美しく展開していった後、管楽器も加わり力強く奏でられます。

そして再び第4楽章冒頭の「恐怖のファンファーレ」が奏でられた後、バリトンのレチタティーヴォがハッキリと歌詞でもって、前の音楽を否定します。

レチタティーヴォに続きバリトンの独唱で「歓喜の歌」が開始され、いよいよこれに合唱と他の独唱が加わり、音楽は高揚していきます。

度重なる否定を乗り越えて、満を持して音楽が奏でられるかのように、まさしく喜びに満ちた「歓喜の歌」がオーケストラと合唱のトッティ(総奏)で壮大に奏でられます。

音楽が高揚しきり、静寂が訪れると静かに刻まれるリズムに乗って、木管楽器が行進曲風に第1主題を奏でます。(譜例⑭)

譜例⑭:演奏動画(1:03:27)

これに続くテノールの独唱は陽気な雰囲気に包まれ、その裏で刻まれる打楽器のリズムに合わせて合いの手でも入れたくなるような雰囲気です。

オーケストラのみによるスケルツォ風の音楽がしばらく展開された後、再び「歓喜の歌」が壮麗に歌われクライマックスを形作ります。

「第九」のダイジェストとして最も使われる部分ではないでしょうか。(譜例⑮)

譜例⑮:演奏動画(1:06:50)

その後、トロンボーンに導かれ男声合唱が新たな主題を歌います。(譜例⑯)

譜例⑯:演奏動画(1:07:47)

ここで展開されるこの主題は、まるでSeid umschlungen, Millionen!(抱き合おう、もろびとよ!)Diesen Kuß der ganzen Welt!(この口づけを全世界に!)」と言う歌詞と共に奏でられる静かな祈りのようです。

そしていよいよ、この主題と「歓喜の歌」の主題の、2つの旋律と2つの歌詞が壮麗な二重フーガとなって奏でられます。(譜例⑰)

譜例⑰:演奏動画(1:11:37)

この二重フーガでは2つの歌詞と主題を合唱の4つのパートが交互に歌うと言う、こだわり抜いた構成によって作曲され、奥行きのある音空間を造り上げています。

テンポを速め、4人の独唱が絡み合いながら合唱を導いていくと、最後はさらにテンポを速めて熱狂的に終曲します。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」youtube動画

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
第1楽章(01:40)
第2楽章(19:40)
第3楽章(35:40)
第4楽章(52:13)

リッカルド・ムーティ指揮:シカゴ交響楽団
ソプラノ:Camilla Nylund
メゾ・ソプラノ:Ekaterina Gubanova
テノール:Matthew Polenzani
バス・バリトン:Eric Owens

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」無料楽譜

近年は合唱経験のない方でも気軽に「第九」の合唱に参加出来るようなイベントも多数企画されています。

実際に「第九」の演奏に参加するような場合には指定の楽譜を使うのが好ましいですが、予習として楽譜を見てみたい方はこちらから合唱譜をダウンロードすることも可能です。

下記のリンク先ページを下にスクロール、【楽譜】⇒【Vocal Scores】のタブをクリック、【Complete Score】【Chorus Score】をクリックして合唱譜をダウンロードして下さい。

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ご利用方法がわからない方は下記の記事を参考にしてください。

バーンスタインの第九(ベルリンの壁崩壊記念コンサート)

歴史的な名演も多いベートーヴェンの第九ですが、1989年12月25日に行われたベルリンの壁が崩壊したことを記念したコンサートは特に有名です。

演奏しているオーケストラは旧東西ドイツのオーケストラに加え、ドイツの東西分離のきっかけとなったアメリカと旧ソ連、それに第二次大戦時のドイツの敵国イギリスとフランスの計6つの楽団のメンバーによって特別に編成されたオーケストラです。

指揮を務めたバーンスタインはベルリンの壁崩壊を祝し、終楽章の歌詞の「Freude(歓喜)」「Freiheit(自由)」に変更して歌わせています。

バーンスタインはこの時既に肺がんに侵されていて翌年の10月に亡くなっています。まるで生命の最後の火を燃やすような、まさしく渾身の指揮ぶりが見られます。

この演奏会の様子がダイジェストでアップされていますので是非ご覧ください!

レナード・バーンスタイン指揮:バイエルン放送交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、レニングラード・キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)管弦楽団、パリ管弦楽団のメンバーによる特別編成オーケストラ

自由への讃歌:バーンスタイン・イン・ベルリン

★こちらの録音は「Amazon Music Unlimited」でもお楽しみいただけます!

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」おすすめの名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

※今回ご紹介するのはDVDです。輸入盤のため日本語字幕はありません。

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」

ヘルベルト・フォン・カラヤン:指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ソプラノ:アンナ・トモワ=シントウ
アルト:アグネス・バルツァ
テノール:ルネ・コロ
バス:ジョゼ・ヴァン・ダム
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団


収録時期:1977年12月31日
収録場所:ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

今回ご紹介するのは1977年、ベルリン・フィルが大晦日に開催する恒例のジルヴェスター・コンサートでの演奏を収録したものです。

カラヤンはベートーヴェンの交響曲の全集レコーディングを実に4度も行っており、映像でも2度行っています。

しかし、カラヤンの遺した多くの映像作品の大半は残念なことに(個人的な意見です)、録音した演奏に一列にピッタリと整列した奏者のアップ映像をアフレコすると言う極めて不自然なものです。

カラヤンなりの映像に対する美意識がそうさせたものですが、せっかくのライヴならではの臨場感と緊張感は失われてしまったような気がします。

今回ご紹介する作品はそんなカラヤンの映像作品群の中にあって、珍しくライヴ収録された貴重な作品です。

昨今、激しいアクションで指揮を終えるとスポーツ選手ばりに汗を飛び散らす指揮者が多い中、静かに目を閉じて瞑想するかのように指揮をするカラヤンの指揮ぶりは、実に格調高く、そして美しく、抜群のカリスマ性を感じます。

そんなカラヤンが終楽章、合唱が加わるに至って、目を見開いただけで聴いているこちらまで魅入られそうになります。

緊張感溢れる劇的な第1楽章、少し速めのテンポで躍動する第2楽章、瞑想するかのようなタクトに導かれる甘美な第3楽章、力強いベルリン・ドイツ・オペラ合唱団を従え、壮麗に奏でられる終楽章、もちろんソリスト陣も素晴らしいパフォーマンスを披露しています。

オーケストラの中ではフルートのカール=ハインツ・ツェラー、オーボエのローター・コッホ、ホルンのゲルト・ザイフェルト、ティンパニのオスワルト・フォーグラーといった往年の名手たちが素晴らしい演奏を繰り広げています。

長らく入手困難でしたが、カラヤン生誕100年を迎えた2008年に復活した貴重な作品です。

公式レーベルのyoutubeチャンネルにダイジェスト動画がアップされていますので、ご紹介しておきます。

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「カール・ベーム指揮:ウィーン・フィル」「バーンスタイン指揮:ウィーン・フィル」「アバド指揮:ウィーン・フィル」「ラトル指揮:ウィーン・フィル」「クリュイタンス指揮:ベルリン・フィル」「カラヤン指揮:ベルリン・フィル」「アバド指揮:ベルリン・フィル」「フルトヴェングラー指揮:バイロイト祝祭管」「フリッツ・ライナー指揮:シカゴ響」「ショルティ指揮:シカゴ響」「バーンスタイン指揮:ニューヨーク・フィル」「小澤征爾指揮:サイトウ・キネン」「ルドルフ・ケンペ指揮:ミュンヘン・フィル」「チェリビダッケ指揮:ミュンヘン・フィル」「ピエール・モントゥー指揮:ロンドン響」「カラヤン指揮:フィルハーモニア管」「フィリップ・ジョルダン指揮:ウィーン響」「シャイー指揮:ゲヴァントハウス管」「コリン・ディヴィス指揮:ドレスデン国立管」他

※上記の検索結果は本記事の投稿日現在、「Amazon Music Unlimited」「beethoven symphony 」「ベートーヴェン 交響曲」などのキーワードで検索した例です。

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まとめ

ベートーヴェン作曲の交響曲第9番 「合唱付き」、いかがでしたでしょうか?

解説でも触れたようにベートーヴェンは第1楽章から第3楽章までの音楽を「このような旋律ではない!」と否定し、「これこそが奏でたかった音楽だ!」と言わんばかりに終楽章の「歓喜の歌」を導くと言う実に劇的な構成でこの交響曲を書き上げています。

だからと言って本当に前3楽章の芸術性が否定される訳でもなく、あくまで最後の「歓喜の歌」を劇的に登場させるためのひとつの演出と考えて良いのではないでしょうか。

聴いていただくとおわかりになる通り、前の3つの楽章もそれぞれ実に魅力的な素晴らしい音楽です。

そしてそれを否定してまで導かれた「歓喜の歌」の主題は、解説の譜例⑬を見ていただければわかる通り、実にシンプルな音符となだらかな音階で書かれています。

このシンプルな音楽にこそ誰もが親しみやすく、いつまでも心に刻まれる旋律が描かれるのかも知れませんね。

そしてそのシンプルなモチーフを1時間を超えるこの大作の中で飽きさせるどころか、いつまでもドキドキ、ワクワクさせられながら魅入られる作品として書きあげるベートーヴェン、まさに楽聖と讃えられる所以かも知れません。

クラシック初心者の方、これから「第九」の合唱に参加してみようと思っている方の中には、有名な「歓喜の歌」しか聴いたことがないと言う方も多いのではないでしょうか?

この機会にぜひ全曲をじっくり聴いてみて下さい!

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

「運命はこのように扉をたたく」まさにベートーヴェンの代表作!

「ベートーヴェンの第10交響曲」と称えられたブラームス渾身の力作!

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