バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」【解説と名盤】

2020年9月20日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

チェンバロが奏でる典雅な響きのカデンツァはこの作品を象徴する華やかで印象的な部分です。

カデンツァは独奏楽器がオーケストラの伴奏を伴わずに自由に即興的な演奏をする部分ですが、この作品ではバッハ自身が綿密に楽譜に記しています。

ご紹介する動画は第1楽章の終盤にあらわれるチェンバロのカデンツァの部分だけを抜粋したものです。

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
第1楽章:カデンツァ抜粋(0:15)

チェンバロ:アレクサンダー・ヴァイマン

作曲の背景

「ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050」はドイツの作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した協奏曲です。

タイトルの「ブランデンブルク」はこの曲がブランデンブルク=シュヴェート辺境伯と呼ばれる領主に献呈されたことに由来していて、バッハ自身が命名したものではありません。

作曲年代は諸説ありはっきりしていませんが、献呈されたのは1721年のことです。

オリジナルのタイトルは「種々の楽器のための6曲の協奏曲」で、様々な組み合わせの独奏楽器群(コンチェルティーノ)合奏楽器群(リピエーノ)が交互に絡み合う合奏協奏曲です。

今回ご紹介する第5番ではフルート、ヴァイオリン、チェンバロの3つの独奏楽器が選ばれています。

この3つの独奏楽器群(コンチェルティーノ)合奏楽器群(リピエーノ)と美しく絡み合いながら音楽が展開されていきますが、中でも冒頭にご紹介したチェンバロの長大なカデンツァは素晴らしく印象的です。

献呈前の初稿の段階ではこれほど長大なものではなかったようですが、バッハが新たなチェンバロを購入したのをきっかけに改訂されたとみられています。

チェンバロはピアノが普及する前に隆盛を極めた鍵盤楽器で、ピンと張った弦をハンマーで叩いて音を出すピアノとは異なり、爪のようなもので弦をはじいて音を出すため独特の典雅な音がします。

国によってハープシコードクラヴサンと呼び名が異なり、形状も微妙に異なるものが複数存在します。

ご年配の方の中にはその独特の音色にテレビアニメ「キャンディ・キャンディ」の主題歌を想い起こす方がいるかも知れませんね?

20世紀半ば頃までの演奏や録音ではチェンバロではなくピアノ、フルートも銀製や金製のモダンフルートを使用したものが多かったように思いますが、その後の古楽器ブームを経て現在ではバッハが作曲した当時のオリジナルの形式の楽器(ピリオド楽器)で演奏、録音される機会がずいぶん増えました。

増えたと言うよりは主流になったと言っても良いかもしれませんね?

次にご紹介する動画でもチェンバロはもちろんですが、フルートもその前身のフラウト・トラヴェルソを使用しています。モダンフルートは金属製のものが多く、音孔と呼ばれる穴を塞ぐのもキイシステムを利用していますが、トラヴェルソは基本的に音孔を指で直接塞ぎ、キイシステムは1箇所だけです。

弦楽器は外観からは少しわかりにくいですが、弓の形状もモダン楽器とは微妙に異なる古楽器を使用しています。
※古楽器と言っても当時のスタイルで制作自体は現代に作られたものもあります。

余談ですが私自身もこの曲を初めて聴いた録音は古楽器によるものではなく、ピアノとモダン楽器によるものでした。

ルドルフ・ゼルキンのピアノ、マールボロ祝祭管弦楽団によるその演奏は古楽器によるものとはまた趣が異なりますが素晴らしいものだったと鮮明に記憶しています。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」の解説

第1楽章:Allegro

活き活きと躍動する冒頭のテーマはとても有名なので、どこかで聴かれたことのある方も多いかと思います。

独奏はフルートとヴァイオリンの掛け合いからはじまり、華やかに絡み合っていきます。

終盤は冒頭のダイジェスト動画で紹介したチェンバロのカデンツァで素晴らしい名人芸が披露されクライマックスを迎えます。

18世紀の宮廷でバッハがこのカデンツァを弾いていた姿を想像すると胸が高鳴りますね。

第2楽章:Affettuoso

第1楽章の煌びやかな雰囲気は消え、独奏楽器のみによって物悲しく少し影のある旋律が奏でられます。

個人的にはこういう曲想の方がバッハのイメージにしっくりくるような気もしますが・・・私だけでしょうか?

第3楽章:Allegro

フルートから受け継がれていく躍動感のある旋律は、まるでスキップをして飛び跳ねているかのような印象を受けます。

最後は独奏楽器が絡み合いながら華やかにフィナーレを迎えます。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」のyoutube動画

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
第1楽章(0:07) 第2楽章(10:12) 第3楽章(15:10)

The Netherlands Bach Society(オランダ・バッハ協会管弦楽団)
ヴァイオリン:佐藤俊介
フラウト・トラヴェルソ:Marten Root
チェンバロ:Richard Egarr

バッハ「ブランデンブルク協奏曲第5番」の名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
バッハ:三重協奏曲 イ短調 BWV1044
ラインハルト・ゲーベル指揮
ムジカ・アンティクヮ・ケルン

ムジカ・アンティクヮ・ケルンは1973年、バロック・ヴァイオリン奏者のラインハルト・ゲーベルによって設立された、ドイツの古楽アンサンブルです。

全曲を通してかなり速めのテンポ設定で颯爽とした演奏を楽しめますが、この第5番でも小気味のいい音さばきで快速な演奏を聴かせてくれています。

クラシック音楽、特にバロック音楽にこういう表現はどうかとも思いますが、個人的には「ドライヴ感」「ビート感」を存分に堪能できる演奏だと思います。

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いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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