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ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」【歌詞と解説】

2020年9月20日

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」解説

「オンブラ・マイ・フ」はドイツ出身のイギリスで活躍した作曲家、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)が作曲したオペラ「セルセ」の第1幕で歌われるアリアです。

古代ペルシアの王、クセルクセス1世(セルセ)の物語を題材に1738年頃に書きあげられたこのオペラそのものの上演機会は少ないですが、この「オンブラ・マイ・フ」は後に「ヘンデルのラルゴ」と呼ばれるようになった大変有名な曲です。

当時オペラの本場と言えばイタリアでしたが、ロンドンでもイタリア語のオペラが次々と上演されていました。
英語の「クセルクセス」のイタリア語が「セルセ」と言うわけです。

初演の際は当時の有名なカストラートのカッファレッリ(ガエターノ・マヨラーノ1710-1783)がセルセ役を演じたそうです。
※カストラートは変声前の声を維持するために去勢した男性歌手です。

日本では1986年にソプラノ歌手のキャスリーン・バトルがウイスキーのCMでこの曲を歌ったのが大きな話題となり、クラシックのファン以外の方にも広く知られるようになりました。

大変短い曲ですが甘美で天国的な美しさを湛えた素晴らしい曲です。

カストラート

変声前の声を維持するために去勢した男性歌手であるカストラートの歴史は古く、16世紀後半には一般化してヘンデルの活躍する18世紀の前半にピークを迎えました。

宗教的な理由から教会の中で歌うことのできなかった女性に代わり、変声期前の声質を保った男性が必要とされたことに由来しています。

人道的見地から19世紀末には消滅することになり、現在においては聴くことはかないませんが、彼らの声は大変甘く官能的であったと言われています。

1994年に公開された映画「カストラート」は最も有名なカストラートとして知られるファリネッリ(カルロ・ブロスキ1705-1782)の生涯を描いて話題になりました。

映画「カストラート」 

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」歌詞

Ombra mai fù  di vegetabile,
cara ed amabile, soave più


かつて、これほどまでに愛しく、優しく、
心地の良い木々の陰はなかった

引用:「オンブラ・マイ・フ」『 フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)』

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」youtube動画

まずはソプラノによる歌唱をご紹介したいと思います。

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」(ソプラノ)

メゾ・ソプラノ:ジェニファー・ラーモア

次にご紹介するのはアルト(コントラルト)による歌唱です。

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」(アルト)

コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン

最後にご紹介するのはカウンターテナーによる歌唱です。

カウンターテナーは変声期を過ぎた男性が裏声(ファルセット)などを使って、女声パートに相当する音域を歌う歌手のことです。

ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」(カウンターテナー)

カウンターテナー:Christopher Lowrey

カウンターテナー:フランコ・ファジョーリ
「ヘンデルアリア集」収録曲

フランコ・ファジョーリは1981年生まれ、アルゼンチン出身のカウンターテナー歌手です。

カウンターテナー歌手として初めて、ドイツ・グラモフォンと独占契約を結び、オペラ界のもっとも輝くスターのひとりとして活躍する歌手です。

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