サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」【解説とyoutube動画】
目次
まずはダイジェストで聴いてみよう!
独奏ヴァイオリンが奏でるエキゾチックな魅力に満ちたロンド主題はこの後も雰囲気の異なる曲想を挟みながら何度も繰り返されることになります。
まずはダイジェストで聴いてみましょう。
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:アンネ=ゾフィ・ムター
アンネ=ゾフィ・ムターは1963年生まれ、ドイツ出身のヴァイオリニストです。
僅か13歳の時にカラヤンに招かれた彼女はその後も度々ベルリン・フィルと共演を重ね、一躍スターの座に駆け上がりました。
古典から現代音楽まで幅広い分野で卓越した演奏を聴かせる現代を代表するヴァイオリニストの一人です。
「序奏とロンド・カプリチオーソ」の解説
序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28はフランスの作曲家、カミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が1863年に作曲した独奏ヴァイオリンと管弦楽のための作品です。
作品はスペイン出身のヴァイオリンの名手、パブロ・デ・サラサーテ(1844-1908)のために書かれ、1864年に作曲者自身の指揮、サラサーテの独奏によって初演されました。
幼少の頃から早熟の才能を開花させたサン=サーンスは早くから作曲家として、またオルガン奏者としてのキャリアをスタートさせています。
この作品が書かれた1863年頃はニデルメイエール音楽学校で教鞭も取っており、フォーレなどの名だたる音楽家たちの指導にあたっています。
序奏の部分では短いオーケストラの導入の後、独奏ヴァイオリンがどこか郷愁を感じる印象的な旋律を奏でます。
長いトリルの連続で序奏を終えるとロンドが始まります。
日本では輪舞曲と訳されるロンドは雰囲気の異なる旋律を挟みながら、同じロンド主題を何度も繰り返す楽曲の形式です。
カプリチオーソ(capriccioso)はイタリア語のカプリッチョ( capriccio)が語源で「気まぐれ」と言ったニュアンスの言葉です。
とてもエキゾチックな魅力に満ちたロンドの主題が、雰囲気の異なる曲想を挟みながら何度か繰り返されます。
最後に現れるロンド主題はオーケストラが担当し、独奏ヴァイオリンはその裏で幅広い音階のアルペジオ(分散和音)を奏でます。
その後小さなカデンツァを挟み華やかに終結します。
「序奏とロンド・カプリチオーソ」のyoutube動画
サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
Pavel Baleff指揮 Staatskapelle Weimar
ヴァイオリン:パク・スーイエ
1870年、フランスの作曲家、ジョルジュ・ビゼー(1838-1875)はこの作品をピアノ伴奏版に編曲し出版しています。
サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28(ピアノ伴奏版)
ヴァイオリン:キム・ボムソリ
ピアノ:キム・ジョンウォン
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