ブリテン「青少年のための管弦楽入門」【解説とyoutube動画】
目次
まずはダイジェストで聴いてみよう!
ピッコロとフルートが軽やかに五線譜の上を駆け回るとその旋律はオーボエ、クラリネットからその他の木管楽器、さらには弦楽器、金管楽器、打楽器とリレーをするように引き継がれ、最後はオーケストラ全体で勇壮なフィナーレを飾ります。
まずはこのクライマックスのフーガの部分をダイジェストで聴いてみましょう!
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
作曲の背景
『青少年のための管弦楽入門』はイギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンが1945年に作曲した管弦楽曲です。
この曲はBBC(英国放送協会)が制作した音楽教育映画の為に作曲された作品で、副題に「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」とあるようにバロック時代のイギリスの作曲家ヘンリー・パーセルが作曲した劇付随音楽『アブデラザール』の中の「ロンド」の主題をもとにした変奏曲とフーガです。
ここでこの作品の主題となっている「パーセルの主題」を少し聴いてみましょう!
ヘンリー・パーセル 劇付随音楽『アブデラザール』より「ロンド」
楽曲はオーケストラで使われる様々な楽器を紹介するように作られていて、パーセルによる主題が様々な合奏で演奏された後、それぞれの楽器のソロで変奏されていきます。
それぞれの変奏には解説が付けられるようになっていて、日本語の解説が付けられている録音もあります。
元が音楽教育映画のために書かれた作品だけあって、私が子供の頃には音楽の授業に取り入れられていましたが、今はどうなのでしょうか?
解説付きで子供がオーケストラの楽器に気軽に親しめるように工夫されている作品ですが、解説なしで純粋な管弦楽作品としても十分に楽しめる作品です。
親子で一緒に聴いてみるのも良いかも知れませんね。
ブリテン「青少年のための管弦楽入門」解説
主題
冒頭先ほどの動画で紹介したパーセルの主題がオーケストラの総奏(トゥッティ)で堂々と演奏されます。
その後、木管合奏⇒金管合奏⇒弦楽合奏⇒打楽器合奏とリレーされた後、再びトゥッティで演奏されて締めくくられます。
変奏(02:00)
冒頭提示された主題がそれぞれの楽器を主役に形を変えて変奏されていきます。
登場する楽器の順番は次の通りです。
・フルート、ピッコロ
・オーボエ
・クラリネット
・ファゴット
・ヴァイオリン
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
・ハープ
・ホルン
・トランペット
・トロンボーン、チューバ
・打楽器
フーガ(14:10)
「フーガ」は楽曲の形式の名称ですが、同じ旋律が次々と複数の声部に現れるのが特徴です。
冒頭のダイジェスト動画でもご紹介したクライマックス部分です。
ここでは変奏の部分で紹介した楽器が次々に登場し最後は圧巻のフィナーレを飾ります。
ブリテン「青少年のための管弦楽入門」youtube動画
次にご紹介する動画の演奏では解説なしのコンサート形式で演奏されています。
ブリテン 『青少年のための管弦楽入門』 ニ短調 作品34
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDR交響楽団
日本語の解説付きの演奏も聴いてみましょう。動画はフーガの部分が分割されてアップされています。
秋山和慶指揮 洗足学園音楽大学ビギナーズオーケストラ
ナビゲーター:江原陽子
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