ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」解説とおすすめの名盤
目次
まずはダイジェストで聴いてみよう!
オーケストラが奏でる哀愁を帯びた旋律の裏で、独奏ピアノが力強いタッチでドラマティックな和音を響かせます。
まずは第1楽章をダイジェストで聴いてみましょう!
セミヨン・ビシュコフ指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:キリル・ゲルシュタイン
キリル・ゲルシュタインは1979年生まれ、旧ソ連出身のピアニストです。
14歳でジャズを学ぶためにアメリカに渡りバークリー音楽大学へ入学した後、再びクラシックの世界へと戻ったユニークな経歴の持ち主です。
作曲の背景
ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18はロシアの作曲家、セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1901年、28歳の時に書き上げたピアノ協奏曲です。
ラフマニノフは生涯に4曲のピアノ協奏曲を書いていますが、その中でも最も有名で演奏される機会の多い作品です。
またピアノ協奏曲だけでなく、ラフマニノフが遺した全作品の中でも代表曲と言って良い作品です。
1895年、22歳のラフマニノフは交響曲第1番を完成させ、2年後の1897年に初演の機会を得ます。
しかし、残念ながらこの初演は大失敗に終わり、批評家たちからもさんざんに酷評されることになります。
この失敗以後、完全に自信を喪失したラフマニノフは鬱(うつ)に悩まされるようになり、作曲にも手が付かないようになります。
1899年、イギリスにわたりピアノ協奏曲の作曲依頼を受けたラフマニノフは、翌1900年に周囲のすすめもあり、精神科医のニコライ・ダーリの治療を受けながら作曲の筆を進めます。
治療の甲斐があったのか、快方に向かったラフマニノフはこの年の内に第2、第3楽章を完成させ披露、翌1901年には全曲を完成させます。
従兄のアレクサンドル・シロティ指揮、ラフマニノフ自身のピアノ独奏によって行われた同年暮れの全曲初演は大成功を収め、ラフマニノフは作曲家としての名声を確立しました。
この作品はラフマニノフの治療に当たったニコライ・ダーリに感謝の意を込めて献呈されています。
優れたピアニストでもあったラフマニノフは後に祖国ロシアを離れ、1918年にはアメリカに渡り、以後は作曲家としてよりもコンサート・ピアニストとして活躍します。
1929年にレオポルド・ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団との貴重な録音はリマスタリングされ、現在でも聴くことが出来ます。
ラフマニノフ自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番
1.ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op,18
2.ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
ピアノ:セルゲイ・ラフマニノフ
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:レオポルド・ストコフスキー(1)
指揮:ユージン・オーマンディ(2)
録音:1929年(1)、1939-1940年(2)
★ご紹介した録音は「Amazon Music Unlimited」でもお楽しみいただけます!
1929年の録音ですので、音質などの録音状態は止むを得ないですが、作曲者自身の演奏解釈を聴ける貴重な資料でもあります。
演奏の方は現代の演奏と比べるとテンポ設定も速めで、歌いまわしもややスッキリした感じですね?
速いパッセージもとても鮮やかで軽やかに弾きこなしている印象です。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」解説
第1楽章:Moderato
冒頭、教会の鐘を思わせるピアノの和音の響きが、遠くから聴こえてくるように、徐々に強く響き渡ります。
ピアノの楽譜を見ると左手の和音はファ(F)からラ♭(A♭)までの10度の音程からなっており、手の小さなピアニストでは一度に弾き鳴らすことが出来ません。(譜例①)
卓越したピアニストとしても有名だったラフマニノフは、身長が190cmを超える大きな方だったようで、手も大きく10度どころか12度の音程を左手でつかむことが出来たそうです。
これは同じファ(F)を起点にすると1オクターブ半上のド(C)までの音程で、距離にすると約25cmもの長さに相当します。
一方、手が小さく指が届かないピアニストはこの和音を分散して弾いています。いろんな録音を聴き比べていると冒頭和音の弾き方の違いに気づかれると思いますが、これは楽譜の版の違いではなく、こうした理由によるものです。
先ほどご紹介したラフマニノフ自身の演奏や、今回ご紹介するyoutube動画のアンナ・フェドロヴァはこの和音を一度に響かせていますが、おすすめの名盤でご紹介しているアシュケナージはこの和音を分散して響かせています。
ご紹介するyoutube動画では、アンナ・フェドロヴァが冒頭の和音を左手でつかむ様子がピアノに反射して映し出されていますので、注目して見て下さい。
アシュケナージの録音もレーベルがyoutubeに提供している音源をおすすめの名盤のコーナーで紹介していますので、ぜひ聴き比べてみて下さい。
ちなみにアシュケナージの身長はウィキペディアによれば168cmだそうです。
ずいぶん話が横道にそれましたが、この印象的な和音の連打の後、動き出すかのようなピアノの分散和音に乗ってオーケストラが奏でる少し憂いを含んだ第1主題はとてもドラマティックで、豊かな弦楽器の響きが滔々(とうとう)流れる大きな川のように感じられます。(譜例②)
やや即興的にも感じられる独奏ピアノのブリッジを経て、変ホ長調でピアノが奏でる第2主題は、より感傷的で甘美な雰囲気に包まれています。(譜例③)
独奏ピアノは時には押しては返す波のような美しいパッセージを紡ぎ、時には力強く心を打つような和音を響かせながらこれらの主題をオーケストラと共に展開していきます。
主題が再現される部分ではオーケストラの奏でる豊かな第1主題(赤枠部分)の裏で、ピアノが力強く勇壮な和音(青枠部分)を響かせ一つのクライマックスを形成します。(譜例④)
楽譜には「Maestoso(Alla marcia)」=「荘厳に、堂々と(行進曲風に)」と指示されています。
音楽は美しい余韻を残しながら徐々に減衰し、静寂の彼方へ消え入りそうになりますが、独奏ピアノが刻む16分音符と共に再び動き出し、終結へと向かいます。
第1楽章では弦楽器の豊かな旋律を美しく装飾するようにピアノの細かいパッセージが紡ぎ出されたり、力強い和音とリズムで旋律を支えたり、オーケストラと独奏ピアノの絶妙な絡み合いが盛りだくさんです。
そのあたりにも注目して聴いてみて下さい。
第2楽章:Adagio sostenuto
弦楽器の厳かな序奏に続き奏でられる静かなピアノの分散和音の上で、フルートとクラリネットが夢見るような美しい主題を静かに歌います。(譜例⑤)
この主題がクラリネットからピアノに受け継がれると、交代するかのようにクラリネットはピアノの旋律の裏で分散和音を奏でます。
この主題は本当に美しく、ラフマニノフの作り出す夢の世界へ連れていかれるような錯覚に陥ります。
中間部では少しテンポが動き、独奏ピアノがどこか胸が切なくなるような新たな主題を奏でます。(譜例⑥)
音楽はピアノの繊細で細かい音型を伴いながら静かに高揚していった後、カデンツァ(オーケストラの伴奏のない独奏部分)となります。(譜例⑦)
このカデンツァの後、美しいピアノの分散和音にのって、再び弦楽器が冒頭主題を奏で高揚した後、静寂を取り戻し夢見心地のまま第2楽章を終えます。
第3楽章:Allegro scherzando
第3楽章冒頭は雰囲気ががらりと変わり、少しおどけたようなオーケストラの導入に続き、ピアノがカデンツァで鍵盤の上を華麗に駆け巡った後、第1主題をかなり自由で即興的な雰囲気を醸しながら華麗に奏でます。(譜例⑧)
それに続き少し気まぐれな感じのする第1主題とは対照的に、甘美で抒情的な第2主題がオーケストラに現れ、独奏ピアノへと引き継がれます。(譜例⑨)
この第2主題は民族的な香りも漂い、とても有名な旋律なので聴かれたことのある方も多いと思います。
やがてテンポが上がると独奏ピアノが華麗な走句を展開しながら、2つの対照的な主題が交互に現れます。
ピアノの華麗なカデンツァに続き、クライマックスとも言える第2主題の裏で奏でられる独奏ピアノの和音の響きは実に力強く雄弁で、ドラマティックな雰囲気に満ちています。(譜例⑩)
今回ご紹介するyoutube動画ではこの場面で、オランダ、アムステルダムにある歴史あるコンサートホール「コンセルトヘボウ」の場内を俯瞰する映像で、圧巻の感動的な音楽をより一層ドラマティックに演出しています。
楽曲は独奏ピアノの華麗な技巧を駆使したパッセージと共に熱狂的に終曲します。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」youtube動画
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
第1楽章(00:00)
第2楽章(11:30)
第3楽章(23:50)
マーティン・パンテレーエフ指揮:北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:アンナ・フェドロヴァ
アンナ・フェドロヴァは1990年生まれ、ウクライナ出身のピアニストです。
音楽一家に育ち父から音楽教育を受けた彼女は、その後数々のピアノコンクールにも入賞し、今では世界的に注目を集めるピアニストです。
ちなみに今回ご紹介する動画はyoutubeで3000万回を超える再生回数を記録しています。
アンナ・フェドロヴァは指揮者は異なりますが、この動画の北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団とのコンビでCDも録音しています。
【収録曲】
ラフマニノフ作曲
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
チェロ・ソナタ ト短調 作品19
Laércio Diniz指揮:北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:アンナ・フェドロヴァ
チェロ:Benedict Kloeckner
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Amazon Music Unlimited【無料体験】で聴く♪piccoloのツボ!ここを聴いて!
このコーナーでは今回ご紹介した作品の中から「ぜひここを聴いて欲しい!」と言う管理人piccoloの独断と偏見によるツボをご紹介しています。
「全曲聴くのは長すぎて・・・」と感じられるクラシック初心者の方はぜひここだけでも聴いてみて下さい。
下記の動画をクリックしていただければ該当箇所から再生できるように設定しています。
今回の「piccoloのツボ!」は第2楽章終結部、ピアノのカデンツァから冒頭主題へ回帰する場面です。
この主題は第2楽章冒頭ではフルートの導入に続き、クラリネットからピアノへと引き継がれますが、この終結部では弦楽器によってより幻想的に紡ぎ出されます。
そしてこの主題が奏でられた後、弦楽器の旋律の裏で響くピアノが奏でる和音はどんな宝石よりも美しく、誰もが若い頃に経験する淡い憧憬のように切なく感傷的です。(譜例⑪)
ラフマニノフがどんな想いでこの美しいフレーズを描いたのかはわかりませんが、これを描いたのは老練の巨匠ではなく、恋に、作曲に、そして人生にと悩み多き28歳の青年だと改めて思い至らされます。
作品全体に実に美しい旋律と響きが散りばめられたこの作品の中でも、個人的にはもっとも美しいと感じる1シーンです。
目を閉じて、あなたの美しい思い出を回顧しながら、息を呑むようなこの美しい音楽をぜひ聴いてみて下さい。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」おすすめの名盤
管理人piccoloがおすすめする名盤はこちら!
今回は2人のピアニストの盤をご紹介したいと思います。
ウラディーミル・アシュケナージ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集
【収録曲】
Disc1
1. ピアノ協奏曲第1番嬰へ短調 op.1
2. ピアノ協奏曲第3番ニ短調 op.30
Disc2
3. ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
4. ピアノ協奏曲第4番ト短調 op.40
ベルナルド・ハイティンク指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ピアノ:ウラディーミル・アシュケナージ
録音:1984年(3)(4)、1985年(2)、1986年(1)
★「Amazon Music Unlimited」ではこのアルバムそのものはありませんが、「Rachmaninov: Complete Works for Piano」と言うタイトルのアシュケナージによるラフマニノフのピアノのための作品録音全集の中でこちらの4つの協奏曲の録音を全て聴くことが出来ます。
ちなみにこのアルバムはCD11枚組、演奏時間13時間25分と言う大作です。
Amazon Music Unlimited【無料体験】で聴く♪ウラディーミル・アシュケナージは1937年生まれ、旧ソ連出身のピアニストで指揮者です。
近年はピアニストとしてよりも指揮者としての活躍の印象が強いアシュケナージですが、現代を代表するピアニストの1人であることは誰もが認めるところでしょう。
※アシュケナージは2020年に引退を表明し、演奏活動から離れました。
ピアニストとしてだけではなく、指揮者としてこの作品の指揮をすることも多いアシュケナージはラフマニノフ作品に造詣の深いことでも有名です。
この録音でのアシュケナージは抒情的な場面では美しい音を響かせ、技巧的な場面でも軽快なタッチでこの難曲を弾きこなしているように感じます。
サポートをするハイティンク&コンセルトヘボウ管の演奏も秀逸で、弦楽器の美しい音色に心奪われます。
ラフマニノフの全ピアノ協奏曲を聴き比べて楽しめるおすすめのアルバムです!
エレーヌ・グリモー
エレーヌ・グリモーは1969年生まれ、フランス出身のピアニストです。
わずか13歳でパリ音楽院に入学したグリモーは早くから録音を含めた演奏活動を行い、世界のメジャーオーケストラや著名な指揮者のもとで演奏活動を行う人気のピアニストです。
大学では動物生態学を学んだ野生生物保護活動家としても知られ、ニューヨークにニューヨーク・ウルフ・センターを設立し、野生狼の生態研究と保護活動にも取り組んでいます。
グリモーの録音は映像作品も含めると3枚あって、それぞれ魅力的なのですが、まずイチ押しは2008年のルツェルン音楽祭のライヴ映像を収録したこちらの作品です。
【DVD】ロシアン・ナイト~2008ルツェルン音楽祭ライヴ
【収録曲】
チャイコフスキー:幻想曲『テンペスト』作品18
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
ストラヴィンスキー:バレエ組曲『火の鳥』(1919年版)
クラウディオ・アバド指揮
ルツェルン祝祭管弦楽団
ピアノ:エレーヌ・グリモー
収録:2008年8月
グリモーのしなやかな指先から紡ぎ出される美しい音楽が、映像と共に臨場感たっぷりに味わえるのが何とも言えず魅力的です。
2002年にベルリン・フィルを退任したクラウディオ・アバドがタッグを組んだルツェルン祝祭管弦楽団はこのルツェルン音楽祭のために編成される特別なオーケストラです。
演奏の方は奇をてらったところのない端正な演奏のように感じます。映像を見ながら聴くと、演奏に集中するグリモーの息遣いが聴こえてきそうで、見ているこちらまで思わず息を呑んでしまいます。
アバドの十八番とも言えるストラヴィンスキーの「火の鳥」も楽しめるおすすめの1枚です。
CDは先ほどご紹介したアシュケナージが指揮者としてタッグを組んだフィルハーモニア管弦楽団との盤がおすすめです。
【収録曲】
ラフマニノフ
1.ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
2.前奏曲 嬰ト短調 作品32-12
3.練習曲集《音の絵》作品33より第1番 ヘ短調
4.練習曲集《音の絵》作品33より第2番 ハ長調
5.練習曲集《音の絵》作品33より第9番 嬰ハ短調
6.コレルリの主題による変奏曲 作品42
ヴラディミール・アシュケナージ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ピアノ:エレーヌ・グリモー
録音時期:2000年、2001年
こちらの録音はグリモーが31歳の頃の録音ですが、グリモーにはもう1枚、1992年、23歳の頃にヘスス・ロペス=コボス指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演した盤があります。
★「Amazon Music Unlimited」ではこちらのロイヤル・フィル盤をお楽しみいただけます。
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アシュケナージのピアノでは、ご紹介したハイティンク&コンセルトヘボウ管の盤以外に、プレヴィン&ロンドン響、コンドラシン&モスクワ・フィルとの演奏を聴くことが出来ます。
指揮をするアンドレ・プレヴィンもアシュケナージ同様にピアニストとしても有名で、作曲家として自作のピアノ協奏曲をアシュケナージに献呈したりしています。
この盤ではおすすめしたハイティンク&コンセルトヘボウ管の盤より動きのあるドラマティックな演奏を聴かせています。
コンドラシン&モスクワ・フィルの盤はアシュケナージがチャイコフスキー国際コンクールで優勝した翌年の1963年の録音で、アシュケナージの長いキャリアの中でも初期の演奏を味わうことが出来ます。
他にはライブ収録されたユジャ・ワン&アバド指揮マーラー室内管の盤も、ライブならではの緊張感とユジャ・ワンの鮮やかなテクニックが相まって楽しめる録音です。
ゲルギエフ指揮ではラン・ラン、キーシン、デニス=マツーエフと言うソリストを聴き比べることが出来ます。
同じピアニストで異なるオーケストラとのコンビでの演奏、同じ指揮者で異なるピアニストでの演奏、ラフマニノフと同じロシア出身のアーティストの演奏などなど、いろいろ聴き比べてみるのも楽しいですね!
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まとめ
ラフマニノフ作曲の「ピアノ協奏曲第2番」、いかがでしたでしょうか?
ラフマニノフの代表作であるばかりでなく、古今のピアノ協奏曲の中でも傑作と言って良い作品です。
作品のあちらこちらに美しく感傷的な旋律が散りばめられてあり、ロマン溢れる作品となっています。
また旋律だけでなく、和音の響きも本当に美しく、力強く奏でられる場面でもどこか哀調と郷愁を感じるような印象的な響きを、耳だけでなく心に残すような感があります。
ラフマニノフ自身はこの作品に特段のセンチメンタルなメッセージを込めたわけではないのでしょうが、この作品を聴くと若い頃に誰もが経験する淡く感傷的な感情を思い起こさせられるような気分になります。
それともこれは私だけが襲われる乙女な感情なのでしょうか?
ちなみに管理人はいいおじさんなのですが・・・(涙)
最後までお読みいただきありがとうございます。こちらの作品もぜひ聴いてみてください!
ラフマニノフの従兄、ピアノ協奏曲第2番の初演を指揮したシロティがアレンジしたバッハの名曲!
24歳のブラームスが書き上げたピアノ協奏曲の名作!
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