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ララ「グラナダ」歌詞と解説、おすすめの名盤

2021年5月30日

ララ「グラナダ」解説

「グラナダ」はメキシコの作曲家、アグスティン・ララ(1897-1970)が1932年、35歳の時に作曲した歌曲です。

ジャンルとしてはクラシックとは言えないかも知れませんが、テノールやソプラノのレパートリーとしてよく取り上げられる作品です。

三大テノールとして有名なスペイン出身のホセ・カレーラス(1946-)、プラシド・ドミンゴ(1941-)らが積極的に取り上げたことでも有名です。

タイトルの「グラナダ」とはスペイン南部の都市の名前ですが、この街はかつてイベリア半島に存在した最後のイスラム王朝「グラナダ王国」の首都でもあります。

また「グラナダ」とはスペイン語でザクロの意味で、グラナダの街のシンボルとなっています。

この街はその王朝時代に建築された「アルハンブラ宮殿」があることでも有名です。

グラナダにあるアルハンブラ宮殿

ララが生まれたメキシココンキスタドール(Conquistador)と呼ばれるスペインの征服者が現れて以来、300年に及ぶスペインの支配を受けますが、19世紀に入りようやく独立を勝ち取ります。

メキシコの人たちにとってのスペインは征服者=侵略者であり、またそのルーツでもある愛憎の念が入り混じった存在なのかも知れませんね。

そんなスペイン文化の影響が強く残ったメキシコで生まれ育ったララですが、一度もグラナダを訪れることなくこの作品を作曲したそうです。

歌詞と和訳は次にご紹介しますが、夢に憧れる土地グラナダを描いた曲想にぴったりの情熱的な歌詞になっています。

歌詞の中では時に女性として擬人化して表現される「グラナダ」、それは愛する女性に熱く語り掛ける男たちの歌の様にも感じます。

ララ「グラナダ」歌詞と和訳

世界各国で歌われるこの作品は英語、イタリア語など様々な言語で歌われますが、ここではオリジナルのスペイン語の歌詞と和訳をご紹介します。

Granada tierra soñada por mí,
(夢に見る土地、グラナダよ)
mi cantar se vuelve gitano

cuando es para ti.

(君のために歌う時、私の歌はジプシーの歌になる)

Mi cantar, hecho de fantasía,
(私の歌は、幻想の歌)
mi cantar, flor de melancolía,
que yo te vengo a dar.

(メランコリーの花のようなこの歌を、君に捧げよう)

Granada, tierra ensangrentada
en tardes de toros,

(闘牛の昼下がりには血に染まる土地、グラナダよ)
mujer que conserva el embrujo
de los ojos moros.

(ムーア人の瞳の魔法を秘め、守る女よ)

Te sueño rebelde y gitana,
cubierta de flores

(夢に描く君は花に覆われたジプシー)
y beso tu boca de grana,
jugosa manzana
que me habla de amores.

(口づけをする君の赤い唇は、私に愛を語る甘いリンゴ)

Granada, manola cantada
en coplas preciosas,

(数々の詩歌に歌われた乙女、グラナダよ)
no tengo otra cosa que darte
que un ramo de rosas.

(君に捧げるものは、バラの花束より他にありはしない)

De rosas, de suave fragancia
que le dieran marco a la virgen morena.

(それは褐色のマリアを飾るための香り柔らかなバラ)

Granada, tu tierra está llena
de lindas mujeres,
de sangre y de sol.

(グラナダよ、君と言う土地は美しい女たちと血と、そして太陽に満ちている)

ララ「グラナダ」youtube動画

ジョゼフ・カレヤ(テノール)

テノール:ジョゼフ・カレヤ
アントニオ・パッパーノ指揮:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

Be My Love-a Tribute to Mario Lanza】
テノール:ジョゼフ・カレヤ

スティーヴン・メルクリオ指揮
BBCコンサート・オーケストラ

収録曲
ララ:グラナダ
ビゼー:「カルメン」より「花の歌」
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「母さん、あの酒は強いね」
ジョルダーノ:「フェドラ」より「愛さずにはいられないこの想い」
レオンカヴァッロ:「道化師」より「衣装をつけろ」
プッチーニ:「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」

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エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)

メゾ・ソプラノ:エリーナ・ガランチャ
カリーナ・カネラキス指揮:ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団

先ほど解説した通りこの「グラナダ」の歌詞は憧れの土地を女性として擬人化したような歌詞で、男声によって歌われることが多い作品ですが、女声による歌唱もまた魅力的です。

この「気軽にクラシック」の記事中に度々登場するエリーナ・ガランチャ様は管理人piccoloが敬愛して止まない「死ぬまでに一度は生で聴きたいアーティスト」の一人です。

今回ご紹介する動画は2020年10月に行われたドイツで最も権威のあるクラシック音楽賞「オーパス・クラシック」の受賞セレモニーでの演奏の様子を収録したものです。

エリーナ・ガランチャは次の項目でご紹介するドイツ・グラモフォンからリリースされたアルバム「Sol y Vida(ソル・イ・ビダ)」「今年の女性歌手」に選ばれました。

歌詞にピッタリの情熱の真っ赤な衣装に身を包んだガランチャ様の素晴らしい歌唱をぜひお楽しみいただければと思います。

指揮は今話題の指揮者カリーナ・カネラキス、オケはセレモニー会場となったベルリンのコンツェルトハウスを本拠地とするベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団です。

エリーナ・ガランチャの動画はこちらの記事でもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

あわせて読みたい

ララ「グラナダ」おすすめの名盤

「Sol y Vida(ソル・イ・ビダ)」:エリーナ・ガランチャ

収録曲】
ララ:グラナダ
デ・クルティス:帰れソレントへ
デ・クルティス:忘れな草
ピアソラ:私はマリア
他全17曲

エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)
カレル・マーク・チチョン指揮
グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2018年

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まずご紹介するのは先ほどのyoutube動画でもご紹介したエリーナ・ガランチャのアルバム「Sol y Vida(ソル・イ・ビダ)」です。

エリーナ・ガランチャがスペイン、イタリア、ラテン・アメリカと南国をテーマに、クラシック・レパートリーではない曲を集めて収録したアルバムです。

アレンジはこのアルバムでも指揮を務めている彼女の夫、カレル・マーク・チチョンです。

クラシック初心者にも気軽に楽しめる作品をガランチャ様の素晴らしい歌声で楽しめるおすすめのアルバムです。

アルバム「Sol y Vida(ソル・イ・ビダ)」より「帰れソレントへ」
エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)

3大テノール世紀の競演 パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス

収録曲】
・帰れ、ソレントヘ(デ・クルティス)
・グラナダ(ララ)
・誰も寝てはならぬ(プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』より)
・他9曲
・フィナーレ・メドレー1(マリア/トゥナイト/太陽の土地/シェリト・リンド)
・フィナーレ・メドレー2(メモリー/黒い瞳/カミニート/ばら色の人生)
・フィナーレ・メドレー3(マティナータ/ウィーンわが夢の街/アマポーラ/オ・ソレ・ミオ)
・アンコール1(オ・ソレ・ミオ)
・アンコール2(誰も寝てはならぬ)

ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)
プラシド・ドミンゴ(テノール)
ホセ・カレーラス(テノール)
ズービン・メータ指揮
フィレンツェ五月祭管弦楽団
ローマ国立歌劇場管弦楽団


録音:1990年7月7日、ローマ、カラカラ浴場(ライブ)

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次にご紹介するのは1990年代に一世を風靡した世界を代表する3人のテノールによるコンサート「3大テノール世紀の競演」です。

「グラナダ」ホセ・カレーラスが歌唱しています。

この「3大テノール」のタイトルで数多くの作品がリリースされていますが、今回ご紹介するのはこの3人組で行う記念すべき最初の公演となった1990年のイタリアで開催されたサッカーワールドカップ前夜祭のライブ収録盤です。

この時のコンサートは一晩で8億人もの人が視聴し、このCDは1600万枚と言う信じられないセールスを記録しました。

これをきっかけにララの「グラナダ」はこの「3大テノール」の公演で度々取り上げられることにより一躍メジャーな作品になったと言っても過言ではありません。

「グラナダ」がこの公演で好んで取り上げられるようになったのは「3大テノール」の内、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの2人がグラナダのあるスペイン生まれであることとも深い関係があるように思います。

しかもプラシド・ドミンゴは幼い時にララの母国、メキシコに移住し音楽を学んでいるのです。

そんな「3大テノール」による豊かな歌声を存分に楽しめるおすすめのアルバムです。

ララ「グラナダ」:ホセ・カレーラス(テノール)
サッカーワールドカップ1990前夜祭より

この4年後にアメリカで開催されたサッカーワールドカップ前夜祭のライブはDVDとしてもリリースされ、映像も楽しみたい方はこちらもおすすめです。

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※下記の検索結果は本記事の投稿日現在、「Amazon Music Unlimited」「Lara Granada」「ララ グラナダ」などのキーワードで検索した例です。すべての録音を表示しているわけではありませんのでご了承ください。

【テノール】
「ホセ・カレーラス」「ルチアーノ・パヴァロッティ」「プラシド・ドミンゴ」「フリッツ・ヴンダーリヒ」「フアン・ディエゴ・フローレス」「マリオ・デル・モナコ」「ラッセル・ワトソン」「ジョセフ・カレヤ」「錦織健」

【ソプラノ】【メゾソプラノ】
「キャサリン・ジェンキンス」「エリーナ・ガランチャ」「レナータ・テバルディ」

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「三大テノール」それぞれの歌唱が聴けるので、聴き比べると楽しいですよ!

圧巻なのは1966年、わずか35歳で階段からの転落事故で急逝したフリッツ・ヴンダーリヒの歌唱が凄いインパクトです!

「三大テノール」パヴァロッティをして「歴史上もっとも傑出したテナー」と言わしめたフリッツ・ヴンダーリヒ「グラナダ」は一聴の価値があります。

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「Amazon Music Unlimited」「無料体験の登録方法」「解約の方法」「Amazon Musicアプリの使い方」「楽曲のラインナップ数」など、もっと詳しく知りたいと言う方はこちらの記事をお読みください。

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まとめ

アグスティン・ララ作曲の「グラナダ」いかがでしたでしょうか?

「三大テノール」が度々コンサートで取り上げることで一躍有名になっこの作品ですが、この「三大テノール」の公演は1996年には日本でも開催されることになりました。

そのチケットはまさにプラチナチケットで、S席7万円、A席6万円と言う高額にもかかわらず、6万枚ものチケットが瞬く間に売り切れたそうです。

この公演でも「グラナダ」ホセ・カレーラスが歌唱し、東京の国立霞ヶ丘競技場を埋め尽くした観客を魅了しました。

クラシック作品ではありませんが、オペラのガラ・コンサートなどではアンコールピースとしてもよく取り上げられる作品です。

南米の作曲家らしく情熱的な雰囲気で肩の力を抜いて楽しめる作品ですので、ぜひ聴いてみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

コープランドが描いたのはメキシコ・シティにある有名なダンスホールの光景!

リムスキー=コルサコフが紡ぎ出す情熱的なスペインの詩情!

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