オルフ「カルミナ・ブラーナ」【解説と名盤】

2020年9月19日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

運命的なティンパニの一撃に続き合唱を伴ったオーケストラがドラマティックな開幕を告げます。

曲名はご存じない方もテレビ番組などの様々なシーンでも使われるので、聴いたことのある方も多いのではないでしょうか。

まずは冒頭の『おお、運命の女神よ』をダイジェストで聴いてみましょう!

オルフ 『カルミナ・ブラーナ』より『おお、運命の女神よ』 歌詞

おお運命の女神よ!
月のように絶えず姿を変え 満ち欠けをくりかえす者よ
このいやな人生は 気ままに 抑えつけたり なだめたりする
貧乏も権力も 氷のようにとかしてしまう
おぞましく空虚な運命よ お前は回転する車輪のように
悪意に満ち 幸福を無にする
影に隠れて 私を苦しめ 私は丸裸でお前の術中に落ちる
運命は健やかさも力強さも奪い 私を渇望と失望のとりこにする
今こそ時をおかず弦をかき鳴らせ 運命は強者をも打倒するのだから
皆の者 我と共に嘆こう!

1989年 ベルリン・フィルのジルヴェスターコンサート NHK放送用字幕より引用

サイモン・ラトル指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

オルフ「カルミナ・ブラーナ」解説

『カルミナ・ブラーナ』はドイツの作曲家カール・オルフ(1895-1982)が1936年に書き上げた世俗カンタータです。

カンタータとは器楽伴奏を伴う声楽作品のことですが、ドイツにおいてはプロテスタント教会の礼拝において演奏される宗教音楽として発展してきた歴史があります。

『カルミナ・ブラーナ』は19世紀のはじめにドイツの南部にある修道院で見つけられた詩歌集で、その内容は恋愛から酒、性に至るまで多岐に渡っていて、その数はおよそ300編にものぼります。

オルフはその中から24編を選び、曲を付けたのがこの作品です。

ソプラノ、テノール、バスの独唱。多彩な打楽器群にピアノ、チェレスタを含む大編成のオーケストラに混声合唱と児童合唱まで加えた大規模な作品です。

曲は3部からなっており冒頭とエンディングにダイジェストでご紹介した有名な『おお、運命の女神よ』を配置しています。

各曲のタイトルは次の通りです。
(タイトルの日本語訳はWikipediaを参照しています。)

§ 全世界の支配者なる運命の女神

  1. おお、運命の女神よ(00:03)
  2. 運命の女神の痛手を(02:34)

§ 第1部 初春に

  1. 春の愉しい面ざしが(05:45)
  2. 万物を太陽は整えおさめる(09:37)
  3. 見よ、今は楽しい(11:30)

§ 芝生の上で

  1. 踊り(14:23)
  2. 森は花咲き繁る(16:14)
  3. 小間物屋さん、色紅を下さい(19:30)
  4. 円舞曲: ここで輪を描いて回るもの – おいで、おいで、私の友だち(23:15)
  5. たとえこの世界がみな(28:11)

§ 第2部 酒場で

  1. 胸のうちは、抑えようもない(29:04)
  2. 昔は湖に住まっていた(31:29)
  3. わしは僧院長さまだぞ(34:40)
  4. 酒場に私がいるときにゃ(36:11)

§ 第3部 愛の誘い

  1. 愛神はどこもかしこも飛び回る(39:13)
  2. 昼間も夜も、何もかもが(42:27)
  3. 少女が立っていた(44:28)
  4. 私の胸をめぐっては(46:11)
  5. もし若者が乙女と一緒に(48:16)
  6. おいで、おいで、さあきておくれ(49:33)
  7. 天秤棒に心をかけて(50:33)
  8. 今こそ愉悦の季節(52:40)
  9. とても、いとしいお方(54:52)

§ 白い花とヘレナ

  1. アヴェ、この上なく姿美しい女(55:33)

§ 全世界の支配者なる運命の女神

  1. おお、運命の女神よ(57:23)

ダイジェストでもご紹介した冒頭部分がハイライトで使われるケースが多いですが、他の部分も大変魅力的な作品です。

第1部『初春に』『芝生の上で』では神秘的な雰囲気や春の陽気な気分が味わえます。

第2部『酒場で』ではがらりと雰囲気が変わり、人生の悲憤を吐き出すかのような独唱も聴くことが出来ます。テノールとバスの独唱がとても印象的です。

第3部『愛の誘い』では児童合唱も加わりとても穏やかで心安らぐ調べに包まれます。

ソプラノの独唱はとても魅力的で「とても、いとしいお方」(54:52)から『白い花とヘレナ』(55:33)へと続く部分は大変美しく感動的で、その部分だけでも何度でも聴いてしまいます。

「冒頭部分しか聴いたことがない」などと言う方はぜひ全曲を通して聴いてみてください。

オルフ「カルミナ・ブラーナ」youtube動画

ロシア・フィルハーモニー管弦楽団

オルフ「カルミナ・ブラーナ」名盤

管理人のオススメは小澤征爾&ベルリン・フィル盤です!

小澤征爾さんは日本の晋友会合唱団を率いて2度にわたってベルリン・フィルとこの作品を演奏しています。

1回目は1988年6月の定期演奏会、そして翌1989年の大晦日にはベルリン・フィル恒例のジルヴェスターコンサートでこの作品を演奏しています。

定期演奏会での演奏はCDで、ジルヴェスターコンサートの演奏はDVDとして発売されていますが、DVDの方はもう発売されていないのか新品は入手困難なようです。

CD版とDVD版はそれぞれソリストのキャストが異なり、特にソプラノはCD版ではエディタ・グルベローヴァ、DVD版ではキャスリーン・バトルと豪華なキャストとなっていてどちらも楽しめます。

個人的には小澤征爾さんの精緻な指揮とオーケストラがひとつになった姿がとても印象的なDVD版がおすすめです。キャスリーン・バトルの艶のあるなめらかな絹のような美しい声も素晴らしく、ぜひ再販して欲しいものです。

本作品の演奏ではこの作品の持つおどろおどろしい面を強調した演奏も多いようですが、今回ご紹介した盤はどちらかと言うとドラマティックで叙情的な雰囲気が強く、初めて全曲を聴く方も聴きやすく楽しめる1枚だと思います。
(※管理人の個人的な感想ですのでご容赦ください。)

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最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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