バッハ「管弦楽組曲第2番」【解説と無料楽譜】
目次
まずはダイジェストで聴いてみよう!
快活に飛び跳ねるような独奏フルートが印象的な終曲は「冗談」と言う語源を持つ「バディネリ」。
20世紀で最も有名な指揮者と言っても過言ではないカラヤンがこの動画ではチェンバロを弾きながら指揮をしています。
まずは終曲「バディネリ」をダイジェストで聴いてみましょう!
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フルート:カールハインツ・ツェラー
【収録情報】
J.S.バッハ
1. 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
2. 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068
3. ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フルート:カールハインツ・ツェラー(1,3)
ヴァイオリン:ミシェル・シュヴァルベ(3)
チェンバロ:エディト・ピヒト=アクセンフェルト
録音時期:1964年8月
バッハ「管弦楽組曲第2番」の解説
「管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067」はドイツの作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した管弦楽曲です。
バッハは編成の異なる管弦楽組曲を4曲書いており、中でも今回ご紹介する第2番と第3番が特に有名です。
この第2番ではフルートが独奏楽器として協奏曲的に使われています。
今日では一般的に「管弦楽組曲」と呼称されていますが、バッハ自身は組曲と言うタイトルを使用しておらず、単に序曲と呼ばれていたようです。
バッハ作品目録での作品番号はBWV1067となっていますので、検索するなどの際に活用すると便利です。
ダイジェスト動画ではモダン・フルートを用いて演奏していますが、次にご紹介する動画ではフラウト・トラヴェルソと呼ばれる作曲当時のスタイルの楽器が使用されています。
モダン・フルートではキイ・システムを利用して音孔を塞ぐのに対して、フラウト・トラヴェルソではキイ・システムは1箇所のみで後は指で直接塞ぐシンプルな構造になっています。
金製や銀製など金属製の楽器が多いモダン・フルートに比べると音量も小さく華やかさも比べ物になりませんが、その代わりに木製楽器の持つ素朴で温かみのある音色が魅力です。
その違いを聴き比べるのも楽しいかもしれませんね。
1.序曲(Ouverture)
独奏フルートと弦楽合奏が荘重で厳かな雰囲気の旋律を奏でます。付点のリズムが特徴的なフランス風序曲です。
中間部ではテンポを速め独奏フルートが愁いを帯びたソロを展開していきます。
2.ロンド(Rondeau)
素朴な雰囲気の旋律が印象的な短いロンドです。この曲ではフルートパートは数小節を除いては第1ヴァイオリンと同じ旋律を奏でます。
3.サラバンド(Sarabande)
少し物悲しい雰囲気に包まれたゆったりとした舞曲です。ここでもフルートは第1ヴァイオリンと同じ旋律を奏でています。
4.ブーレ(Bourrée I & II)
一転して速度を速め、活き活きとした曲調に変わります。
ブーレⅠに続くブーレⅡでは再び独奏フルートが活躍し、その後再びブーレⅠが繰り返される三部形式になっています。
5.ボロネーズ(Polonaise)
「ポーランド風」と言う語源を持つ舞曲で付点のリズムが特徴的な旋律が演奏された後、バスに繰り返された旋律の上を独奏フルートがその旋律を装飾するように変奏します。
この曲も終曲の「バディネリ」同様、単独で演奏される機会の多い曲です。
6.メヌエット(Menuet)
ここではフルートは終始、弦楽合奏と旋律を共にする穏やかな雰囲気のメヌエットです。
7.バディネリ(Badinerie)
ダイジェスト動画でもご紹介した終曲です。フルートの演奏会などではアンコールピースとして演奏されることも多い曲です。
「バディヌリ」が本来の発音に近いようですが、「バディネリ」と表記されることも多いようです。
※冒頭のダイジェスト動画ではフルート奏者による任意の装飾が加えられて演奏されています。
バッハ「管弦楽組曲第2番」のyoutube動画
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
1.序曲(00:07)
2.ロンド(06:46)
3.サラバンド(08:55)
4.ブーレ(11:46)
5.ボロネーズ(13:44)
6.メヌエット(17:14)
7.バディヌリ(18:35)
オランダ・バッハ協会管弦楽団
フラウト・トラヴェルソ:Marten Root
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バッハ「管弦楽組曲第2番」の無料楽譜
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067の無料楽譜(IMSLP)
上記のリンク先から無料楽譜をダウンロード出来ます。ご利用方法がわからない方は下記の記事を参考にしてください。
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