エリザベート王妃国際音楽コンクール2025|世界が注目した入賞者の演奏を一挙紹介!
目次
久末航さんが第2位、亀井聖矢さんが第5位を受賞!
ベルギーのブリュッセルで開催されていた『エリザベート王妃国際音楽コンクール』で、滋賀県大津市出身の久末航(ひさすえ わたる)さんが第2位、愛知県一宮市出身の亀井聖矢(かめい まさや)さんが第5位を受賞し、大きな話題になっています。
ファイナルに進出した12名の中には、お二人以外にも、東京都出身の吉見友貴(よしみ ゆうき)さん、桑原志織(くわはら しおり)さんの日本人がいます。
ファイナルでは今回のコンクールのために作曲された、ジャズピアニストとしても知られる作曲家のクリス・デフォート(Kris Defoort)さんによる『Music for the Heart』に加え、久末さんはブラームスの『ピアノ協奏曲第2番』、亀井さんはサンサーンスの『ピアノ協奏曲第5番』を演奏されました。
オケは大野和士さん指揮のブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団で、日本人指揮者との共演となっています。
エリザベート王妃国際音楽コンクール公式サイトで本選動画が公開されていたので、この後、紹介したいと思います。

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エリザベート王妃国際音楽2025 入賞者一覧
第1位:Nikola Meeuwsen ニコラ・メーウセン(オランダ)
第2位:久末航 ひさすえ わたる(日本)
第3位:Valère Burnon ヴァレール・ ビュルノン(ベルギー)
第4位:Arthur Hinnewinkel アルテュール・ヒネヴィンケル(フランス)
第5位:亀井聖矢 かめい まさや(日本)
第6位:Sergey Tanin セルゲイ・タニン(ロシア)
エリザベート王妃国際音楽コンクールとは?
『エリザベート王妃国際音楽コンクール』はベルギーのブリュッセルで開催される国際音楽コンクールで、チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並び、世界3大音楽コンクールの1つと言われています。
前身は、ベルギーの生んだヴァイオリンの巨匠ウジェーヌ・イザイを讃えるために創設されたウジェーヌ・イザイ国際コンクールで、1937年からの古い歴史を持ちます。
現在はピアノ部門の他に、ヴァイオリン、声楽、チェロ部門が持ち回りで4年ごとに開催されており、1953年から開催されていた作曲部門は2013年を最後に休止となっています。
過去のピアノ部門では、1968年に世界的なピアニストとして活躍する内田光子さんが第10位、1987年には第2位に若林顕さん、第5位に仲道郁代さんが入賞するなど、多くの日本人ピアニストが入賞しています。
エリザベート王妃国際音楽2025 入賞者の演奏動画
ファイナルでは、このコンクールのために作曲された委嘱作品、クリス・デフォート(Kris Defoort)の『Music for the Heart』と候補曲の中から選択した協奏曲の2曲が演奏されました。
上位3位までの入賞者は両方の曲を、4位から6位までの入賞者は選択曲のみ紹介したいと思います。
なお、動画はすべてエリザベート王妃国際音楽コンクール公式サイトの動画に設置されている埋め込みコードを使ってシェアしています。

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第1位:Nikola Meeuwsen ニコラ・メーウセン(オランダ)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16
クリス・デフォート:Music for the Heart
【略歴】Nikola Meeuwsen ニコラ・メーウセン
2002年生まれ、オランダ出身。
イタリアの名門イモラ国際音楽アカデミーでピアノを学び、エリザベート王妃音楽礼拝堂を2022年に卒業。すでにソリストとして有名なオーケストラとも共演しています。
第2位:久末航 ひさすえ わたる(日本)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
クリス・デフォート:Music for the Heart
【略歴】久末航(ひさすえ わたる)
1994年生まれ、滋賀県大津市出身。
高校卒業後、ヨーロッパに留学し、フライブルク音楽大学、パリ国立高等音楽院、べルリン芸術大学で研鑽を積まれています。
2017年にミュンヘン国際音楽コンクールで第3位および委嘱作品特別賞を受賞して話題を呼んだ注目のピアニストです。
第3位:Valère Burnon ヴァレール・ ビュルノン(ベルギー)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
クリス・デフォート:Music for the Heart
【略歴】Valère Burnon ヴァレール・ ビュルノン
1998生まれ、ベルギー出身。
2018年にリエージュ王立音楽院で学士号を取得。
その後、ケルン音楽舞踊大学で学び、2022年からはエリザベート王妃音楽礼拝堂のアーティスト・イン・レジデンスを務めるかたわら、リエージュ王立音楽院で室内楽を教えています。
第4位:Arthur Hinnewinkel アルテュール・ヒネヴィンケル(フランス)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
【略歴】Arthur Hinnewinkel アルテュール・ヒネヴィンケル
2000年生まれ、フランス出身。
15歳でパリ国立高等音楽院に入学、その後、エリザベート王妃音楽堂で研鑽に励んでいます。
第5位:亀井聖矢 かめい まさや(日本)
サン・サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 Op.103
【略歴】亀井聖矢(かめい まさや)
2001年生まれ、愛知県一宮市出身。
愛知県立明和高等学校音楽科を経て、飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学し、2023年に同大学を首席で卒業。
2022年、ロン=ティボー国際音楽コンクールで第1位を受賞するなど、今後の活躍が楽しみなピアニストです。
亀井聖矢オフィシャルウェブサイト
第6位:Sergey Tanin セルゲイ・タニン(ロシア)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
【略歴】Sergey Tanin セルゲイ・タニン
1995年生まれ、ロシア出身。
5歳の時からピアノを始め、11歳の時にはチャイコフスキー音楽院の大ホールでモスクワ交響楽団と共演するなど早くから活躍。
モスクワ音楽院で学び、2018年にゲザ・アンダ国際ピアノコンクールで第3位と聴衆賞を受賞しています。
まとめ
今回のエリザベート王妃国際音楽コンクールは12名のファイナリストのうち4名が日本人で、さらにそのうち2名が入賞という結果になりました。
前回、2021年のピアノ部門も日本人が第3位と第4位に入賞するなど、日本人ピアニストの活躍が続いています。
公式サイトでは予選の演奏動画なども公開しているので、関心のある方はこちらのリンク先をご覧ください。