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バッハ「ブランデンブルク協奏曲第4番」【解説と名盤】

2020年9月19日

作曲の背景

「ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049」はドイツの作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した協奏曲です。

タイトルの「ブランデンブルク」はこの曲がブランデンブルク=シュヴェート辺境伯と呼ばれる領主に献呈されたことに由来していて、バッハ自身が命名したものではありません。

作曲年代は諸説ありはっきりしていませんが、献呈されたのは1721年のことです。

オリジナルのタイトルは「種々の楽器のための6曲の協奏曲」で、様々な組み合わせの独奏楽器群(コンチェルティーノ)合奏楽器群(リピエーノ)が交互に絡み合う合奏協奏曲です。

今回ご紹介する第4番では2本のリコーダーヴァイオリンが独奏楽器に選ばれています。

バッハが活躍したのはバロック音楽が栄えた18世紀の前半、当時一般的に「フルート」と言う楽器の呼称は現在の横型のフルートではなく、縦型のリコーダーのことを指していました。

横型のフルートは国によって呼称は若干異なりますが、一般的にはフラウト・トラヴェルソと呼ばれ区別されていました。

その後このフラウト・トラヴェルソと呼ばれる横型フルートは様々な改良が加えられることによって幅広い表現が可能になり、オーケストラになくてはならない楽器に発展していくわけですが、反面それまでは主流であったリコーダーは徐々に活躍の場を失っていくことになり、今日では主に小学校で使われる教育用の楽器としてのイメージが強くなりました。

バッハの時代は丁度リコーダーからトラヴェルソへと流行が変わっていく過渡期にもあたり、バッハの管弦楽作品の中にはリコーダーの為に書かれた作品とトラヴェルソの為に書かれた作品が共存しています。

以前ご紹介した「ブランデンブルク協奏曲第5番」「管弦楽組曲第2番」などはフラウト・トラヴェルソの為に書かれた作品で、今回ご紹介する「ブランデンブルク協奏曲第4番」はリコーダーの為に書かれた作品です。

20世紀半ば頃までの演奏、録音では横型のモダン・フルートが使われるケースが多かったようですが、その後いわゆる古楽器ブームが巻き起こり、本来のリコーダーで演奏される機会がかなり増えたように思います。

このような経緯から実際の演奏会や録音ではリコーダーで演奏している場合とフルートで演奏している場合の両方が見受けられます。

リコーダーのお話しが長くなってしまいましたが、この作品ではヴァイオリンも独奏楽器群の中で重要な役割を占めています。

高い技術を必要とした華やかな独奏箇所が散りばめてあり、聴く人の心を惹きつけます。

ブランデンブルク協奏曲全6曲の中では第5番が最も有名かとは思いますが、この第4番も素晴らしい作品ですのでぜひ聴いてみてください!

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第4番」解説

第1楽章:Allegro

2本のリコーダーが軽やかに牧歌的な旋律を奏でます。その音色は澄み切っていて、そして愛らしく純粋無垢と言った表情で歌います。

独奏ヴァイオリンがさらに彩りを加えると中間部では様々な音の糸の間を縫うように鮮やかに駆け巡ります。

独奏楽器群の綾なす縦糸と弦楽合奏が紡ぎ出す横糸が絶妙な響きを織り成す素晴らしい楽章です。

第2楽章:Andante

少し寂し気で郷愁を誘うような旋律が心に残る第2楽章。

繰り返されるフレーズは互いに呼応し、会話をしているようにも、こだまを聴いているようにも思えます。

最後はリコーダーがまるで悲し気に振り返って話しかけているかのようにソロを奏でて終わります。

第3楽章 Presto

颯爽と前へ前へと進む音楽の推進力を感じる第3楽章。

独奏ヴァイオリンと2本のリコーダー、弦楽合奏が複雑に絡み合いながらひとつの音楽を作っていきます。

独奏ヴァイオリンはここでも高い技巧を駆使し主役を演じます。

まるで精巧で複雑なパズルで出来た美しい絵画を見ているような感じになる1曲です。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第4番」youtube動画

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
第1楽章(0:00) 第2楽章(6:45) 第3楽章(10:25)

オランダ・バッハ協会管弦楽団 ヴァイオリン:佐藤 俊介

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第4番」名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
バッハ:三重協奏曲 イ短調 BWV1044
ラインハルト・ゲーベル指揮
ムジカ・アンティクヮ・ケルン

ムジカ・アンティクヮ・ケルンは1973年、バロック・ヴァイオリン奏者のラインハルト・ゲーベルによって設立された、ドイツの古楽アンサンブルです。

全曲を通してかなり速めのテンポ設定で颯爽とした演奏を楽しめますが、この第4番では澄み切ったリコーダーの音色と合奏の合間を縫うように駆け抜ける独奏ヴァイオリンの鮮やかなソロを堪能できます。

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最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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