チャイコフスキー バレエ組曲「くるみ割り人形」

2019年6月9日

まずはダイジェストで!

ホルンが奏でる穏やかで優しいメロディにしなやかにクラリネットが応えます。

弦楽器が優雅にワルツを奏でると木管楽器が小鳥のさえずりのように合いの手を入れます。

まずは組曲の終曲「花のワルツ」をダイジェストで聴いてみましょう!

ネーメ・ヤルヴィ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

作曲の背景

「くるみ割り人形」はロシアの作曲家、チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽です。

サンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場の支配人からドイツの作家、ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」を原作としたバレエの音楽を依頼されたことをきっかけに書かれた曲です。

バレエのあらすじはザックリとですが次のような感じです。

ある国で王子が誕生し、お祝いの宴が開かれます。しかし、その場にいた人がねずみの女王を踏みつけてしまったために王子は呪われてくるみ割り人形になってしまいます。

クリスマスイブの夜に主人公の少女クララがもらったくるみ割り人形は、実は魔法にかけられた王子様でした。

その夜、時計の鐘の音とともに人形と同じ大きさになったクララ。
そこへねずみの王様と手下たちがやってきて、くるみ割り人形と仲間の人形たちと戦いはじめます。
くるみ割り人形が負けてしまいそうになった時、クララは履いていたスリッパをねずみの王様に投げつけ、くるみ割り人形を救います。

気がつくと凛々しい王子になっていたくるみ割り人形はクララをお礼におとぎの国へ連れて行きます。

雪の国では雪の女王や雪の精が舞い、お菓子の国ではいろいろなお菓子の精の踊りを楽しむクララ。

しかし楽しいひと時はクリスマスツリーの下で見た一夜の夢でした。
※夢から覚めずにそのまま終わる演出もあります。

チャイコフスキーはこの作品の作曲中に新作の演奏会の依頼を受けます。

しかし、他に新作の予定もなかったため、急遽作曲中のこの曲から8曲を選び、演奏会用の組曲としてバレエの初演に先立ち1892年3月に初演しました。

全曲が完成してバレエ作品として初演されるのは同年12月のことでした。

楽曲解説

第1曲「小序曲」
子どもが無邪気に飛び跳ねているかのような軽やかで可愛らしい序曲です。

第2曲「行進曲」(3:50)
トランペットの短いファンファーレに続き弦楽器が軽やかな旋律を奏でます。
木管楽器と弦楽器が細かくリズムを刻んだり、音階をあちらこちら駆け回ったりとまさに「おもちゃの行進曲」と言った愉快なマーチです。

第3曲「こんぺいとうの精の踊り」(6:30)
オリジナルのタイトルは「ドラジェの精の踊り」。「ドラジェ」は糖でコーティングしたお菓子ですが、日本では馴染みがないので「こんぺいとう」と意訳したものが定着したようです。
当時発明されたばかりのチェレスタのオルゴールのような音色が印象的で「こんぺいとうの精の踊り」のタイトルがとてもしっくりくる幻想的で可愛らしい1曲です。

第4曲「ロシアの踊り(トレパーク)」(8:40)
「トレパーク」はロシアの農民による踊りで、アップテンポで力強い曲です。

第5曲「アラビアの踊り」(10:00)
「コーヒーの精」の踊り。コーヒーはアラビア地方原産でイスラム教徒の間で薬として使われていました。
ゆったりとしたテンポでアラビア風の旋律がオーボエとイングリッシュホルンによって奏でられます。

第6曲「中国の踊り」(13:50)
「お茶の精」の踊り。妖精が飛んだり跳ねたりしているかのような可愛らしい1曲。
弦楽器のピチカットに乗ってフルートとピッコロが音階を一気に駆け上がり、また駆け下りてきます。

第7曲「葦笛の踊り」(15:10)
フランスの踊り。3本のフルートが奏でる牧歌的なメロディはCM曲などにも使われ広く親しまれています。

第8曲「花のワルツ」(17:55)
冒頭のダイジェストでも紹介した優雅で華やかなワルツです。
単独でアンコールピースなどで演奏されることも多い曲です。

全曲版を聴いてみましょう!

コンラート・ファン・アルフェン指揮 シンフォニア・ロッテルダム

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