チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」【解説と名盤】

2020年9月21日

まずはダイジェストで聴いてみよう!

ホルンが奏でる雄大な序奏に続きピアノの力強い和音が響き渡り、弦楽器がロマン溢れる美しい調べを奏でます。

クラシックファンならずとも誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

まずは第1楽章の冒頭部分をダイジェストで聴いてみましょう!

ネーメ・ヤルヴィ指揮:ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:アルカディ・ヴォロドス

指揮者のネーメ・ヤルヴィは1937年生まれ、旧ソ連エストニア出身の指揮者でNHK交響楽団の首席指揮者として日本でも活躍するパーヴォ・ヤルヴィの父親です。

ピアノのヴォロドスは1972年生まれ、旧ソ連ロシア出身のピアニストです。

作曲の背景

ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23はロシアの作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1875年に書き上げたピアノ協奏曲です。

モスクワ音楽院の創設者にして高名なピアニストであったニコライ・ルビンシテイン(1835-1881)はチャイコフスキーのよき理解者であり、友人でもありました。

この作品をルビンシテインに献呈するべく作曲を進めたところ、この曲の草稿を聴いたルビンシテインから思いもよらず酷評され、書き直すように迫られたそうです。

結局チャイコフスキーはルビンシテインの言葉には従わずに作曲を完成させ、当時の高名な指揮者でピアニストとしても知られていたハンス・フォン・ビューロー(1830-1894)に献呈し初演を託します。

同年アメリカで行われた初演は大成功に終わり、ルビンシテインも後には評価を改め何度もピアノ独奏を務めるようになり、この作品を世に知らしめるのに一役を買ったようです。

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チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」解説

第1楽章 Allegro non troppo e molto maestoso

冒頭のダイジェスト動画でもご紹介したドラマティックな序奏。弦楽器が奏でる雄大な旋律が流れる中、独奏ピアノの力強い和音がホールに響き渡ります。

ピアノは時には力強く、時には繊細にオーケストラの旋律に煌めく音を散りばめるように絡み合います。

第1楽章は全曲の半分を占める壮大な楽章です。

第2楽章 Andantino semplice – Prestissimo

弦楽器のピチカート(指で弦をはじく)に乗ってフルートが静かに美しい旋律を奏でます。同じ旋律を様々な楽器が繰り返す間を縫うようにピアノが美しく絡み合います。

中間部は急速なテンポでピアノが駆け回った後、再び静けさを取り戻し第2楽章を終えます。

第3楽章 Allegro con fuoco

エネルギッシュな旋律が3拍子で何度も繰り返されるのが印象的です。

独奏ピアノは常に激しく動き回りながらクライマックスでは再び雄大な旋律に包まれ熱狂の内に終結します。

チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」youtube動画

※こちらの動画は埋め込みが出来ません。下記のタイトルをクリックしていただき、リンク先のyou tubeでご覧ください。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
第1楽章(01:26) 
第2楽章(22:01)
第3楽章(29:00)

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団
ピアノ 辻井伸行

ヴァレリー・ゲルギエフは1953年生まれ、旧ソ連ロシア出身の指揮者です。世界の名だたるメジャー・オーケストラの指揮台に立つ人気指揮者で、とても短い指揮棒を持つか、この動画のように指揮棒を持たず独特の指揮をされるのが印象的です。

辻井伸行は1988年生まれのピアニストです。先天的な障害を乗り越え10代の頃から活発な演奏活動を行っています。2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝、国内外で活躍されるピアニストです。

チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

チャイコフスキー
①ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23
②バレエ組曲《くるみ割り人形》作品71a
(2台のピアノのための/エコノム編曲)

クラウディオ・アバド指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
ピアノ:ニコラス・エコノム(②)
録音:1983年② 1994年①

アルゲリッチは1970年にデュトワ&ロイヤル・フィルと、1980年にはコンドラシン&バイエルン放送響と同作品を録音していますが、今回ご紹介する1994年のアバド&ベルリン・フィル盤は1980年盤と同様ライヴ録音です。

1980年のコンドラシン&バイエルン放送響盤もそうですが、アルゲリッチのピアノは情熱的である意味奔放、この時53歳のアルゲリッチですが若い頃と変わらない情熱を保ち続けています。

終楽章ではライブ盤ならではの臨場感と熱さがビンビンと伝わってきます。

端正な演奏を好む方には賛否の分かれる演奏かも知れませんが、個人的にはこのアルゲリッチならではの熱さと奔放さがクセになります。

最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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