ヴェルディ「乾杯の歌」【歌詞とyoutube動画】

2020年9月14日

作曲の背景

「乾杯の歌」はイタリアの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が1853年に作曲した歌劇「椿姫」の第一幕で歌われる劇中歌です。

「椿姫」の原題「La traviata」(ラ・トラヴィアータ)は直訳すると「道を踏み外した女」と言う意味になりますが、フランスの劇作家で小説家のアレクサンドル・デュマ・フィス(1824-1895)の原作小説が椿姫(原題:La Dame aux caméliasと訳されていることから、そのタイトルで親しまれています。

原作小説は高級娼婦に恋をした青年の悲恋物語ですが、これは作者が20歳の時に多くのパトロンを持つ高級娼婦のマリー・デュプレシ(1824-1847)と恋に落ちた実体験に基づいて書かれています。

この人物は物語と同じく肺結核によって23歳の若さでこの世を去っています。

1848年に書かれたこの原作小説は戯曲化され1850年には上演されて大成功を収めています。

1852年にパリでヴェルディはこの作品の上演を見たことがこの歌劇を書くきっかけとなったと言われています。

1853年ヴェネツィアで行われた初演は残念ながら大失敗に終わります。

原因は準備不足に加え、テノールが風邪をひいていたこと、病で息絶える役のソプラノ歌手の恰幅があまりにも良すぎたことなどが囁かれていますが、実際に初演の最中に失笑が沸き起こったことはヴェルディの遺した手紙の中に記されてあるようです。

しかし、その後に入念なリハーサルの後に再演され、回を重ねるごとに人気を博し、現在でも世界の歌劇場で数多く上演される人気の演目となっています。

歌劇「椿姫」あらすじ

パリの社交界で輝きを放つ高級娼婦のヴィオレッタのサロンでは今夜も盛大な宴が行われています。

宴の中でヴィオレッタに憧れる青年アルフレードが友人から紹介されます。

やがて一同に勧められるアルフレードが杯を上げ、乾杯の歌が華やかに歌われます。

宴の途中で気分が悪くなり、休んでいるヴィオレッタに心配するアルフレードが情熱的に愛を伝えます。

これを軽くあしらうヴィオレッタですが、一途なアルフレードの姿に徐々に惹かれ始めます。

帰り際にヴィオレッタはアルフレードに椿の花を渡し、「この花がしおれるころに」と再会の約束をします。

やがて真実の愛を見つけたヴィオレッタは社交界を離れ、アルフレードと一緒に暮します。

束の間の幸せを感じるヴィオレッタの前にアルフレードの父ジェルモンが現れ、アルフレードと別れるように諭します。

アルフレードがヴィオレッタと別れて戻らないと娘(アルフレードの妹)の縁談が破談になると言うのです。

既に病に侵されていたヴィオレッタはアルフレードのためを思い、何も告げずに去っていきます。

事情を知らないアルフレードはヴィオレッタに裏切られたと思い、怒りに震えヴィオレッタの後を追います。

ヴィオレッタがパリの社交界を引退した後、社交界の華となったヴィオレッタの友人、フローラのサロンで開かれていた宴で2人は再会します。

「一緒に行こう」とヴィオレッタに迫るアルフレードですが、ヴィオレッタはパトロンであるドゥフォール男爵を愛していると嘘をつきます。

嫉妬に狂うアルフレードは皆の前でヴィレッタを激しく罵り、その行為を皆から責め立てられます。

後悔するアルフレードと「死んでもあなたを愛し続ける」と心ながらに誓うヴィオレッタ。

その数ヶ月後、病が進み死の床にあるヴィオレッタのもとに父から真実を知らされたアルフレードが駆け付けます。

許しを請い、愛を伝えるアルフレードにヴィオレッタも永遠の愛を誓いますが、既に時は遅く、ヴィオレッタはついに息絶え物語を終えます。

お役に立ちましたらクリックをお願いします。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村


音楽(クラシック)ランキング

「乾杯の歌」歌詞

アルフレード
Libiamo ne’ lieti calici
Che la bellezza infiora,
E la fuggevol ora
S’inebri a volutta’.
Libiam ne’ dolci fremiti
Che suscita l’amore,
Poiche’ quell’occhio al core
Onnipotente va.
Libiamo, amor fra i calici
Piu’ caldi baci avra’.

乾杯しよう 美が花開く 幸せの杯をあげて!
時ははかなく過ぎていく 快楽に酔いしれるうちに
甘いときめきに酔いしれよう 酔えば恋が目覚める
恋する瞳が心に忍び寄るのだ
乾杯!杯を交わせば愛もより熱くなる

トゥッティ(総奏)
Libiamo, amor fra i calici
Piu’ caldi baci avra’.

乾杯!杯を交わせば愛もより熱くなる

ヴィオレッタ
Tra voi sapro’ dividere
Il tempo mio giocondo;
Tutto e’ follia nel mondo
Cio’ che non e’ piacer.
Godiam, fugace e rapido
E’ il gaudio dell’amore;
E’ un fior che nasce e muore,
Ne’ piu’ si puo’ goder.
Godiam c’invita un fervido
Accento lusinghier.

皆さんと共に楽しい時を分かち合えるこの幸せ
この世には楽しみ以外何もないのですもの
楽しむのよ 愛の喜びなんてすぐに消えてしまうから
花の色は移りやすく 枯れたら楽しめないわ
楽しみましょう 熱い言葉に誘われて

トゥッティ
Godiam la tazza e il cantico
La notte abbella e il riso;
In questo paradiso
Ne scopra il nuovo di’.

楽しもう 酒と歌で夜は彩られ 微笑みかける
天国にいるうちに 夜が明けるだろう

ヴィオレッタ
La vita e’ nel tripudio

人生は快楽よ

アルフレード
Quando non s’ami ancora.

真の愛は?

ヴィオレッタ
Nol dite a chi l’ignora.

愛を知らない私に言わないで

アルフレード
E’ il mio destin cosi’

それを言うのが 僕の運命

トゥッティ
Godiam la tazza e il cantico
La notte abbella e il riso;
In questo paradiso
Ne scopra il nuovo di’.

楽しもう 酒と歌で夜は彩られ 微笑みかける
天国にいるうちに 夜が明けるだろう

イタリア語歌詞:Wikipedia Libiamo ne’ lieti calici
日本語訳詞:DVD決定盤 オペラ名作鑑賞シリーズ2
ヴェルディ『椿姫』

歌劇「椿姫」より「乾杯の歌 」のyoutube動画

オリジナルの歌劇の中ではテノールが歌うアルフレードのパートとソプラノが歌うヴィオレッタのパート、そして全員の合唱からなる華やかな舞台が繰り広げられます。

これからご紹介するのはニューヨークのメトロポリタン歌劇場とロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスの舞台での歌唱動画です。

ヴェルディ 歌劇「椿姫」第1幕より「乾杯の歌」

ソプラノ:ディアナ・ダムラウ
テノール:ファン・ディエゴフローレス
ヤニック・ネゼ=セガン指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団

ソプラノ:Venera Gimadieva
テノール:Saimir Pirgu

ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団

三大テノールの「乾杯の歌」

ご覧いただいたようにこの曲は歌劇「椿姫」の第1幕の1場面で歌われる曲ですが、その祝祭的な雰囲気からニューイヤーコンサートをはじめとした多くのガラコンサートなどでも抜粋して取り上げられることの多い作品です。

次にご紹介するのは1994年にアメリカで開催されたサッカー・ワールドカップ決勝前夜祭のライブで当時、三大テノールと呼ばれ一世を風靡した世界を代表する3人のテノール歌手による歌唱です。

ヴェルディ 「乾杯の歌」

テノール:ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴ
ズービン・メータ指揮 ロサンジェルス・フィルハーモニック

DVD「世界3大テノール ’94 夢の競演」より

アンドレ・リュウの「乾杯の歌」

最後にご紹介するのは華やかで親しみやすいステージで世界的な人気を誇るアンドレ・リュウ率いるヨハン・シュトラウス・オーケストラの演奏です。

アンドレ・リュウさんによるアレンジと演出がされていますが、舞台と聴衆が一体となった素晴らしいステージです。

喜びと幸せそうな笑顔に満ち溢れた聴衆の姿に、「音楽は楽しむもの」と再認識させられる動画です。

機会があればぜひ生で聴いてみたいものです!

ヴェルディ 「乾杯の歌」

アンドレ・リュウ指揮 ヨハン・シュトラウス・オーケストラ
DVD「マジック・オブ・マーストリヒト」より

いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!


お役に立ちましたらクリックをお願いします。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村


音楽(クラシック)ランキング