ハイドン「交響曲第104番(ロンドン)」

作曲の背景

交響曲第104番ニ長調 Hob. I:104はオーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)が1795年に作曲した交響曲です。

「交響曲の父」と呼ばれ生涯に番号付きで知られる104曲の交響曲を遺したハイドンが書いた最後の交響曲です。

1790年、30年近くに渡って仕えてきたエステルハージ家のニコラウス公が亡くなると、後を継いだ次の当主が音楽に関心がなかったため、ハイドンは年金と引き換えにエステルハージ家の楽団の楽長の職を辞することになります。

1791年、ドイツ出身の音楽家で音楽興行師として知られたヨハン・ペーター・ザロモン(1745-1815)の招きに応じロンドンに渡ったハイドンは翌1792年にかけて第93番から第98番目での6曲の交響曲を、2回目のロンドン訪問の前年に当たる1793年から1795年にかけては第99番から第104番までの6曲の交響曲を作曲します。

既に作曲家としての人気を得ていたハイドンはロンドンの地でも大きな成功を収め、さらなる富と名声を得ることになります。

この12曲の交響曲はこれらの作曲の経緯から「ロンドン交響曲」「ロンドン・セット」あるいはハイドンを招いたザロモンの名前を取って「ザロモン・セット」などと呼ばれます。

今回ご紹介する交響曲第104番を単独で「ロンドン交響曲」と呼ぶ場合がありますが、ハイドン自身が名付けたわけではなく後世に付けられた愛称です。

77歳で亡くなるハイドンはその後も宗教的な作品や器楽曲などを作曲していますが、ハイドンの遺した多くのジャンルの膨大な作品の中でも重要な位置を占める交響曲のペンをこの63歳の時に置いているのは少し不思議な気もします。

ハイドン「交響曲第104番」の解説

第1楽章:Adagio – Allegro

重厚で堂々とした冒頭に続き、もの悲しい雰囲気の序奏が続きます。

序奏を終えるとがらりと雰囲気は変わり、軽快で清楚な主題を奏でます。

第2楽章:Andante

穏やかで明るい雰囲気の主題が奏でられる中で、時折やや緊張感のある表情も垣間見せます。

弦楽器と共に奏でられる木管楽器の柔らかい響きも印象的です。

第3楽章:Menuetto Allegro

メヌエットですが優雅な雰囲気と言うよりは力強く生き生きとした雰囲気の曲想です。

中間部では木管楽器が舞曲風の旋律を織りなすように奏でます。

第4楽章:Finale Spiritoso

快活で軽快な民謡風の主題が疾駆します。その裏ではチェロとホルンが主音を持続して響かせています。

Spiritoso(元気に. 生き生きと)の指示の通り、颯爽と一陣の風が吹き抜けていくかのようなフィナーレです。

ハイドン「交響曲第104番」のyoutube動画

ハイドン:交響曲第104番ニ長調 Hob. I:104
第1楽章(0:15) 第2楽章(8:55) 第3楽章(16:27) 第4楽章(20:26)

ディーマ・スロボデニューク指揮 ガリシア交響楽団

ハイドン「交響曲第104番」の名盤

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ハイドン
1. 交響曲第100番ト長調 Hob.I:100『軍隊』
2. 交響曲第104番ニ長調 Hob.I:104『ロンドン』

フランス・ブリュッヘン指揮
18世紀オーケストラ

録音時期:1990年

この交響曲第104番は冒頭から壮大で堂々とした雰囲気の作品ですが、音響効果抜群のオーケストラで盛大に鳴り響かせるのは個人的にはあまり好みではありません。

ブリュッヘンと18世紀オーケストラは古楽器ならではの素朴な響きの中にも引き締まったかのようなシャープな輪郭の演奏で、ハイドン本来の魅力を十分に引き出している演奏のように感じます。

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