エルガー「チェロ協奏曲」【解説とyoutube動画】

2020年9月20日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

悲哀に満ちた独奏チェロのカデンツァが終わるとオーケストラと独奏チェロがドラマティックに主題を奏でます。

独奏チェロが高揚しながらオーケストラへ主題の旋律を導く場面は心に残って仕方がありません。

まずはその冒頭部分をダイジェストで聴いてみましょう!

ダニエル・バレンボイム指揮:ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
チェロ:ジャクリーヌ・デュ・プレ

作曲の背景

今回ご紹介するのはイギリスの作曲家エドワード・エルガーが1918年に作曲したチェロ協奏曲です。

作曲された1918年は第一次世界大戦の最中で、既に60歳を越えていたエルガーはこの年の3月に体調を崩し入院手術することになりました。

その病床にあって筆を走らせたのがこのチェロ協奏曲の冒頭部分だそうです。

その後、他の作品の作曲もあり一時的にこの作品の筆は止まったようですが、8月には完成した楽譜を出版社に送っているようです。

翌年行われた初演は十分なリハーサルができなかったこともあり、あまり芳しい評価を得られなかったようですが、その後の再演が好評を博し今日ではエルガーの作品のみならず、チェロ協奏曲の代表作として有名です。

特に夭折の天才チェリストとして名高いイギリスのジャクリーヌ・デュ・プレはこの作品の録音と演奏を盛んに行っていて、その情熱的で叙情的な名演で多くの人々に絶賛され、この曲を世に知らしめるのに貢献しました。

冒頭のダイジェスト動画ではそのジャクリーヌ・デュ・プレの演奏をご紹介しています。

指揮をしているダニエル・バレンボイムは当時から現在に至るまで世界的に活躍している指揮者でピアニストですが、ジャクリーヌ・デュ・プレが21歳の時に結婚したのがそのバレンボイムです。

残念なことに20代後半で多発性硬化症と言う難病を発症し28歳で事実上の引退、長年の闘病の末1987年、42歳の若さで他界されています。

モノクロの映像で録音も古いものですが、とても情熱的でドラマティックな演奏です。3分ほどの動画ですのでぜひ見てみてください!

エルガー「チェロ協奏曲」解説

第1楽章(0:50)
まるで慟哭しているかのようなチェロのカデンツァ(独奏楽器がオーケストラ伴奏を伴わずに即興的に演奏する部分)、絶望と悲しみを独白しているかのようなチェロとオーケストラの主題は激しい戦火の中で体調を崩し、身も心も疲れ果てたエルガーの心象風景なのでしょうか。

重たい足取りで彷徨い歩くようなリズムの旋律がたびたび繰り返され心に残る楽章です。

第2楽章(9:20)
冒頭のチェロの独奏はまるで何かを語りかけているようです。その語り口調は不安げで、何か心のざわつきのようにも感じます。

曲はテンポを上げて展開していきますが、独奏チェロは絶え間なく冒頭のフレーズを形を変えながら演奏します。

第3楽章(14:00)
どこか悲劇的な雰囲気の支配するこの作品ですが、その中にあって束の間の安息が訪れたかのような静謐で穏やかな楽章です。

第4楽章(18:40)
劇的なこの協奏曲のフィナーレを飾るのにふさわしい終楽章です。
独奏チェロは幅広い音域で技巧を駆使しながらドラマティックに音楽を展開します。
最後は第1楽章冒頭のカデンツァが再び現れ終曲を迎えます。

エルガー「チェロ協奏曲」youtube動画

今回ご紹介する動画は2016年に開催されたジョルジュ・エネスコ国際コンクールの本選での演奏です。

演奏会場はルーマニアの首都ブカレストにあるアテネ音楽堂、古代ギリシャの寺院を模して19世紀に建てられた歴史ある建物です。
素晴らしい内装でルーマニアの歴史を描いたフレスコ画が観客席をぐるりと囲んでいます。

音楽と一緒にその素晴らしい雰囲気も楽しめる動画です。ぜひ聴いてみてください!

アレクサンドル・ブロック指揮 
ルーマニア国立ジョルジュ・エネスコ・フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:アナスタシア・コベキナ

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最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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