シューマン「3つのロマンス」【解説と無料楽譜】

2020年9月13日

作曲の背景

「3つのロマンス 作品94」はドイツの作曲家、ロベルト・シューマン(1810-1856)が1849年に作曲したオーボエとピアノのための作品です。

原曲はオーボエのために書かれた作品ですが、ヴァイオリン、クラリネットなどでも演奏できるように書かれてあり、その親しみやすい旋律からさらに他の楽器で演奏されることもしばしばです。

1844年12月、ライプツィヒ音楽院の職を辞しドレスデンに移ったシューマンは、かねてよりの精神障害に悩まされながらも「ピアノ協奏曲」(1845)「交響曲第2番」(1846)などの作品をこの地で完成させ、創作活動の面では充実した作品を遺しています。

1840年に結婚した妻クララとの間には多くの子宝に恵まれますが、1847年には4番目にして初めて授かった男の子エミールを生後わずか半年で亡くします。

既に次の子を授かっていたクララは1848年には5番目の子となる次男を、この作品が書かれた1849年には6番目の子となる三男を儲けています。

1849年、この年39歳のシューマンはこの作品の他にも「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」「森の情景」「幻想小曲集」などの作品を遺しています。

オーボエの名手ハインツ・ホリガー「ロマン派全体を見渡しても最も重要なオーボエ作品」と評したこの作品は、シューマンの妻クララへのクリスマス・プレゼントとして作曲したと伝えられています。

シューマン「3つのロマンス」解説

第1曲:Nicht  schnell(速くならないで)

オーボエの美しく繊細な音色が奏でる憂いを帯びた旋律に心が惹きつけられます。

ヴァイオリン、クラリネット、チェロなど他の楽器による演奏も魅力的ですが、旋律が大きく上へ跳躍する場面ではオーボエならではの実に繊細な滑らかさがあり、鳥肌ものです。(譜例①)

譜例①:第1曲冒頭部分

第2曲:Einfach innig(素朴に)

温かく穏やかな雰囲気に包まれた旋律に心が安らぎますが、中間部では短調に変わりやや動きのある不安げな表情を見せます。

曲は冒頭の主題に戻り、最後はオーボエの音が風に乗って静かに去っていくように終曲します。

第3曲:Nicht  schnell(速くならないで)

オーボエの奏でる寂しげな旋律にそっと寄り添うようなピアノのアルペジオ(分散和音)は個人的にはピアノと言うよりハープのような響きのイメージです。(譜例②)

譜例②:第3曲冒頭部分

この寂しげな旋律に続き、それとは対照的な雰囲気の旋律が交互に現れた後、転調し穏やかな心安らぐ旋律が挿まれます。

曲は再度、冒頭の旋律を奏で最後は寂しげな余韻を残しながら終曲します。

短い作品の中にいろんなキャラクターを含んだ魅力的な作品です。

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シューマン「3つのロマンス」youtube動画

シューマン:オーボエとピアノのための3つのロマンス 作品94

第1曲:Nicht  schnell

第2曲:Einfach innig

第3曲:Nicht  schnell

オーボエ:セリーヌ・モワネ
ピアノ:フローリアン・ウーリヒ

シューマン「3つのロマンス」無料楽譜

シューマン「3つのロマンス」無料楽譜(IMSLP)

リンク先から無料楽譜をダウンロード出来ます。ご利用方法がわからない方は下記の記事を参考にしてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。美しく繊細なオーボエの魅力が詰まったこちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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