リスト「ラ・カンパネラ」【解説と無料楽譜】
目次
リスト「ラ・カンパネラ」解説
パガニーニによる大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」嬰ト短調S.141 はハンガリー出身のピアニストで作曲家のフランツ・リスト(1811-1886)が作曲した独奏ピアノのための作品です。
曲の主題はイタリアのヴァイオリニストで作曲家のニコロ・パガニーニ(1782-1840)が作曲したヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」に基づいています。
[「カンパネラ」はイタリア語で「鐘」を意味し鐘を模倣したフレーズが現れます。
ここでこの曲の元になったパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番の第3楽章を聴いてみましょう。
パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調「ラ・カンパネラ」作品7より第3楽章
ドミトリー・リス指揮 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:テディ・パパヴラミ
リストはこの主題を元に複数の作品を作曲していますが、一般的に「リストのラ・カンパネラ」として知られているのが1838年に作曲された「パガニーニによる超絶技巧練習曲」第3番変イ短調 S.140を1851年に改訂した「パガニーニによる大練習曲」第3番嬰ト短調 S.141です。
初版の1838年版ではパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章の主題に加え、ヴァイオリン協奏曲第1番の主題も使われていますが、1851年版では第2番のみに基づいて作曲されています。
まずはこの1838年の初版の演奏動画をご紹介したいと思います。冒頭の大変印象的な右手の大きな跳躍を伴う細かい音型はなく、次にご紹介する改訂版より響きも重厚な印象です。
リスト:パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番変イ短調 S.140
ピアノ:Elisa Tomellini
参考までに両方の作品の楽譜の冒頭部分をアップしておきます。
次にご紹介する改訂版では右手の大きな跳躍を伴う細かい音型が鐘と言うよりは星屑を散りばめたようにも聴こえ、1838年版よりも繊細で洗練された雰囲気を感じます。
曲の印象は管理人の個人的な感想ですのでご容赦いただき、実際に聴き比べて楽しんでいただけると幸いです。
ちなみにこの作品はリストが音楽家として高い評価をしていたクララ・ヴィーク、つまり後のクララ・シューマン(シューマンの妻)に献呈されています。
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リスト「ラ・カンパネラ」youtube動画
最初にご紹介するのは1988年生まれ、ドイツ・ミュンヘン出身のアリス=紗良・オットさんの演奏です。
ドイツ人の父親と日本人の母親を持つ彼女は数々の国際コンクールでの優勝を経て、世界の主要なオーケストラとも共演を重ねる人気のピアニストです。
パガニーニによる大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」嬰ト短調 S.141
ピアノ:アリス=紗良・オット
【収録曲】
リスト作曲
超絶技巧練習曲集 S.139 全12曲
パガニーニによる大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」嬰ト短調 S.141
ピアノ:アリス=紗良・オット
録音:2008年6月
アリス=紗良・オットさんの演奏動画はこちらの記事でもご紹介しています。
次にご紹介するのは1973年生まれ、ウクライナ出身のヴァレンティーナ・リシッツァさんの演奏です。
現在はアメリカを拠点に世界各地でリサイタルを行い、オーケストラのソリストとしても活躍されています。
you tuberとしても有名な彼女は多数の録音をアップしておりクラシックプレーヤーとしては驚異的な再生数を記録しています。
ヴァレンティーナ・リシッツァ You Tubeチャンネル
ピアノ:ヴァレンティーナ・リシッツァ
リスト「ラ・カンパネラ」無料楽譜
リスト:パガニーニによる大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」嬰ト短調 S.141(IMSLP)
リンク先から無料楽譜をダウンロード出来ます。ご利用方法がわからない方は下記の記事を参考にしてください。
いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!
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