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エルガー「チェロ協奏曲」解説とおすすめの名盤

2023年2月19日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

慟哭するような独奏チェロのカデンツァに導かれ、オーケストラが悲哀に満ちた主題を奏でます。

独奏チェロが高揚しながらオーケストラへと主題を導く場面はとても印象的で心に残ります。

まずは冒頭部分をダイジェストで聴いてみましょう!

サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:ソル・ガベッタ

作曲の背景

チェロ協奏曲 ホ短調 作品85はイギリスの作曲家、エドワード・エルガー(1857-1934)が1919年、62歳の頃に書き上げた協奏曲です。

作曲に着手した1918年は第一次世界大戦の最晩年で、既に60歳を越えていたエルガーは体調を崩し、郊外に移り住み静養に努めていました。

一説にはこの作品の冒頭主題は病床にあってペンを走らせたとも伝えられています。

その後、他の作品の作曲もあり、一時的にこの作品の作曲の手は止まったようですが、8月には完成した楽譜を出版社に送っています。

翌1919年10月27日、フェリックス・サルモンドの独奏、作曲者自身の指揮とロンドン交響楽団の演奏で行われた初演は十分なリハーサルができなかったこともあり、芳しい評価を得られなかったようです。

エドワード・エルガー
エドワード・エルガー-PD

しかし、その後の再演が好評を博し、今日ではエルガーの作品のみならず、チェロ協奏曲の代表作として有名です。

再演及びレコーディングでエルガーの高い評価を得たのはベアトリス・ハリソン、彼女とのコンビの録音は今日でも聴くことが出来ます。

エルガー:チェロ協奏曲より第1楽章
ベアトリス・ハリソン:エルガー指揮 New Symphony Orchestra

それから数十年の時を経て、今度は夭折の天才チェリストとして名高いイギリスのジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)がこの作品の録音と演奏を盛んに行います。

その情熱的でドラマティックな演奏は多くの人々に絶賛され、この曲を世に知らしめるのに大きく貢献しました。

ジャクリーヌ・デュ・プレは残念なことに20代後半で多発性硬化症と言う難病を発症し、28歳で事実上の引退、長年の闘病の末、1987年に42歳の若さで他界されています。

エルガーとベアトリス・ハリスンの録音風景(1920年11月)-PD

エルガー「チェロ協奏曲」解説

第1楽章:Adagio – Moderato

冒頭のチェロのカデンツァがまるで慟哭しているかのように感じられ、胸を打たれます。(譜例①)
※カデンツァは独奏楽器がオーケストラ伴奏を伴わずに即興的に演奏する部分

エルガーチェロ協奏曲
譜例①:演奏動画(00:50)

絶望と悲しみを独白しているかのようなチェロのカデンツァは、やがてこの作品の主要主題へと導いていきます。(譜例②)

エルガーチェロ協奏曲主題
譜例②:演奏動画(01:57)

主要主題は激しい戦火の中で体調を崩し、身も心も疲れ果てたエルガーの心象風景なのでしょうか、まるで重たいものを背負いながら歩んでいるかのように私には感じられます。

主題はオーケストラから独奏チェロへと受け渡され、何度も繰り返されながら高揚していきます。

高揚した主題が独奏チェロのブリッジを経てオーケストラのトゥッティ(総奏)へと受け継がれる場面は実に感動的で、何度聴いても鳥肌が立ちます。(譜例③)

エルガーチェロ協奏曲主題
譜例③:演奏動画(03:08)

主題が静かに落ち着きを取り戻すと、やや表情を変えた中間部が始まります。(譜例④)

エルガーチェロ協奏曲第1楽章中間部
譜例④:演奏動画(04:31)

冒頭部分に比べていく分明るく、牧歌的にも感じる表情で独奏チェロとオーケストラが対話をしますが、やがて、また重々しい歩みのような劇的な主要主題に支配されていきます。

最後は一人静かに遠くへ去るように独奏チェロが主題を奏で、第1楽章を終えます。

第2楽章:Lento – Allegro molto

第2楽章は第1楽章から途切れることなく始められます。冒頭の独奏チェロのピチカート(指で弾く)は第1楽章の冒頭のカデンツァの和音です。(譜例⑤)

エルガーチェロ協奏曲第2楽章
譜例⑤:演奏動画(09:09)

オーケストラの合いの手を入れながら奏でられる独奏チェロのカデンツァは、心のざわつきを表現したかのように不安気で、いにしえの吟遊詩人が竪琴を奏でながら何か吟じているような趣も感じます。

独白するかのような長いカデンツァが終わると、そのままテンポを速め、主部へと続いていきます。(譜例⑥)

エルガーチェロ協奏曲第2楽章006
譜例⑥:演奏動画(10:36)

悲劇的な雰囲気は影を潜め、独奏チェロは耐えず短い音を刻みながら快活に音楽が展開されていき、最後までテンポを保ったまま突然終曲します。

第3楽章:Adagio

どこか悲劇的な雰囲気が支配するこの作品ですが、その中にあって束の間の安息が訪れたかのような静謐で穏やかな楽章です。

冒頭から静かに歌われる独奏チェロの旋律が心に染みます。(譜例⑦)

エルガーチェロ協奏曲第3楽章
譜例⑦:演奏動画(14:00)

息の長い旋律を静かに歌う独奏チェロの音色はとても温かく、曲想にマッチしていて、最後は余韻を残すかのように静かに終曲します。

第4楽章:Allegro – Moderato – Allegro, ma non troppo

オーケストラの短い序奏に続いて独奏チェロが再び悲劇的でドラマティックな世界に引き戻します。(譜例⑧)

エルガーチェロ協奏曲第4楽章
譜例⑧:演奏動画(18:52)

カデンツァに続きアレグロの主部に入ると軽快な舞曲風の主題が支配します。この主題がオーケストラと独奏チェロの間で対話をするように音楽が展開されていきます。

後半ではぐっとテンポを落とし、息の長い浮遊するかのような旋律を奏でます。この旋律がひとしきり高揚して静けさを取り戻すと最後は再び冒頭のカデンツァが劇的に奏でられ終曲します。(譜例⑨)

エルガーチェロ協奏曲第4楽章010
譜例⑨:演奏動画(29:08)

エルガー「チェロ協奏曲」YouTube動画

エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
第1楽章(00:50)
第2楽章(09:09)
第3楽章(14:00)
第4楽章(18:40)

アレクサンドル・ブロック指揮 
ルーマニア国立ジョルジュ・エネスコ・フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:アナスタシア・コベキナ

アナスタシア・コベキナは1994年生まれ、ロシア出身のチェロ奏者です。2019年チャイコフスキー国際コンクールで第3位を受賞、ゲルギエフ、ペンデレツキ、H.シフらの指揮でマリインスキー劇場管、ロシア国立響、ウィーン響等と共演するなど活躍しています。

今回ご紹介する動画は2016年に開催されたジョルジュ・エネスコ国際コンクール本選での演奏を収録したものです。アナスタシア・コベキナはこのコンクールで第2位及び特別賞を受賞しています。

演奏会場はルーマニアの首都ブカレストにあるアテネ音楽堂、古代ギリシャの寺院を模して19世紀に建てられた歴史ある建物です。

コンサートホールは素晴らしい内装で、ルーマニアの歴史を描いたフレスコ画が観客席をぐるりと囲んでいます。

音楽と一緒にその素晴らしい会場の雰囲気も楽しめる動画です。ぜひ聴いてみてください!

エルガー「チェロ協奏曲」おすすめの名盤

ジャクリーヌ・デュ・プレ

【収録曲】
1. エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 op.85
2. ディーリアス:チェロ協奏曲

ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ジョン・バルビローリ指揮:ロンドン交響楽団
(1)
マルコム・サージェント指揮:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(2)
録音:1965年

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若くして難病を発症し、20代後半にして実質上の引退を余儀なくされたイギリスの天才チェロ奏者、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)はピアニストで指揮者のダニエル・バレンボイムと若くして結婚したことでも知られています。

そんな悲劇のチェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの代名詞とも言えるのがこのエルガーの協奏曲です。

デュ・プレには夫、バレンボイムと共演した録音もありますが、こちらはチェリストでもあったジョン・バルビローリロンドン交響楽団とのコンビで録音された名盤の誉れ高い作品です。

20歳のデュ・プレが奏でるエルガーはとても感情豊かな表現で、まさに溢れ出る情熱を抑えきれないと言った感じです。

その演奏スタイルには保守的な批評家たちからは賛否両論あったようですが、個人的には一聴の価値のある紛れもない名盤だと感じています。

情熱的で独自の世界に深く入り込むかのようなデュ・プレのチェロを、巨匠バルビローリがそっと支えているかのようなおススメの録音です。

エルガー「チェロ協奏曲」より第1楽章
ジャクリーヌ・デュ・プレ:ジョン・バルビローリ&ロンドン響

ミッシャ・マイスキー

【収録曲】
エルガー
1. チェロ協奏曲ホ短調 Op.85
2. エニグマ変奏曲 Op.36
3. 行進曲『威風堂々』第1番、第4番

ミッシャ・マイスキー(チェロ)
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団

録音:1990年(1) 1987年(2) 1991年(3)

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現代を代表するチェリスト、ミッシャ・マイスキー(1948-)42歳の頃の録音です。デュ・プレの演奏が「激情型」「劇場型」とすれば、マイスキーの録音はそうした側面を持ちながらもやや繊細な表情も感じる演奏のように感じました。

切々と訴えかけるようなチェロの響きは個人的には「太い」イメージよりは「繊細」なイメージがあり、歌い上げる場面ではすすり泣くように歌うオペラ・アリアのような感もあります。

そんなマイスキーをサポートするのは54歳と若くしてこの世を去ったジュゼッペ・シノーポリ(1946-2001)と彼が首席指揮者を務めていたフィルハーモニア管弦楽団です。

カップリングが「エニグマ変奏曲」「威風堂々」とエルガーの代表作を楽しめるオススメのアルバムです。

エルガー「チェロ協奏曲」より第1楽章
ミッシャ・マイスキー:ジュゼッペ・シノーポリ&フィルハーモニア管

アリサ・ワイラースタイン

【収録曲】
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
カーター:チェロ協奏曲
ブルッフ:コル・ニドライ 作品47

アリサ・ワイラースタイン(チェロ)
ダニエル・バレンボイム指揮
シュターツカペレ・ベルリン

録音:2012年

アリサ・ワイラースタイン(1982-)はアメリカのチェロ奏者です。13歳にしてクリーヴランド管弦楽団と共演を果たすなど、早くからキャリアを重ねます。

早くから彼女の才能に注目していた巨匠、ダニエル・バレンボイムはまさに彼女を見出したと言っても良い存在です。

今回ご紹介するアルバムはそんなワイラースタインの記念すべきデビューアルバムです。ワイラースタインは「バレンボイム&ジャクリーヌ・デュ・プレ」と言う名盤がある以上、バレンボイムの前ではこの作品に「触れてはいけない」とかなり躊躇していたようです。

しかしバレンボイムはそんな彼女のエルガーを聴いて、初録音の作品として指定するばかりか、ヨーロッパ・ツアーのソリストにも指名しました。

この録音の2年前の2010年、ベルリン・フィル恒例のヨーロッパ・コンサートにソリストとして登場した彼女の演奏はブルーレイとしても発売されています。

ワイラースタインの奏でるエルガーは情感に溢れる表現ながらも、とても柔らかく温かみのある音で心を打ちます。

バレンボイムのタクトのもと真っ赤なドレスに身を包み、チェロを奏でるワイラースタインの姿に、デュ・プレの姿を重ね合わせるのは私だけでしょうか。

エルガー「チェロ協奏曲」より第1楽章
アリサ・ワイラースタイン:バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン
エルガー「チェロ協奏曲」より第1楽章
アリサ・ワイラースタイン:バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン

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エルガー チェロ協奏曲

「マリア・クリーゲル:ミヒャエル・ハラース&ロイヤル・フィル」「ミッシャ・マイスキー:ジュゼッペ・シノーポリ&フィルハーモニア管」「ディヴィット・アーロン・カーペンター:クリストフ・エッシェンバッハ&フィルハーモニア管」「ヨーヨー・マ:アンドレ・プレヴィン&ロンドン響」「ジャクリーヌ・デュ・プレ:ジョン・バルビローリ&ロンドン響」「ジャクリーヌ・デュ・プレ:バレンボイム&フィラデルフィア管」「フェリックス・シュミット:ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス&ロンドン響」「インバル・セゲフ:マリン・オールソップ&ロンドン・フィル」「ポール・トルトゥリエ:エイドリアン・ボールト&ロンドン・フィル」「ポール・トルトゥリエ:マルコム・サージェント&BBC響」「ナタリー・クライン:ヴァーノン・ハンドリー& ロイヤル・リヴァプール・フィル」「トゥルルス・モルク:ラトル&バーミンガム市響」「アンヌ・ガスティネル:ジャスティン・ブラウン&バーミンガム市響」「ポール・ワトキンス:アンドルー・デイヴィス&BBCフィル」「ピエール・フルニエ:アルフレッド・ウォーレンスタイン&ベルリン・フィル」「パブロ・カザルス:エイドリアン・ボールト&BBC響」「ジャン=ギアン・ケラス:イルジー・ビエロフラーヴェク&BBC響」「ジュリアン・ロイド・ウェバー:メニューイン&ロイヤル・フィル」「マリー=エリザベス・ヘッカー:エド・デ・ワールト&アントワープ響」「ソル・ガベッタ:マリオ・ヴェンツァーゴ&デンマーク国立交響楽団」「アリサ・ワイラースタイン:バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン」「ハインリヒ・シフ:ネヴィル・マリナー&ドレスデン国立管」「ベアトリス・ハリソン:エルガー&ニュー・シンフォニー・オーケストラ(自演)」「ダニエル・ミュラー=ショット:アンドレ・プレヴィン&オスロ・フィル」「タマーシュ・ヴァルガ:リコ・サッカーニ&ブダペスト・フィル」他

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ジャクリーヌ・デュ・プレの録音は大変有名で、印象深く、それ以後のチェリストたちのエルガーの演奏スタイルにも大きな影響を与えたように感じます。

そういう意味ではデュ・プレ以前の録音を聴いてみるのも面白いかも知れませんね。

デュ・プレが師事したパブロ・カザルス、ポール・トルトゥリエなどの録音は時代的に録音状態もあまりよろしくなく、CDとして購入しようという気には個人的にはなれませんが、「Amazon Music Umlimited」なら聴き放題なので気軽に楽しむことが出来ます。

作曲者のエルガー自身の指揮では彼の評価の高かったベアトリス・ハリソンのチェロで聴くことが出来ます。

次世代のチェリストでは名盤のコーナーでご紹介したアリサ・ワイラースタインの他にもソル・ガベッタダニエル・ミュラー=ショットナタリー・クラインなどが興味深い演奏を聴かせています。

ぜひ聴き比べてお楽しみいただければと思います。

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まとめ

エルガー作曲のチェロ協奏曲、いかがでしたでしょうか?

「愛の挨拶」「威風堂々」などクラシックファン以外にも広く親しまれているイギリスを代表する作曲家の作品ですが、エルガーが交響曲や協奏曲と言った分野の曲を完成させるのは、50歳を過ぎてから、そのキャリアの後期のことです。

冒頭の「作曲の背景」でも触れたように、その時期には第一次世界大戦と言うエルガーの人生に大きな影を落とす出来事も起こっています。

1914年から1918年にかけて起きた第一次世界大戦は体調を崩していたエルガーに大きな精神的ダメージを与えたようです。

この作品の持つ独特の悲劇的な雰囲気はそうしたエルガーの置かれた環境や精神状態と決して無関係でないように感じます。

しかし、その劇的な雰囲気は幅広い音域で豊かな音色を奏でるチェロと言う楽器の特性を存分に引き出していて、何とも言えない魅力を感じます。

エルガーと聞いて「愛の挨拶」や「威風堂々」のメロディーが頭に浮かぶ方には、ぜひ一度聴いていただきたい作品です。

きっと新たなエルガーの世界が広がると思いますよ。

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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参考:道廣真衣「チェロ協奏曲 op.85 における E. エルガーの意図ー第 1 楽章の分析からー」人文論究59-4