アルチュニアン「トランペット協奏曲」【解説とyoutube動画】
目次
アルチュニアン「トランペット協奏曲」解説
今回ご紹介するのは旧ソ連、アルメニアの作曲家、アレクサンドル・アルチュニアンが1950年に書き上げたトランペット協奏曲です。
この作品はボリショイ劇場の首席トランペット奏者として活躍したティモフェイ・ドクシツェルのために作曲され、その後アメリカでもドクシツェルの演奏で初演され、今日ではトランペット奏者の重要なレパートリーとして定着しました。
YouTubeにこのドクシツェルの演奏がアップされていましたのでご紹介しておきます。
ラフマニノフ ヴォカリーズ
トランペット:ティモフェイ・ドクシツェル
細かいヴィヴラートが特徴的な美しい音色ですね。
楽曲は初演者のドクシツェルの卓越した技術を存分に引き出す華やかで輝かしい作品ですが、その中にもアルメニアの民族的で叙情的な美しさを感じさせる作品となっています。
第1楽章
低弦の刻むトレモロに乗って独奏トランペットが民族的で抒情的な旋律を朗々と奏でます。
オーケストラがテンポを速めるとトランペットは快活な旋律をのびやかに歌います。
中間部では再び雄大な旋律を朗々と奏でた後、テンポを速めオーケストラと絡み合いながらドラマティックに展開して終結します。
第2楽章(07:55)
クラリネットからファゴットに引き継がれる旋律を再び弦楽器が静かに奏すると、ミュート(弱音器)を付けたトランペットが哀愁を帯びながら静かに語り出します。
その姿は過去を思い出し何かを独白しているような寂寥とした雰囲気に包まれています。
輝かしく華やかなトランペットの響きも魅力的ですが、ここではトランペットのひと味違う魅力がアルチュニアンによって見事に引き出されています。
第3楽章(11:50)
テンポは再び元の快活なテンポに戻り、第1楽章の旋律が繰り返されます。
最後はトランペットの名人芸を駆使したカデンツァを挟んでドラマティックに終わります。
※カデンツァはオーケストラの伴奏を伴わない独奏部分です。ソリストのオリジナルのカデンツァが演奏される場合もありますが、ここでは初演者でもあるティモフェイ・ドクシツェル作のカデンツァが用いられています。
アルチュニアン「トランペット協奏曲」youtube動画
独奏トランペットを務めるのはロシアのトランペット奏者、セルゲイ・ナカリャコフです。
10代の頃からソリストとして活躍し、その甘く端正な顔立ちも相まって人気を博しました。
当時は日本でもメディアに取り上げられる機会が多く、NHKの連続テレビ小説や大河ドラマのテーマ曲を担当したりもしました。
それでは早速聴いてみましょう!
DMITRY FILATOV指揮:THE BELGOROD STATE PHILHARMONIC ORCHESTRA
トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
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