ムソルグスキー「展覧会の絵」解説とおすすめの名盤

2021年5月30日

目次

まずはダイジェストで聴いてみよう!!

厳かに響く鐘の音、弦楽器のざわめきが徐々に大きくなると冒頭のプロムナードの主題が奏でられます。

この主題はさらに拡大され、再び鐘の音が大きく響き渡る中、壮大なクライマックスを迎えます。

まずは終曲「キエフの大門」をダイジェストで聴いてみましょう!

ワレリー・ゲルギエフ指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

作曲の背景

組曲「展覧会の絵」(英:Pictures at an Exhibition、仏:Tableaux d’une exposition)はロシアの作曲家、モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)が1874年、35歳の時に作曲したピアノのための組曲です。

この作品は「ロシア五人組」の一人として活躍したムソルグスキーが、友人であった画家ヴィクトル・ハルトマン(1834-1873)の遺作展で見た10枚の絵の印象を音楽にしたものです。

39歳の若さで急死した友人の死にムソルグスキーは大きなショックを受けていたようですが、この遺作展を見て大きなインスピレーションを得た後、わずか3週間足らずでこの作品を完成させています。

しかしながらこの作品はムソルグスキーの生前は出版されることも演奏されることもありませんでした。

1881年3月、アルコール依存症に加え、度重なる心臓発作に見舞われたムソルグスキーは42歳の若さでこの世を去ります。

ムソルグスキーの遺稿の整理に当たった同じ「ロシア五人組」のリムスキー=コルサコフ(1844-1908)はこの作品に改訂を加え、その死の5年後の1886年にようやく出版されることになります。

ただしムソルグスキーのオリジナル版に比べて改訂点が多く、「リムスキー=コルサコフ版」として原典版とは区別されています。

さらに時を経た1922年、当時の高名な指揮者セルゲイ・クーセヴィツキー(1874-1951)の依頼によりフランスの作曲家、モーリス・ラヴェル(1875-1937)が編曲したのが管弦楽版組曲「展覧会の絵」です。

「管弦楽の魔術師」の異名を持つラヴェルの色彩豊かで華麗な管弦楽版への編曲で、この作品は一躍、世の人に知られることになります。

ムソルグスキーによるピアノ原典版ラヴェルによる管弦楽版では楽曲の雰囲気や味わいもかなり異なります。

後でご紹介するyoutube動画ではそれぞれの演奏をご紹介していますので、ぜひ聴き比べてお楽しみいただければと思います。

楽曲は10枚の絵の印象を音楽で表現し、その間を冒頭に奏でられる「プロムナード」が繋ぎます。

「プロムナード(仏: promenade)」はフランス語で「散歩」を意味し、展覧会を見て歩くムソルグスキー自身を表していると言われています。

作品には展覧会の絵の印象だけでなく、亡くなった友人への思いが含まれているのかも知れませんね。

この作品はご紹介したムソルグスキーによるピアノ原典版ラヴェルによる管弦楽版リムスキー=コルサコフによるピアノ版以外にも様々な作曲家による編曲版が発表されています。

指揮者として有名なストコフスキーの管弦楽編曲版や20世紀を代表するピアニスト、ホロヴィッツによるピアノ編曲版、指揮者、ピアニストとして有名なアシュケナージによる管弦楽編曲版他、実に様々なものが存在しています。

CD等録音媒体の多くはムソルグスキーによるピアノ原典版ラヴェルによる管弦楽版によるものですが、他の編曲版のものもありますので、ご購入に際しては注意されると良いでしょう。

ムソルグスキー「展覧会の絵」解説

※こちらの楽曲解説では主にラヴェル編曲による管弦楽版の解説を行っています。

プロムナード(Promenade)

曲の冒頭を飾るのはトランペットソロで演奏される有名な「プロムナード」。(譜例①)

譜例①:冒頭部分

これから演奏される10枚の絵を表現した音楽を繋いでいく重要なモチーフとなっています。

「作曲の背景」で触れたようにフランス語で「散歩」を意味する「プロムナード(Promenade)」は展覧会を見て歩くムソルグスキー自身を表していると言われています。

楽譜には「Allegro giusto,nel modo russico,senza allegrezza,ma poco sostenuto」、つまり「正確なアレグロで、ロシア風に、陽気ではなく、しかし少し音を保って」と少し長い指示が書かれてあります。

テンポはアレグロだが、陽気で快活な雰囲気にはならないように、と言ったニュアンスでしょうか?

個人的には静かな展覧会の廊下にコツコツとこだまする靴音のようなイメージを持っていますが、実際の楽曲は5拍子と6拍子が交互に現れ、曲に合わせて歩こうとするとつまずきそうになります。(笑)

グノーム(Gnomus)

少し奇怪で不気味な雰囲気に包まれた旋律が印象的です。「小人」と言う日本語訳による表記が多く見られますが、日本語訳のニュアンスとは異なり「地の精」的な感じのもので、ロシアの伝説では地の底に住み、奇妙な格好でせわしく動き回っていると伝えられています。

ロシアの方でないとイメージしにくいかも知れませんが、音楽を聴く限り、少し不気味でグロテスクな雰囲気の存在なのかも知れませんね。

あえて日本語訳にせず「グノーム」のままの方が余計な先入観を持たず、良いような気がします。

楽曲はちょこまかと動き回っては立ち止まるような楽句と、地の底を這うような重々しい旋律が交互に現れます。

ミュート(弱音器)を挿した金管楽器が奏でる強烈な不協和音が奇怪な雰囲気を醸し出しているように感じます。

最後はまるで「グノーム」がすばしっこく走り去るように速い楽句を奏で、次の曲へと移ります。

プロムナードⅡ

ホルンのソロではじまる旋律に、木管楽器が柔らかい響きで呼応します。

穏やかで牧歌的な雰囲気も感じる第2のプロムナードは、冒頭に奏でられたプロムナードとずいぶん趣も異なり、展覧会を見て歩くムソルグスキーの心象の変化を表しているようにも感じます。

古城(Il vecchio castello)

ファゴットの序奏に導かれアルト・サクソフォーンが哀愁を帯びた旋律を奏でます。(譜例②)

譜例②:演奏動画(05:52)

「ボレロ」でもサクソフォーンを効果的に使ったラヴェルは、この作品でもサクソフォーンの魅力を存分に引き出しています。

低音で繰り返されるリズムにのって哀愁を帯びた音楽が展開された後、最後はアルト・サクソフォーンの悲し気な音を残して静かに終曲します。

プロムナードⅢ

再びトランペットのソロに導かれて、金管楽器が重々しくプロムナードを奏でます。

テュイルリー、遊びの後の子供たちの口げんか(Tuileries – Dispute d’enfants après jeux)

「テュイルリー」はパリにあった宮殿で、現在は庭園となっているようです。木管楽器が賑やかに動き回り子供たちが口げんかする様子が描かれます。

19世紀のテュイルリー宮殿

ビドロ(Bydlo)

一転して重々しいチューバのソロで奏でられる「ビドロ(Bydlo)」はポーランド語で「牛車」を意味します。

「牛車」のイメージよりも更に重々しく暗澹たる雰囲気に包まれた曲ですが、この「ビドロ」と言う言葉には「牛車」とは別に「家畜のように虐げられた人々」と言うニュアンスを含んでいるそうです。

当時のポーランドはロシアをはじめとする近隣諸国からの内政干渉により分割統治され、民衆は永らくその圧制に苦しんできました。

独立を求める民衆は幾度となく武装蜂起を起こしますが、その度に鎮圧の憂き目にあっています。

ムソルグスキーは圧政を強いたロシアの作曲家なわけですが、そのロシア国内でも農民の生活は苦しく、革命の機運が高まっていった時期でもありました。

そんな社会情勢の中、ムソルグスキーがどんな想いを胸にこの楽曲を書いたのかは本人のみぞ知るところです。

楽曲は低音楽器が奏でる足を引きずりながら重い足取りを進めるかのような八分音符に乗って、テューバが重い荷物を背負った牛車が彼方から近づいてくるかのような主題を奏でます。(譜例③)

譜例③:演奏動画(12:58)

「古城」のソロで使われたサクソフォーンに続き、ラヴェルはここでも普段はオーケストラの縁の下の力持ちで、ソロとして使われることは稀なチューバにこの旋律を奏でさせています。

曲想にマッチしたラヴェルならではのオーケストレーションと言わざるを得ません。

ちなみにラヴェルがこの作品を編曲していた頃にフランスで用いられていたフレンチ・チューバは、今日一般的に用いられている大型のバス・チューバとは若干異なり、より高い音域まで演奏することが可能だったようです。

そのため現在、一般的に用いられている大型のバス・チューバでは演奏が困難なため、より小型のテナーチューバ、吹奏楽で用いられるユーフォニアムなどで演奏されることもあるようです。

この楽曲を聴いていると何か牛車が背負っているものは重い荷物だけではなく、人生の重荷や過酷な運命、・・・・そんなものを背負いながら重い足取りで歩く人々、しかし、それでも前へ前へと歩みを進める力強さ、そんな雰囲気を感じる楽曲です。

最後は再び遠くへ去ってしまったかのように静かに終曲します。

プロムナードⅣ

木管楽器が静かに奏でる聖歌のようなプロムナードの旋律の後、影を落とすようなオーケストラの旋律が続きます。

卵の殻をつけた雛の踊り(Ballet des poussins dans leurs coques)

卵の殻をつけた雛が走り回っている姿が目に浮かぶようで、思わずクスッと笑ってしまいそうになります。

あちらこちらへ走り回る雛を描写したような「タラッ!タラッ!」と音符に引っ掛けるような旋律は音符の前に付けられた前打音による効果です。(譜例④)

譜例④:演奏動画(16:53)
ヴィクトル・ハルトマン 
バレエ「トリブィ」のための衣裳デザイン

サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ(Samuel Goldenberg und Schmuÿle)

2人のユダヤ人を表していて、傲慢な金持ちサムエル・ゴールデンベルクは重々しい弦楽器で、貧しく卑屈なシュムイレミュート(弱音器)をつけたトランペットで表現されています。

トランペットのベルに挿して使われるミュートは音量を下げると言うよりは音色に変化を与え甲高くヒステリックな感じのシュムイレを表現しているように感じます。

ここでは通常のトランペットより高い音域を受け持つピッコロトランペットが用いられています。(譜例⑤)

譜例⑤:演奏動画(18:44)
ヴィクトル・ハルトマン 富めるユダヤ人
ヴィクトル・ハルトマン 貧しきユダヤ人

プロムナードⅤ

ムソルグスキーの原曲にはここに第5のプロムナードが挿入されていますが、ラヴェルによる編曲版では削除されています。

冒頭のプロムナードに似た比較的シンプルな形式で書かれたものです。(譜例⑥)

譜例⑥:削除された第5プロムナード、ピアノ譜冒頭部分

リモージュの市場(Limoges – Le marché)

フランスのリモージュの市場での活気あふれる様子が忙しく動き回る弦楽器で表現されています。

行き交う人々、話し声、喧噪・・・そんなイメージが浮かびます。

楽曲はスピード感に溢れ、駆け抜けるように過ぎ去っていきます。

カタコンベ-ローマ時代の墓(Catacombae – Sepulchrum Romanum)

「カタコンベ」とはローマ帝国時代に作られた地下墓所のことで、金管楽器の重厚な響きが深く暗い地下に作られた墓所をイメージさせます。

中間部に現れる遠くから聴こえてくるかのようなトランペットのソロは、地の底から聴こえてくる死者を弔う鎮魂歌のようにも感じます。(譜例⑦)

どこか郷愁も感じるその旋律に時代を遡るような錯覚に陥ります。

譜例⑦:演奏動画(22:47)
ヴィクトル・ハルトマン「パリのカタコンベ

死せる言葉による死者への呼びかけ(Cum mortuis in lingua mortua)

「死せる言葉による死者への呼びかけ」と言うタイトルが付けられていますが、「プロムナード」の変奏が奏でられています。

弦楽器による静かなトレモロ(同じ音を小刻みに反復する奏法)に乗って奏でられる不気味な響きが印象的です。

鶏の足の上に建つ小屋、バーバ・ヤーガ(La cabane sur des pattes de poule – Baba-Yaga)

「バーバ・ヤーガ」とはロシア民話に登場する骨と皮だけの痩せこけた妖婆です。

ヴィクトル・ハルトマン
バーバ・ヤーガをモチーフとした置時計デザイン

森の中の鶏の足の上に建つ小屋に住むと言われており、その奇妙な様子がスピード感溢れるテンポの速い音楽で描かれています。

中間部では幻想的な雰囲気も醸し出しますが、再びテンポを速め高揚した後そのまま終曲へと続きます。

キエフの大門(La grande porte de Kiev)

フィナーレはダイジェスト動画でも紹介した「キエフの大門」、力強く堂々とした金管楽器の旋律が印象的です。

ヴィクトル・ハルトマン「キエフの大門」デザイン画

ウクライナの首都「キエフ」にはかつて「黄金の門」と呼ばれる大門が存在しました。

この「黄金の門」は1240年にモンゴル帝国の侵攻により破壊され、その後再建されることはありませんでした。

上記の絵は、当時この「黄金の門」の再建案が持ち上がった時に建築家でもあったハルトマンが公募した独自のデザイン画です。

ロシアで見ることの多い特徴的な兜型の屋根、3つの鐘をいただく教会風の鐘楼が印象的なデザイン画です。

しかし、政局が混乱する中、結局この「黄金の門」が再建されることはありませんでした。

それからさらに100年以上の時を経た1982年になってようやくこの門は再建されました。

キエフにある「黄金の門」

楽曲は冒頭、壮大な「キエフの大門」を象徴するかのような堂々とした主題が金管楽器によって奏でられます。(譜例⑧)

譜例⑧:演奏動画(29:17)

その後木管楽器が奏でる旋律はロシア正教で用いられる聖歌のように厳かです。

楽曲は何度か静けさを取り戻した後、ハルトマンのデザイン画の中にあるような鐘の音と共に再び高揚し、最後は10枚の絵をつないできたプロムナードの旋律が壮大に響き渡り、大団円を迎えます。

ムソルグスキー「展覧会の絵」youtube動画

組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲:管弦楽版)

プロムナード(00:20)
1.小人(02:00)
2.古城(05:32)
3.テュイルリー、遊びの後の子供たちの口げんか(11:48)
4.ビドロ(12:58)
5.卵の殻をつけた雛の踊り(16:53)
6.サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ(18:00)
7.リモージュの市場(20:25)
8.カタコンベ-ローマ時代の墓(21:43)
9.鶏の足の上に建つ小屋、バーバ・ヤガー(26:00)
10.キエフの大門(29:17)

ワレリー・ゲルギエフ指揮:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
会場:オデオン広場(ミュンヘン)

ワレリー・ゲルギエフは1953年生まれ、ロシア出身の指揮者です。

マリインスキー劇場(旧キーロフ劇場)でデビューし、1988年には音楽監督、1996年には芸術総監督に就任し、ソ連崩壊の混乱期を乗り越え世界有数の劇場に育て上げました。

とても短い指揮棒を使用するか、指揮棒なしで大変特徴的な指揮をする世界で活躍される指揮者です。

今回ご紹介した動画ではアンコールとして次の2曲を演奏していますので、ご紹介しておきます。

チャイコフスキー:バレエ音楽『くるみ割り人形』第2幕「パ・ド・ドゥ」より(36:42)

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(44:08)

組曲「展覧会の絵」(ピアノ版)

※こちらの動画は埋め込みが出来ません。下記のタイトルをクリックしていただき、リンク先のyou tubeでご覧ください。

ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」

プロムナード(00:35)
1.小人(01:47)
2.古城(05:08)
3.テュイルリー、遊びの後の子供たちの口げんか(10:41)
4.ビドロ(11:40)
5.卵の殻をつけた雛の踊り(15:17)
6.サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ(16:27)
7.リモージュの市場(19:48)
8.カタコンベ-ローマ時代の墓(21:03)
9.鶏の足の上に建つ小屋、バーバ・ヤガー(25:37)
10.キエフの大門(28:56)

ピアノ:エフゲニー・キーシン

エフゲニー・キーシンは1971年生まれ、旧ソ連、モスクワ出身のピアニストです。

10代の頃から神童として騒がれ、1988年、17歳の時にはカラヤン指揮のベルリン・フィル、ジルベスター・コンサートに登場するなど世界中の注目を浴びます。

その後の活躍も目覚ましく、国際的に活躍する現代を代表するピアニストの1人です。

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piccoloのツボ!ここを聴いて!

このコーナーでは今回ご紹介した作品の中から「ぜひここを聴いて欲しい!」と言う管理人piccoloの独断と偏見によるツボをご紹介しています。

「全曲聴くのは長すぎて・・・」と感じられるクラシック初心者の方はぜひここだけでも聴いてみて下さい。

下記の動画をクリックしていただければ該当箇所から再生できるように設定しています。

ムソルグスキーが描き、ラヴェルが彩色を施した10枚の音による絵画は、それぞれが実に魅力的で甲乙つけ難いのですが、今回はその中から第2曲「古城(Il vecchio castello)をご紹介したいと思います。

ラヴェルはここでオーケストラでは余り使われることのないアルト・サクソフォーンをソロに使いました。

その艶やかでやや憂いを帯びたような独特の音色は、ムソルグスキーが描いた哀愁を帯びた美しい主題と絶妙にマッチしていて、実に魅力的です。

サクソフォーンが発明されたのは19世紀半ば、クラシック音楽、特にオーケストラの中での登場機会はあまり多くありません。

むしろジャズやポップスの分野での活躍の機会が多いサクソフォーンですが、クラシックプレーヤーの奏でるサクソフォーンの音色は艶っぽく滑らかで、まるでシルクの肌触りのような実に魅力的な音色です。

今回の「piccoloのツボ!」はこの第2曲「古城(Il vecchio castello)の一部を管弦楽版と原曲のピアノ版で聴き比べてみたいと思います。

アルト・サクソフォーンが奏でる哀切に満ち、それでいて艶のある響き、訥々と語り掛けるかのようなピアノの響き、それぞれの魅力があり、心が惹かれてなりません。

ぜひ聴き比べてお楽しみいただければ幸いです。

ユーリ・テミルカーノフ指揮:サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団

ピアノ:アリス=紗良・オット

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ムソルグスキー「展覧会の絵」おすすめの名盤

管理人piccoloおすすめの名盤はこちら!

今回は管弦楽盤とピアノ盤をそれぞれ2枚ずつ紹介します!

サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

【収録曲】
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
ボロディン:だったん人の踊り


サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2007年 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

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今回ご紹介するこちらの盤は2007年、ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートでのライヴ収録盤です。
※収録が29-31日となっているので、今流行の「ファーストテイク」と言う訳ではなさそうです。

ベルリン・フィルの録音では前任者のアバド盤、カラヤン盤なども出ていますが、このラトル盤ではあまり演出過多にならず、ライヴ収録ならではの自然な音楽の運びが楽しめる1枚です。

程よく抑制された均整の取れた演奏で、ラヴェルの洗練されたオーケストレーションを楽しめるアルバムになっていると思います。

反面、ムソルグスキー特有の土臭さ?アクの強さ?は余り感じられませんので、個性重視派の方には物足りない1枚かも知れませんね。

ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲『展覧会の絵』より「キエフの大門」
サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ワレリー・ゲルギエフ指揮:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

【収録曲】
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』
ムソルグスキー:歌劇『ホヴァンシチナ』前奏曲
ムソルグスキー:交響詩『はげ山の一夜』
ムソルグスキー:歌劇『ソロチンスクの市』からゴパック


ワレリー・ゲルギエフ指揮:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2000年 ウィーン、ムジークフェラインザール

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今回のyoutube動画でもご紹介したゲルギエフウィーン・フィルによる録音で、『展覧会の絵』はこちらもライヴ収録です。

ウィーン・フィルの美しく洗練された響きと共に、ゲルギエフによって導かれるムソルグスキーらしい荒々しく粗野な響きも随所に感じられる1枚です。

かと言って凄くクセの強い感じもないので、丁度良い感じのコントラストが楽しめるアルバムに仕上がっているように感じます。

ゲルギエフには手兵マリインスキー劇場管との録音もあり、こちらはさらにゲルギエフの個性を感じられるアルバムになっています。

ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲『展覧会の絵』より「キエフの大門」
ワレリー・ゲルギエフ指揮:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ピアノ:アナトール・ウゴルスキ

【収録曲】
ムソルグスキー
1. 組曲『展覧会の絵』(ラヴェル編)
2. 組曲『展覧会の絵』(ピアノ版)

クラウディオ・アバド指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:アナトール・ウゴルスキ

録音:1993年(ライヴ)(1)、1991年(2)

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アナトール・ウゴルスキは1942年生まれ、旧ソ連、シベリア出身のピアニストです。

力強いタッチで奏でられる「展覧会の絵」は堂々とした落ち着いたテンポ設定で、オーソドックスなアプローチの中にもがっちりと構築された建築物のような雰囲気を感じる演奏です。

「ビドロ」では重荷を背負いながらも、何かに強く抗うように歩みを進める力強さを感じます。

元々、ストラヴィンスキーのペトリューシュカとカップリングされたピアノ作品集でしたが、今回ご紹介する「ドイツ・グラモフォン定盤50」シリーズのセレクト盤ではアバド&ベルリン・フィルによる管弦楽版と1枚で聴き比べることの出来るおすすめのアルバムです。

ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』より「キエフの大門」
ピアノ:アナトール・ウゴルスキ

ピアノ:カティア・ブニアティシヴィリ

アルバム『カレイドスコープ』
【収録曲】
ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』からの3楽章

ピアノ:カティア・ブニアティシヴィリ
録音:2015年

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カティア・ブニアティシヴィリは1987年生まれ、ジョージア(グルジア)出身でのピアニストです。

ブニアティシヴィリが描く「展覧会の絵」は彼女の豊かな独創性に富んだ録音で、正直好みの分かれる1枚かも知れません。

私が驚くのは20世紀半ばの録音ならいざ知らず、これだけ録音情報の氾濫した現代にあって、楽譜から読み解き再現されたものが、こんなにも独自のイマジネーションに溢れた演奏になるものかと言う点です。

静かに独白するような冒頭の「プロムナード」、ダイナミクスのコントラストが激しく、即興的にも感じる「グノーム」、かなり落ち着いたテンポで哀切の表情を見せる「古城」、重々しい後ろ姿を残しながら消え入るように終わる「ビドロ」、それに続く第4プロムナードのこの上なく儚い美しさ、「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」では管弦楽版とは全く異なる表情を見せ、「バーバ・ヤーガ」では叩きつけるかのようなエネルギッシュな打鍵を見せ、終曲「キエフの大門」へとなだれ込みます。

ピアノ譜を見ながら聴いていると「いや!それはない!」とツッコミどころも満載ですが、ブニアティシヴィリの個性が光る1枚です。

個性重視派の方にはハマっていただけるかもしれないおすすめのアルバムです。

カティア・ブニアティシヴィリ
アルバム『カレイドスコープ』ティーザー動画

「Amazon Music Umlimited」で「展覧会の絵」を聴き比べ!

★「Amazon Music Unlimited」では次のようなアーティストの「展覧会の絵」を聴き放題で楽しむことが出来ます。

※下記の検索結果は本記事の投稿日現在、「Amazon Music Unlimited」「展覧会の絵」「pictures at an exhibition」「Tableaux d’une exposition」などのキーワードで検索した例です。すべての録音を表示しているわけではありませんのでご了承ください。

※検索結果には「ムソルグスキー原典版」「ラヴェル編曲版」以外のものも含んでいます。

【管弦楽版】「ラトル&ベルリン・フィル」「アバド&ベルリン・フィル」「マルケヴィチ&ベルリン・フィル」「カラヤン&ベルリン・フィル」「ドゥダメル&ウィーン・フィル」「ゲルギエフ&ウィーン・フィル」「プレヴィン&ウィーン・フィル」「ゲルギエフ&マリインスキー劇場管」「アシュケナージ&フィルハーモニア管」「アバド&ロンドン響」「マルコム・サージェント&ロンドン響」「チョン・ミュンフン&フランス放送フィル」「ショルティ&シカゴ響」「カルロ・マリア・ジュリーニ&シカゴ響」「オリヴァー・ナッセン&クリーヴランド管」「シノーポリ&ニューヨーク・フィル」「デュトワ&モントリオール響」「大植英次&ミネソタ管」「パーヴォ・ヤルヴィ&N響」「バッティストーニ&東京フィル」「小林研一郎&日本フィル」「山田和樹&日本フィル」「朝比奈隆&大阪フィル」他

【ピアノ版】「エフゲニー・キーシン」「ウラディーミル・アシュケナージ」「アルフレッド・ブレンデル」「ファジル・サイ」「カティア・ブニアティシヴィリ」「アリス=紗良・オット」「イリーナ・メジューエワ」「ウラディミール・ホロヴィッツ」「スヴャトスラフ・リヒテル」「イーヴォ・ポゴレリチ」「アナトール・ウゴルスキ」「ラザール・ベルマン」「ミハイル・ルディ」「辻井伸行」「上原彩子」「牛田智大」「松田華音」他

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おすすめの名盤でご紹介した以外では、洗練された端正な演奏を楽しめる「デュトワ&モントリオール響」盤、金管楽器の重厚な響きが印象的な「ショルティ&シカゴ響」盤なども良いですよ!

ストコフスキー編曲版を採用している「オリヴァー・ナッセン&クリーヴランド管」盤ではラヴェル版に比べて良い意味で土臭く?おどろおどろしい雰囲気も感じる「展覧会の絵」を楽しめます。

「アシュケナージ&フィルハーモニア管」盤ではアシュケナージ自身が編曲した管弦楽版とアシュケナージ自身のピアノ演奏を聴き比べて楽しむことが出来ます。

ピアノ版では共にライヴ・レコーディングの「アリス=紗良・オット」「イリーナ・メジューエワ」盤など、ライヴならではの緊張感のある録音を聴き比べるのも楽しいですね。

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※無料体験の登録方法、「Amazon Music Umlimited」で聴くことの出来るクラシック作品についてはこちらの記事でご紹介していますので、合わせてお読みください。

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まとめ

ムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」、いかがでしたでしょうか?

10枚の絵画を元に描かれた楽曲はそれぞれに異なる味わいの魅力に溢れ、クラシック初心者の方にも存分に楽しめる作品になっています。

ムソルグスキーは友人であったハルトマンの書いた絵にインスピレーションを受けて、この作品を完成させたわけですが、「作曲の背景」でも触れたようにこの作品を遺稿の中から取り上げたリムスキー=コルサコフ、管弦楽曲に編曲したラヴェルの力なくしては今日の様に広く親しまれ愛されることはなかったのではないでしょうか?

リムスキー=コルサコフが見出したムソルグスキーの素晴らしいデッサン画は、ラヴェルの美しい彩色を経て広く世に知られるところとなりました。

そして順序は逆になりましたが、今日ではムソルグスキーの素晴らしいデッサン画そのものにも注目が集まるようになりました。

管弦楽版は聴いたことがあっても、ピアノ版は聴いたことがないと言う方はぜひこの機会に聴き比べてお楽しみいただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

リヒャルト・シュトラウスが描く壮大なアルプスの情景!

リムスキー=コルサコフが描く「アラビアン・ナイト」の世界!

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