フォーレ「パヴァーヌ」

2020年5月7日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

弦楽器のピチカートにのってフルートが美しくも憂いを帯びた旋律を静かに奏でます。

まずは冒頭の部分をダイジェストで聴いてみましょう。

サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

フォーレ「パヴァーヌ」の解説

パヴァーヌ作品50はフランスの作曲家、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1886年に作曲した管弦楽曲です。

パヴァーヌとは16世紀にヨーロッパで流行した舞曲の一種です。

実際の舞踏のための音楽としては間もなく廃れてしまうことになりますが、楽曲の一つの種類としてはその後も多くの作曲家の作品として遺ることになります。

1883年、37歳で彫刻家エマニュエル・フルミエの娘、マリーと結婚したフォーレはこの頃、歌曲、ピアノ曲を中心とした創作活動を行っています。

1886年、41歳になったフォーレが作曲したこの作品は、翌1887年にはフォーレのパトロンでこの作品を献呈したグレフュール伯爵夫人の勧めによりロベール・ド・モンテスキュー(1855-1921)の詩に基づいた合唱パートが追加されました。
「法の精神」で知られるモンテスキューは別人です。

楽曲は弦楽器のピチカート(弦を指で弾く奏法)にのって、フォーレならではの美しく哀愁を帯びた旋律をフルートが奏でます。

フルートの奏でる旋律に呼応するように木管楽器が柔らかい響きで応答します。

フルートの長いトリルに続き合唱が加わり、冒頭の旋律を繰り返します。

中間部ではドラマティックな表情も垣間見せ、オーケストラと合唱が絡み合いながら音楽を展開していきます。

オーボエが冒頭の旋律を奏でると再び静けさを取り戻し、最後は美しさと静寂の中で余韻を残しながら終曲します。

演奏や録音は管弦楽のみの場合と、合唱が加わった版で行われる場合があります。

フォーレ「パヴァーヌ」の歌詞

ソプラノ
C’est Lindor ! c’est Tircis ! et c’est tous nos vainqueurs !
バス
C’est Myrtil ! c’est Lydé ! Les reines de nos cœurs !
アルト
Comme ils sont provocants, comme ils sont fiers toujours !
全声部
Comme on ose régner sur nos sorts et nos jours !
ソプラノまたはテノール
Faites attention!
バス
Observez la mesure !
ソプラノ
Ô la mortelle injure !
テノール
La cadence est moins lente !
テノール
Et la chute plus sûre !
アルト
Nous rabattrons bien leurs caquets !
バス
Nous serons bientôt leurs laquais !
女声
Qu’ils sont laid !
テノール
Chers minois !
ソプラノ
Qu’ils sont fols !
バス
Airs coquets !
テノール
Et c’est toujours de même !
バス
Et c’est ainsi toujours !
女声
On s’adore ! On se hait ! On maudit ses amours !
男声
On s’adore !
全声部
On se hait !
ソプラノ
On maudit ses amours !
テノール
Adieu Myrtil ! Églé ! Chloé ! Demons moqueurs !
アルト
Adieu donc et bons jours aux tyrans de nos cœurs !
全声部
Et bons jours !

ランドルよ! ティルシスよ! そして我らを組み敷く一統よ!

ミルティルよ! リデよ! 我らの心を奪う女王よ!

奴らのなんたる挑発、いつもなんたる冷血!

我らの命運と生活、牛耳ろうとはなんたる僭越!

気をつけろ!

わきまえろ分別!

おお忌まわしき侮蔑!

さほども弛緩なき進行!

そしてかほども確実なる破滅!

我らは必ず奴らを黙らせてくれよう!

我らは日ならず奴らの下僕とされよう!

なんと醜い奴らよ!

いとおしき面差し!

なんといかれた奴らよ!

うるわしき眼差し!

そしていつも同じ!

そしていつもこう揃う!

愛し合う! 憎み合う! おのが恋を呪う!

愛し合う!

憎み合う!

おのが恋を呪う!

さらばミルティルよ! エグレよ! クロエよ! ふざけた悪魔の一党よ!

いざさらばそしてご機嫌よう、我らの心を灼く暴王よ!

そしてご機嫌よう!
引用:「パヴァーヌ (フォーレ)」『フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)』

このロベール・ド・モンテスキューによる詩のテキストとその中に含まれる固有名詞が、何かの神話か物語、あるいは伝記に基づいて書かれたものなのか調べてみましたが、よくわかりませんでした。

この日本語訳を見る限り、曲想とは似つかわしくない激しく強い感情を感じるのは私だけでしょうか?

グレフュール伯爵夫人モンテスキューの叔母にあたり、パトロンのごり押しと言うわけではないのでしょうが・・・

フォーレ「パヴァーヌ」のyoutube動画

フォーレ:パヴァーヌ作品50(管弦楽版)

ペーター・ダイクストラ指揮 オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

合唱の加わった版の演奏は公式レーベルがアップしている演奏のリンクを貼っておきます。

フォーレ:パヴァーヌ作品50(合唱版)

小澤征爾指揮 ボストン交響楽団・タングルウッド音楽祭合唱団

フォーレ「パヴァーヌ」の名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

フォーレ
レクィエム ニ短調 op.48
ラシーヌの雅歌 変ニ長調 op.11
エレジー ハ短調 op.24
パヴァーヌ 嬰ヘ短調 op.50
バビロンの流れのほとりに

パーヴォ・ヤルヴィ指揮
パリ管弦楽団・合唱団

2010/11年のシーズンから音楽監督に就任したヤルヴィのパリ管との録音第2作です。

パヴァーヌではほどよく抑制された表現で、作品の持つ美しさを際立たせています。

メインは大作のレクィエム、カップリングの合唱作品やエレジーも魅力的な1枚です。

こちらのアルバムは「Amazon Music Unlimited」でも聴くことができます。

いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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参考資料:「パヴァーヌ (フォーレ)」『フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)』2015年8月22日 (土) URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/パヴァーヌ_(フォーレ)
「ガブリエル・フォーレ」『フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)』2019年7月1日 (月) 13:40 URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/ガブリエル・フォーレ
「PAVANE、SCORE (ARR.:D.WOODFULL-HARRIS)」『The Muramatsu flute』URL:http://www.muramatsuflute.com/shop/g/gG21031/