ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

まずはダイジェストで!

弦楽器のトレモロ(同一音を短く反復して演奏)が暗雲の到来を告げるとティンパニによる雷鳴の音が激しく鳴り響きます。

オーケストラは雄たけびを上げ激しい風雨と嵐を表現します。

まずは第4楽章をダイジェストで聴いてみましょう!

ベルナルト・ハイティンク指揮 ロンドン交響楽団

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作曲の背景

交響曲第6番「田園」はドイツの作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1808年に書き上げた交響曲です。

時期的には「運命」として知られる前作の交響曲第5番と相前後して作曲しており、初演も1808年の12月にベートーヴェン自身の指揮で第5番と共に発表しています。

前作が緊張感溢れる作品なのに対し、穏やかで心安らぐ作品になっています。

ベートーヴェンの交響曲には第3番「英雄」、第5番「運命」などの標題で親しまれている作品がありますが、これらは後世の人々が付けた愛称であるのに対して、今回ご紹介する第6番「田園」は唯一ベートーヴェン自身が付けた標題です。

全5楽章の構成も古典派の交響曲としては異例であり、各楽章に描写的な標題が付けられているのも特徴です。

標題は「シンフォニア・パストレッラあるいは田舎での生活の思い出。絵画描写というよりも感情の表出」とベートーヴェン自身が書き記しています。

自然を描写した音楽や田園の雰囲気を描いた「田園交響曲」と言うジャンルの音楽はそれまでにも存在していて、モーツァルトの父レオポルトも同じタイトルの作品を遺しています。

ベートーヴェンは夏になるとしばしばウィーン郊外の有名な保養地、ハイリゲンシュタットを訪れ作品の構想を練っていて、1808年にはここに居を構えています。

ハイリゲンシュタットの美しい自然がベートーヴェンの創作意欲を刺激して生まれた作品も少なからずあることでしょうね。

「絵画描写というよりも感情の表出」とあえて書き加えているのはベートーヴェンのこの作品に対するこだわりのようにも感じます。

この作品が標題音楽(情景や物語などを音楽で描写したもの)か絶対音楽(音楽外のものと結びつかない音楽のための音楽)かよく議論されるところですが、音楽を鑑賞する上ではそのようなジャンル分けはあまり意味のないことだと個人的には思います。

絶対音楽とされる音楽にしてもその作品には作曲者しか知りえない心象風景や人生の物語を少なからず内包しているように思うからです。

ベートーヴェンの付けた各楽章のタイトルをイメージしながら気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。

楽曲解説

第1楽章「田舎に着いたときの愉快な感情の目覚め」Allegro ma non troppo

冒頭4小節の大変有名な第1主題が何度も反復しながら展開されていきます。

心安らぐ旋律を聴くと美しく広がる田園風景の中をのんびり散歩しているかのような感覚に陥ります。

かしこまって聴くのも良いですが、自然の中を散策しながら聴くのも良いかもしれませんね。

第2楽章「小川のほとりの情景」Andante molto moto(11:40)

弦楽器の奏でる静かな調べが小川のせせらぎを表現しています。曲想は終始穏やかで柔らかく清らかに流れていきます。

最後は木管楽器が「ナイチンゲール(フルート)」「ウズラ(オーボエ)」「カッコウ(クラリネット)」を模してさえずります。(22:35)

第3楽章「田舎の人々の楽しい集い」Allegro(24:10)

農作業を終えた農夫たちの楽しい集いでしょうか。舞曲風の活気あふれる音楽が展開されます。

木管楽器がリレーする旋律は陽気で可愛い雰囲気に包まれています。

次にご紹介する動画の演奏ではトランペットもホルンも現在のようなバルブシステムのないナチュラルトランペット、ナチュラルホルンを使用しているため、ひと味違う味わいの響きを楽しめます。

第4楽章「雷雨、嵐」Allegro(29:07)

第3楽章から第5楽章は間断なく演奏されます。

天候は一変し弦楽器のトレモロ(同一音を短く反復して演奏)が暗雲の到来を告げるとティンパニによる雷鳴の音が激しく鳴り響きます。

オーケストラは雄たけびを上げ激しい風雨と嵐を表現します。

嵐はやがて過ぎ去りティンパニによる雷鳴が遠のいていくと、雲間から再び陽射しが差し込むようにオーボエが穏やかな表情で歌います。(32:38)

それにこたえるようにフルートが音階を軽やかに駆け上がり第4楽章を終えます。

第5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」Allegretto(32:54)

第4楽章から続いてクラリネットが第1主題を静かに奏でるとホルンがそれを雄大に繰り返し弦楽器へと引き継ぎます。

オーケストラが奏でるフレーズは雄大な中にも素朴で牧歌的な響きを持ち、聴く人をベートーヴェンの描く世界へと誘います。

この動画の演奏を聴くとここでもナチュラルホルンの響きがまるで田園風景の中に響くアルペンホルンのようで効果を発揮しているように思います。

音楽はクライマックスを形どった後、再び静けさを取り戻し静寂の中で終曲します。

全曲版を聴いてみよう!

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」ヘ長調 作品68

アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮 
hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)

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