シューマン「ピアノ協奏曲」解説とおすすめの名盤
目次
まずはダイジェストで聴いてみよう!
オーケストラが奏でる力強い一音に続き、独奏ピアノがまるで何かが崩れ落ちるかのように、ドラマティックに付点のリズムで音階を駆け下ります。
オーボエが切なく哀愁を帯びた主題を奏で、独奏ピアノがまるでため息を付くようなタッチでこれをなぞります。
まずは大変印象的な第1楽章の冒頭部分をダイジェストで聴いてみましょう!
ヤニック・ネゼ=セガン指揮:ヨーロッパ室内管弦楽団
ピアノ:ニコラ・アンゲリッシュ
作曲の背景
ピアノ協奏曲 イ短調 作品54はドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ロベルト・シューマン(1810年- 1856年)が、1845年、35歳の時に書き上げたピアノ協奏曲です。
シューマンはまだピアニストを目指していた10代後半から、何度かピアノ協奏曲の作曲に取り組んだ形跡を残していますが、これらはいずれも未完に終わっています。
21歳の時に指の故障が原因で、ピアニストになることを断念したシューマンは、1832年、22歳の時に思い悩んだ末、作曲家として身を立てることを決意します。
そんなシューマンは1835年、25歳の頃に、ある女性と恋に落ちます。お相手の女性はクララ・ヴィーク(1819年-1896年)、シューマンが18歳の頃から師事しているピアノ教師フリードリヒ・ヴィーク(1785年-1873年)の娘で、彼女自身も天才少女として名を馳せていたピアニストです。
出会った頃、9歳の子供だったクララは16歳の美しい少女となり、シューマンと恋愛関係になります。
しかしこの二人の交際に大反対したのが、父のフリードリヒ・ヴィークでした。
二人の関係に気付いたヴィークは、シューマンにヴィーク家への出入りを禁じ、クララをシューマンから遠ざけたり、外出禁止にして監視するなど、あらゆる手段を使って二人の交際を妨害します。
ヴィークはシューマンのことを、生活力がなく飲酒癖があるなどと誹謗中傷するなど、その妨害は徹底したものでした。
二人は激しい妨害にもめげず交際を続けますが、父ヴィークの理解を得られることはなく、結局、父の反対を押し切って、訴訟まで起こして1840年9月12日に結婚式をあげます。シューマンが30歳、クララが21歳の時のことでした。
そして、翌1841年に作曲したのが、このピアノ協奏曲 イ短調 作品54の第1楽章となる『ピアノと管弦楽のための幻想曲』です。
この作品の冒頭に現れる切なく憂いを帯びた主題は、困難を乗り越えて一緒になった愛する妻クララの名前に因んだもので(詳しくは後述)、シューマンのクララに対する深い愛情が垣間見える作品となっています。
晩年には精神を患い、ライン川に身を投げて自ら命を絶とうとまでしたシューマンですが、その兆候は既にこの頃には出ていたようで、1842年には過労で倒れ、クララとともにボヘミアの温泉に保養に行った記録が残っています。
翌1843年には創作意欲を取り戻したものの、1844年になると4カ月余りの長期にわたってロシアに演奏旅行に出かけることになり、その後、再び体調を崩します。
ライプツィヒに戻ったシューマンは、8月には体調が悪化し、死を恐れたり、高所恐怖症の症状を示すようになります。
10月に受けた治療の記録によれば、高所や鋭い金属などに対するさまざまな恐怖症や震えを発症し、幻聴のために作曲も手に付かなくなっていたようです。
病気の回復のために気候条件の良い場所に移ろうと考えたシューマンは、1844年12月、ライプツィヒ音楽院の職を辞し、結婚以来4年間住んだライプツィヒを離れてドレスデンへと移ります。
1845年、シューマンは新しく移り住んだドレスデンで、徐々に創作力を回復、高名な女性ピアニストだった妻クララの助言もあって、『ピアノと管弦楽のための幻想曲』を改訂し、二つの楽章を加え、3楽章からなるピアノ協奏曲として完成させたのがこのピアノ協奏曲 イ短調 作品54です。
クララはこのピアノ協奏曲の完成について「王様のように幸せです」と日記に書き残しています。
初演は1846年1月1日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスで行われ、指揮はこの作品を献呈したドイツの作曲家、フェルディナント・ヒラー(1811年-1885年)が、ピアノ独奏は妻のクララ・シューマンが務めています。
この時期、妻のクララは既に三人の女の子を出産していて、わずか15ケ月で早世することになる長男を身籠っていましたが、家計を助けるために出産と育児の合間を縫ってピアニストとして演奏旅行に出かけたりもしています。
このピアノ協奏曲 イ短調 作品54はシューマンが遺した唯一の完成したピアノ協奏曲となりましたが、妻クララの存在なくしては生まれなかった、まさにシューマンとクララの愛の結晶として誕生したものなのかも知れませんね。
シューマン「ピアノ協奏曲」解説
第1楽章:Allegro affettuoso
冒頭オーケストラが力強い一音を奏でると、ピアノが力強く叩きつけるように、付点のリズムを伴って、ドラマティックな下降和音を奏でます。(譜例①)
三小節の短い序奏を経て、オーボエが奏でる切なく憂いを帯びた第1主題は、一度聴いたら忘れることができないロマンティシズムに溢れ、この主題をため息を付くように独奏ピアノが静かになぞります。楽譜に書かれた「affettuoso(アフェトゥオーソ)」は「愛情を込めて」と言う意味の音楽用語です。(譜例②)
この主題の根幹をなす「ド・シ・ラ・ラ」、ドイツ語での音名「C・H・A・A」は、シューマンの愛する妻クララのイタリア風の愛称『Chiarina(キアリーナ)』の文字から取ったものです。(譜例③)
この名前はシューマンが1834年に創刊した『新音楽時報』の中で、評論を展開するために作った架空の団体「ダヴィッド同盟」の構成員の中にも登場します。
この『新音楽時報』は「ダヴィッド同盟」に所属する架空の登場人物たちが評論を展開する形で書かれていて、シューマンはその登場人物たちを、自分の身の回りにいる特定の人物をモデルにしたり、当てこすることによって、読者たちがその人物が誰なのかと言うことに興味をそそることに成功したのです。
この『Chiarina(キアリーナ)』の名前は、シューマンが1834年から1835年にかけて作曲したピアノ曲集『謝肉祭』の第11曲のタイトルとしても使われています。
もちろんクララ自身の名前も『Clara』と綴るわけですから、いずれにしてもこの主題が愛する妻クララの名前、しいてはクララそのものをモチーフにしていることは間違いありません。
この第1楽章はソナタ形式で書かれてはいるものの、元が単一楽章の『幻想曲』として作曲されたこともあり、比較的自由な書法で書かれていて、第2主題も第1主題の発展した形となっています。
展開部では「Andante」となり、テンポを落とし、先ほどの主題が優しく幻想的に紡ぎ出されます。(譜例④)
静かにアルペジオ(分散和音)を奏でるピアノに、美しく絡むクラリネットの音色に心が癒されます。
曲は一転して激しさを取り戻し、冒頭の序奏部が再び現れ、ピアノとオーケストラが掛け合いながら徐々に高揚していきます。(譜例⑤)
曲は再現部に入り、再び第1主題をオーボエとピアノがメランコリックに歌い上げます。
再現部がひとしきり高揚すると、最後はピアノのカデンツァ(譜例⑥)をはさんでコーダに突入、主題のモチーフとなる「C・H・A(ド・シ・ラ)」の音を木管楽器が軽快なリズムで反復する中、力強く第1楽章を終えます。(譜例⑦)
第2楽章::Intermezzo; Andante grazioso
短い第2楽章には『Intermezzo(間奏曲)』の副題が付けられています。『grazioso(グラツィオーソ)』は「優美に」「優雅に」という意味の音楽用語です。
優しく穏やかな主題をピアノが奏で、オーケストラと掛け合いながら進んでいきます。(譜例⑧)
中間部ではゆったりと歌うチェロの旋律の合間を美しく装飾するかのようにピアノが絡みます。(譜例⑨)
曲は再び最初の部分に戻る三部形式の形で進行し、第1楽章冒頭主題のモチーフが回想するように木管楽器に現れ、そのまま切れ目なく第3楽章へと続きます。(譜例⑩)
第3楽章: Finale; Allegro vivace
短い序奏に続いて第1主題を独奏ピアノが生き生きと躍動するように奏でます。(譜例⑫)
ピアノが軽やかに鍵盤の上を行き来した後、弦楽器が静かに弾むように第2主題を奏でます。(譜例⑬)
この第2主題は4分の3拍子で書かれていながら、2拍子のように聴こえる特徴的なリズムが印象的です。
楽曲はやがて煌めくようなピアノの旋律が、オーケストラの旋律と絶妙に絡み合いながら、徐々にクライマックスへと登り詰めていきます。
シューマン「ピアノ協奏曲」YouTube動画
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
第1楽章:Allegro affettuoso(00:30)
第2楽章:Intermezzo; Andante grazioso(15:44)
第3楽章:Finale; Allegro vivace(20:31)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮:hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)
ピアノ:カティア・ブニアティシヴィリ
カティア・ブニアティシヴィリはジョージア(グルジア)出身で1987年生まれのピアニストです。
ヤルヴィ&ブニアティシヴィリのコンビはNHK交響楽団の演奏会でもこの作品を取り上げていて、その時の演奏の様子が過去にNHKで放送されています。
その番組内のインタビューで「この協奏曲ではシューマンの恋心が感じられる。これは恋の音楽よ。」とブニアティシヴィリが語っていたのが印象的でした。
ソリストとして世界の著名なオーケストラとも共演の機会が多く、さらなる活躍が期待されるピアニストです。
今回、ご紹介した動画は2012年に収録された演奏ですが、hr交響楽団公式YouTubeチャンネルの動画の中で、最も再生回数の多い動画で、クラシックの演奏動画としては異例の1,000万再生に近い人気の動画です。
アンコールに応えて彼女が演奏したのはフランツ・リストの「愛の夢 第3番」(演奏動画33:10)
情熱的な印象の強いブニアティシヴィリですが、アンコールでは抑制された冒頭部分とロマンティックに高揚する部分のコントラストが素晴らしい演奏を披露されていますので、ぜひこちらもお楽しみください。
piccoloのツボ!ここを聴いて!
このコーナーでは今回ご紹介した作品の中から「是非ここを聴いて欲しい!」と言う管理人piccoloの独断と偏見によるツボをご紹介しています。
「全曲聴くのは長すぎて・・・」と感じられるクラシック初心者の方はぜひここだけでも聴いてみて下さい。
今回のpiccoloのツボは、第1楽章の主題のモチーフとなる「C・H・A・A(ド・シ・ラ・ラ)」の音に注目して、第1楽章を聴いてみたいと思います。
この四つの音がシューマンの妻クララの名前に因んでいることは楽曲解説で触れさせていただきました。
この第1楽章の元となった『ピアノと管弦楽のための幻想曲』が作曲された1841年は、シューマンがクララの父親の猛反対にも屈せず、訴訟沙汰まで起こしてようやく結婚した翌年のことで、9月には長女も誕生しています。
いわばこの時期はシューマンの人生の中においても、最も幸せな時期であったはずです。
ところが愛するクララの名前をモチーフにしたこの作品は、喜びに満ちたと言うよりは、冒頭から何かが崩れ落ちるかのようなドラマティックで、悲劇的な雰囲気に包まれた序奏で始まります。
どんな想いが込められているのかはシューマンのみぞ知るところですが、私にはやがて心を蝕み、精神を病んでいくシューマンの心の闇のようなものが感じられてなりません。
この第1楽章にはクララの名前をモチーフにした「C・H・A・A(ド・シ・ラ・ラ)」の音型が、時にはそのままの形で、時には転調して、また時には断片的な形で何度も現れます。
そして、そんな「C・H・A・A(ド・シ・ラ・ラ)」の音型は、シューマンが愛するクララの名前を呼び掛けているように私には聴こえます。
劇的な序奏に続く冒頭部分では、切なく憂いを帯びた声で、まるで病の床から救いの手を求めるように「クララ・・・」と、中間の展開部では白いシーツにくるまれたベッドの中で、隣に寄りそうクララに優しく囁くように「クララ・・・」と、クラリネットが奏でる「クララ・・・」は覚めきらない夢うつつの中でクララの名前を呼んでいるようにも聴こえます。
第1主題だとか展開部だとか、難しい話はさておき、クラシック初心者の方でも、この第1楽章には何度も「クララ・・・」と呼びかける「C・H・A・A(ド・シ・ラ・ラ)」の音が聴こえてくるはずです。
またこの音がどんな風に聴こえるのかは、ピアニストや指揮者、オーケストラによっても違うのがクラシック音楽の醍醐味です。
先ほど書いた内容は多分に妄想癖のある私個人のたわ言としても、この第1楽章に現れる「C・H・A・A(ド・シ・ラ・ラ)」のモチーフに耳を澄まして、もう一度、第1楽章を聴いてみませんか?
皆さんにはどんな風にこのモチーフが聴こえるでしょうか?
トーマス・ヘンゲルブロック指揮:NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:エレーヌ・グリモー
シューマン「ピアノ協奏曲」おすすめの名盤
ツィメルマン:カラヤン指揮 ベルリン・フィル
【収録曲】
1.シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
2.グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン
録音:1981年9月、1982年1月
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当時、24歳の若きツィメルマンと73歳のカラヤンがタッグを組んだこちらの録音、やや落ち着いたテンポ設定で、過度に抒情的にならない、ある意味抑制されたツィメルマンの美しいピアノの音色が印象的です。
ツィメルマンのピアノは明瞭でいて繊細、一つ一つの音の粒が煌めくような優しくも美しい音が心に残ります。
クラリネットはライスターでしょうか?上品かつ美しい音が絶妙のバランスでピアノに絡み思わず聴き入ってしまいます。
カラヤン&ベルリン・フィルといえば、やや演出過多な演奏をイメージされる方もいるかも知れませんが、落ち着いた静かなタッチで美しい音楽を奏でるツィメルマンのピアノが際立つような素晴らしい演奏を披露しています。
第3楽章もスコアの細かい部分まで目に浮かぶような端正な演奏ですが、沸き立つような高揚感には少し欠けるかも知れません。
カップリングがシューマンのピアノ協奏曲とよく比較されるグリーグのピアノ協奏曲なのもおすすめポイントです。
エレーヌ・グリモー:サロネン指揮 ドレスデン国立管
【収録曲】
1. シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
2. クララ・シューマン:リュッケルトの詩による3つの歌曲 Op.12
3. クララ・シューマン:岸辺で
4. ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38
5. ブラームス:2つのラプソディ Op.79
エサ=ペッカ・サロネン指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
ピアノ:エレーヌ・グリモー
メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(2,3)
チェロ:トルルス・モルク(4)
録音:2005年5月(1,4)、2005年9月(2,3)、2000年6月(5)
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こちらのアルバムは「Reflexions」というタイトルがついた、野性狼の保護活動でも知られるエレーヌ・グリモーのドイツ・グラモフォンからの2枚目のアルバムです。
彼女自身、このアルバムのテーマが「愛」だと語っていて、シューマンのピアノ協奏曲に加えて、愛する妻クララが作曲した歌曲が2曲、そして、そんなクララに密かに想いを寄せていたと言われるブラームスの作品と、グリモーこだわりのコンセプトアルバムとなっています。
「Reflexions」にはいろんな意味があるようですが、その中には「反映・影響」といったニュアンスの意味も含まれるようで、シューマン、クララ、ブラームスという互いに影響を与え合い、深い関係にあった三人の作曲家の作品を集めたものかと勝手に想像しています。
グリモーのピアノは溢れる詩情と豊かなロマンティシズムで聴く人の心を惹きつけます。
かといって、決して奇をてらった演奏ではなく、美しく豊かな感情を示しながらも、程よくコントロールされた素晴らしい演奏です。
アンスネス:ヤンソンス&ベルリン・フィル
【収録曲】
1.グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
2.シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
マリス・ヤンソンス指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
収録:2002年12月
★このアルバムは「Amazon Music Unlimited」では一部カットされて配信されていますのでご注意ください。
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レイフ・オヴェ・アンスネスは1970年生まれのノルウェー出身のピアニスト、ベルリン・フィルとのシューマンはヤンソンスのタクトの下、生き生きとした動きのある表情が魅力的な演奏です。
今回おすすめした三つの録音の中では、旋律の高揚と共に自然にテンポを煽る、ややドラマティックに感じる演奏です。
第3楽章の終盤ではヤンソンス&ベルリン・フィルのドライブ感溢れる旋律と、アンスネスの打ち寄せては返す波のような独奏ピアノが美しく絡み合い、印象的なクライマックスを形成しています。
こちらもグリーグとの聴き比べができるおすすめのアルバムです。
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赤文字で表示した演奏は、おすすめの名盤のコーナーで紹介した録音です。
それ以外では、ドラマティックな演奏がお好みの方はアルゲリッチなども良いのではないでしょうか?複数のオケとの録音が楽しめるので聴き比べてみると楽しいですよ。
クラウディオ・アラウはシューマンの協奏曲の録音を5回行っていますが、若きドホナーニとコンセルトヘボウとタッグを組んだ1963年の録音は円熟期を迎えつつある頃の録音で、ゆったりとしたテンポながらも骨太のピアノの音が印象的な録音です。
マリア・ジョアン・ピリスとアバド&ヨーロッパ室内管の録音はピリスの繊細で美しいピアノの音に惹きつけられる演奏です。静かに穏やかに語るようなピアノに心が癒されます。
往年の名ピアニストの演奏は録音状態がイマイチなものも多く、流石にCDを購入するのはためらわれますが、「Amazon Music Umlimited」なら聴き放題で楽しめるので、いろいろと聴き比べてみると面白いでしょう。
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まとめ
今回、ご紹介したシューマンのピアノ協奏曲は、若き日にピアニストとして世に出ることを夢見ていたシューマンが完成させた唯一のピアノ協奏曲です。
楽曲解説でも触れた通り、この曲には愛する妻クララへの深い想いが込められていて、詩情とロマンティシズムに溢れる、ロマン派を代表するピアノ協奏曲として知られています。
第1楽章冒頭、悲劇的にも感じる短い序奏で心を釘付けにされた後、クララの名前をモチーフにした切なく哀愁を帯びた旋律で、一気にシューマンの世界へ引きずり込まれます。
最後に余談ですが、何かが音を立てて崩れ落ちるような印象的な序奏部分は、昭和世代の男性には懐かしい『ウルトラセブン』の最終回で、主人公のモロボシ・ダンがウルトラセブンであることを、愛するアンヌ隊員に告白するシーンで使われたことでも有名です。
ダンは制止するアンヌを振り切り、最後の別れを告げてセブンに変身し、命を懸けた戦いに向かいます。
昭和の少年たちが涙を流した名シーンで印象的に使われていたことを思いだされた方もいるのではないでしょうか?
ちなみにこの時に使われた録音は、33歳の若さでこの世を去った夭折の天才ピアニスト、ディヌ・リパッティとカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏です。
この録音は『ウルトラセブン』放映50周年を記念して2018年にオリジナルマスターからの復刻盤が発売されています。
そんな懐かしい想い出と共にこの名曲を味わってみるのも面白いのではないでしょうか?
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最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!
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