リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」

2020年5月17日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

軽やかに鍵盤の上を弾む指先からは実に軽快で楽しい音楽が聴こえてきます。

そして、やがて聴こえてくる旋律にはどこか聞き覚えが???

ん・・・?・・・運動会???

まずはダイジェストで聴いてみましょう。

ピアノ:ジョージ・リー

リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」の解説

ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調S.244/2はハンガリー出身のピアニストで作曲家のフランツ・リスト(1811-1886)が作曲した独奏ピアノのための作品です。

リストは全部で19曲のハンガリー狂詩曲を書いていて、第1番から第15番は1853年に出版され、第16番から第19番までは1882年から1885年にかけて追加されました。

今回ご紹介する第2番はその中でも最も有名な作品です。

狂詩曲は英語ではラプソディーと呼ばれる自由な形式で民族的な題材などを表現した楽曲のことです。

家系的にはドイツ系のルーツを持つリストですが、祖国ハンガリーに対する愛着は強かったようで、これらの作品群もハンガリーの伝統的な民謡を題材としたものです。

ただリストがハンガリーの伝統的な民謡と思い取材、収集していたものは、実際にはロマやジプシーと呼ばれる移動民族が土着の民謡などを彼らのスタイルにアレンジして演奏していた音楽だったようです。

その演奏スタイルはゆったりとしたテンポで始まり、徐々にテンポをあげ、最後は熱狂的に終わると言う特徴がありました。

この第2番でも「ゆっくり」を意味する「Lassan(ラッサン)」と指示された重々しい前半部分から、「速く」を意味する「Friska(フリシュカ)」と指示された後半部分では印象的な音楽がテンポを上げながら次々と演奏され、カデンツァを挟んだ後、熱狂的に終結します。

その中には運動会の定番音楽としてよく聴かれるドイツの作曲家、ヘルマン・ネッケ(1850-1912)作の「クシコス・ポスト」の旋律も聴こえてきます。

これはネッケがリストのハンガリー狂詩曲第2番から取ったものなのか、元となったジプシーの音楽から取ったものなのかはよくわかりません。

ヘルマン・ネッケ 「クシコス・ポスト」

ピアノ:VIKA KIM

後半に挿入されたカデンツァ(独奏者による自由で即興的な演奏箇所)はリスト自身も書き残していますが、著名なピアニストや作曲家たちが書いたカデンツァや自作のカデンツァを演奏する奏者もいます。

また20世紀を代表するピアノ奏者、ウラディミール・ホロヴィッツ(1903-1989)がアレンジしたことでも有名です。

使用するカデンツァにより曲の雰囲気も大きく変わるので、これからご紹介する動画で聴き比べてみてください。

リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」のyoutube動画

最初にご紹介するのは1973年生まれ、ウクライナ出身のヴァレンティーナ・リシッツァさんの演奏です。
you tuberとしても有名な彼女は多数の録音をアップしておりクラシックプレーヤーとしては驚異的な再生数を記録しています。
ヴァレンティーナ・リシッツァ You Tubeチャンネル

リストによるカデンツァで演奏されています。

リストハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 S.244/2(カデンツァ:リスト)

ピアノ:ヴァレンティーナ・リシッツァ

次にご紹介する動画は2015年のチャイコフスキー国際コンクールの第2次予選での演奏動画です。

演奏されているジョージ・リーさんはこのコンクールで第2位を受賞されています。

ラフマニノフによるカデンツァを使われていますが、クラシックの枠を超えた別の曲のような雰囲気も感じます。

リストハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 S.244/2(カデンツァ:ラフマニノフ)

ピアノ:ジョージ・リー


最後にご紹介するのは1982年生まれ、中国出身のピアニストで現在は世界を舞台に活躍されるラン・ランさんの演奏です。

ホロヴィッツがアレンジを加えた版で演奏されていますが、大幅なカットもされています。

リスト(ホロヴィッツ編)ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 S.244/2

ピアノ:ラン・ラン

リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」(管弦楽版)

この作品には複数のオーケストラ用に編曲された版が存在します。

まずはフルート曲を多数作曲していることで有名なフランツ・ドップラー(1821-1883)とリストが共同で編曲した嬰ハ短調版
※この2人による編曲では全19曲の中から6曲の管弦楽編曲版が遺されています。

そしてフランツ・ドップラが単独で編曲したニ短調版

最後にカール・ミュラー=ベルクハウス(1829-1907)によるハ短調版

3曲とも調性が異なり、原曲通りの嬰ハ短調版と半音高いニ短調版、カール・ミュラー=ベルクハウス版は逆に半音低いハ短調版になっています。

今回はこのカール・ミュラー=ベルクハウス版をご紹介したいと思います。

ピアノで奏される滑らかで速い印象的な楽句がフルートやクラリネットで見事に演奏され、また原曲とは違う味わいが楽しめます。

リスト(カール・ミュラー=ベルクハウス編)ハンガリー狂詩曲 第2番 ハ短調

フォルカー・ハルトゥング指揮 ケルン・ニュー・フィルハーモニー管弦楽団

いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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