モーツァルト「フルート協奏曲第1番」【解説とyoutube動画】

2020年9月16日

作曲の背景

フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313はオーストリアの作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1778年に作曲した協奏曲です。

この曲はオランダ人のフルート愛好家、フェルディナント・ド・ジャンからの「3曲のフルート協奏曲と2~3曲の四重奏曲」という依頼に応えて作曲されたものです。

作曲の経緯についてはフルート協奏曲第2番及びオーボエ協奏曲の記事に詳しく書いていますので、そちらも併せてお読みいただければと思います。


モーツァルトに関してはフルートが嫌いであったとされる説が以前からまことしやかに言われていますが、これはモーツァルトが父に宛てた手紙の中に「フルートという我慢できない楽器のために作曲するのは気が乗らない。」と言った趣旨の文言が遺されていることに由来しています。

この前年の1777年の9月に母と2人で故郷ザルツブルクからパリに向けて旅立ったモーツァルト親子は10月の末に途中のマンハイムに到着し、ここで4ヶ月余りを過ごします。

モーツァルトはここでフルート協奏曲を書いている訳ですが、この旅の途中で父レオポルトと交わした書簡がフルート協奏曲の作曲に至る経緯の主な根拠とされています。

ただ父と子の間で交わされた書簡の内容には親子ならではの微妙な駆け引きのニュアンスも含まれており、一概にその内容を鵜呑みにして良いものかどうか個人の意見としては懐疑的です。

父レオポルトから遊び呆けていることを叱責され、仕事に励むように苦言を呈されているモーツァルトが父に対して書き送ったせめてもの言い訳のようにも感じます。

何よりもモーツァルトが遺した協奏曲や四重奏曲などフルートを独奏楽器とする複数の作品や交響曲をはじめとした管弦楽曲の作品中に登場するフルートの旋律はあまりにも美しく、とても我慢ならない楽器のためにいやいや作曲したとは到底思えないのです。

モーツァルトの時代のフルートは構造もシンプルで、現在主流の銀製や金製のものではなく木製の楽器で、その音はモダンフルートの華やかで輝かしいイメージとは異なりもっと温かく素朴なものでした。

モーツァルトの華やかなフルート作品を聴くたびにモーツァルトは未来のモダンフルートのことを熟知していたのではないか?と思わずにはいられません。

もしかすると「我慢できない楽器」どころか、当時の楽器の響きよりはるかに輝かしく華やかな「天使の吹く笛の音」がモーツァルトの頭の中では鳴り響いていたのかも知れませんね。

モーツァルト「フルート協奏曲第1番」解説

第1楽章 Allegro Maestoso

冒頭、ファンファーレ風の力強い旋律がオーケストラによって奏でられます。

独奏フルートがこれに続き冒頭の旋律を力強くも華やかに歌います。

音階を軽やかなステップで上がったり下りたりする様子に、音階と言う文字が音の階段を意味していることを改めて感じされられます。

第2楽章  Adagio ma non troppo (9:00)

弦楽器とホルンの導入に続き、独奏フルートが息の長い伸びやかな旋律を美しく奏でます。

静かに流れるオーケストラの響きの上に浮かび上がる独奏フルートの音色は高貴な美しさと清浄さに溢れています。

第3楽章  Rondo : Tempo di Menuetto(17:38)

独奏フルートが軽やかに飛び跳ねる舞曲風の音楽が展開され、華やかで技巧的な旋律の中にも愛らしさが漂う心地よい楽章です。

モーツァルト「フルート協奏曲第1番」youtube動画

モーツァルト フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313

Eduard Matscheko指揮 Sinfonia Christkönig 
フルート:カール=ハインツ・シュッツ

カール=ハインツ・シュッツさんはオーストリア生まれのフルート奏者。
カール・ニールセン国際フルート・コンクール、クラクフ国際フルート・コンクールで優勝した後、シュトゥットガルト・フィル、ウィーン交響楽団の首席奏者を経て、現在はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者として活躍されています。

いかがでしたか?モーツァルトのフルート協奏曲は実に美しく素晴らしい作品ばかりです。こちらもぜひ聴いてみてください!

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