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バッハ「パッサカリアとフーガ」【解説と名盤】

2020年9月13日

バッハ「パッサカリアとフーガ」解説

パッサカリアとフーガハ短調BWV582はドイツの作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲したオルガンのための作品です。

作曲時期については諸説ありはっきりとわかっていませんが、バッハの兄ヨハン・クリストフが遺した筆者譜の時代鑑定などからヴァイマルの宮廷オルガニストとして活動していた1710年前後には作曲されていたとみられています。

楽曲は前半のパッサカリアと後半のフーガから成り立っています。

「パッサカリア」とは楽曲の形式の1つで、元々はスペインの舞曲を起源に持ち、荘重で緩やかな3拍子でオスティナート・バスと呼ばれる低音主題が何度も繰り返され変奏されていくと言う特徴を持っています。

同じ性格を持つ楽曲の形式に「シャコンヌ」がありますが、両者の違いは曖昧です。

この作品の中では冒頭、足鍵盤で演奏される8小節の重々しい低音主題が20回に渡り反復され変奏されていきます。

後半の「フーガ」は主題を複数の声部や音程で繰り返し演奏する楽曲の形式で、対位法と呼ばれる作曲技法を駆使した楽曲です。

作品の元となる低音主題が次々と変化しドラマティック且つ壮大に展開していく様は、音楽による万華鏡を見ているような感覚に陥ります。

緻密な楽曲構成と立体的な音響の中で展開される音楽は18世紀の巨大な建築物を彷彿とさせます。

バッハのオルガン曲の中でも壮大なスケールが魅力の傑作と言って良い作品ですので、ぜひ聴いてみてください。

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バッハ「パッサカリアとフーガ」youtube動画

J.S.バッハ:パッサカリアとフーガハ短調BWV582

オルガン:アルブレヒトコッホ (Albrecht Koch)
フライブルク大聖堂

バッハ「パッサカリアとフーガ」管弦楽版

この作品は後世の作曲家によってピアノ独奏や2台のピアノのためにも編曲されていますが、中でもレスピーギ(1879-1936)、ストコフスキー(1882-1977)によって編曲されたオーケストラ版が有名です。

私自身もこの曲を最初に聴いたのは原曲のオルガン版ではなく、ストコフスキー&チェコ・フィルによるバッハ編曲作品集でした。

古い録音で音はあまりよくありませんでしたが、その壮大な世界観に魅せられ学生時代にずいぶん聴き込んだ記憶があります。

youtubeに良さそうな動画がなかったので、公式レーベルが提供している録音のリンクを貼っておきます。

こちらもぜひ聴いてみてください。

J.S.バッハ(ストコフスキー編):パッサカリアとフーガ
ヤニック・ネゼ=セガン指揮:フィラデルフィア管弦楽団

【収録曲】
ストラヴィンスキー: バレエ『春の祭典』
ストラヴィンスキー(ストコフスキー編):パストラーレ
バッハ(ストコフスキー編曲):トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
バッハ(ストコフスキー編曲):パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
バッハ(ストコフスキー編曲):小フーガ ト短調 BWV578

J.S.バッハ(レスピーギ編):パッサカリアとフーガ
ピエール・モントゥー指揮:ボストン交響楽団

バッハ「パッサカリアとフーガ」名盤

管理人おすすめの名盤はこちら!

パッサカリアとフーガ他
バッハ : オルガン作品集

オルガン:マリー=クレール・アラン

フランスの女流オルガニスト、マリー=クレール・アラン(1926-2013)によるバッハのオルガン作品集です。

アランは、バッハのオルガン曲全集を3回にわたって録音していますが、このCDに収録されているのは1978年から1980年に録音されたものです。

いかがでしたか?こちらの作品もぜひ聴いてみてください!

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