マスカーニ「アヴェ・マリア」【歌詞と解説、名盤】
目次
マスカーニ「アヴェ・マリア」解説
「マスカーニのアヴェ・マリア」はイタリアの作曲家、ピエトロ・マスカーニ(1863-1945)が1889年に書き上げた大ヒットオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の有名な間奏曲に歌詞を付けた歌曲です。
歌詞はカトリック教会で用いられる伝統的なアヴェ・マリアの祈祷文とは異なり、オリジナルの詩です。
イタリア語の歌詞を付けたのは、この作品について触れた複数の日本のウェブサイトにはピエトロ・マッツォーニ(1833-1907)とありますが、海外のウェブサイトにはピエロ・マッツォーニ(Piero Mazzoni)と記されていました。
確認できた楽譜では「P. Mazzoni」と表記されていたため、どちらが正しいかは不明です。
いずれの名前でも検索してみましたが、詳しいプロフィールなどはわからず、どんな人物なのかも不明でした。
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」のあらすじや解説はこちらの記事でご紹介していますので、あわせてお読みください。
4小節の序奏に続く冒頭部分では間奏曲の主旋律ではなくオブリガートとして歌唱されるため、オリジナルの間奏曲とは少し違う印象に聴こえますが、そこにまた何とも言えない魅力を感じます。(譜例)
14小節目(譜例★)で主旋律と重なった後は弦楽器とユニゾンで美しい旋律を奏でます。
原曲の間奏曲との大きな違いは原曲のエンディング部分を4小節の序奏として付けている点、先ほど触れたように冒頭の歌唱部分が間奏曲の主旋律ではなくオブリガートとして歌唱されている点などですが、この編曲がマスカーニ自身によって行われたものなのか、いつ頃編曲されたものなのかなども不明でした。
また詳しいことがわかれば後日追記したいと思います。
いずれにしても原曲の間奏曲とはまた違う魅力を持った大変素晴らしい作品です。
ぜひ原曲の間奏曲と聴き比べてお楽しみいただければと思います。
原曲の「カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲」はこちらの記事でお聴きいただけます。
マスカーニ「アヴェ・マリア」歌詞
Ave Maria, madre Santa,
Sorreggi il piè del misero che t’implora,
In sul cammin del rio dolor
E fede, e speme gl’infondi in cor.
O pietosa, tu che soffristi tanto,
Vedi, ah! Vedi il mio penar.
Nelle crudeli ambasce d’un infinito pianto,
Deh! Non m’abbandonar.
Ave Maria! In preda al duol,
Non mi lasciar. O madre mia, pietà!
O madre mia, pietà! In preda al duol,
non mi lasciar, non mi lasciar.
マスカーニ「アヴェ・マリア」youtube動画
マスカーニ:アヴェ・マリア
メゾ・ソプラノ:エリーナ・ガランチャ
カレル・マーク・チチョン指揮:ザールブリュッケン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
エリーナ・ガランチャは1976年、旧ソ連、ラトヴィア出身のメゾソプラノ歌手です。動画で指揮をしているカレル・マーク・チチョンは彼女の夫です。
エリーナ・ガランチャの歌唱動画はこちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
マスカーニ「アヴェ・マリア」名盤
管理人おすすめの名盤はこちら!
エリーナ・ガランチャ「メディテーション」
【収録曲】
マスカーニ:アヴェ・マリア
ウィリアム・ゴメス:アヴェ・マリア
ビゼー:アニュス・デイ
カッチーニ:アヴェ・マリア
他
エリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)
ラトヴィア放送合唱団
シグヴァルズ・クラーヴァ(合唱指揮)
ザールブリュッケン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
カレル・マーク・チチョン(指揮)
録音:2013年10月
※こちらのアルバムは「Amazon Music Unlimited」でもお楽しみいただけます!
管理人のおすすめは先ほどご紹介した動画のエリーナ・ガランチャのアルバム「メディテーション」です。
「マスカーニのアヴェ・マリア」の他にも「カッチーニのアヴェ・マリア」「ウィリアム・ゴメスのアヴェ・マリア」も収録されており、どれも美しく秀逸です。
エリーナ・ガランチャの豊かで美しい歌声が存分に楽しめる1枚です。
まとめ
「マスカーニのアヴェ・マリア」いかがでしたでしょうか?
マスカーニの名曲「カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲」のメロディに重なる、美しく透き通るような歌声に心が洗われます。
他の作曲家が書いた「アヴェ・マリア」ともぜひ聴き比べてお楽しみいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!
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