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【動画あり】バッハ幻のシャコンヌが320年ぶりに公開!若き天才を示す2つのオルガン作品

2025年11月17日、ドイツ・ライプチヒの聖トーマス教会で、音楽の父ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲したとされる未発表のオルガン作品2曲が320年ぶりに正式公開されました。

その瞬間は「音楽界の偉大な瞬間」「魔法のような出来事」と評され、世界中の音楽家や研究者から注目を集めています。

この記事では、この「幻のシャコンヌ」の劇的な発見と、その歴史的・音楽的な価値について詳しく解説します。

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記事の最後に演奏動画を掲載しています。

公開されたバッハ初期のオルガン曲:2つの「シャコンヌ」

今回、新たにバッハ作品目録(BWV)に編入され、正式に公開されたのは以下の2作品です。

シャコンヌとフーガ ニ短調 BWV 1178

シャコンヌ ト短調 BWV 1179

シャコンヌは三拍子で演奏される舞曲の一種で、反復される低音旋律(オスティナート)の上に変奏が重ねられて構成されるのが特徴です。

なぜ今になってバッハの新作が判明したのか?

今回、発表された2曲の筆写譜は、1992年にベルギー王立図書館で発見されたものです。

作曲様式の特徴からバッハの作品の可能性が指摘されていましたが、署名や日付が残されておらず、長らく「作曲者不詳」のまま保管されていました。

転機となったのは、バッハの弟子でもあるアルンシュタット出身のオルガン奏者Salomon Günther Johnが書いた求職の手紙が発見されたことで、その筆跡から、2曲の筆写譜が1705年にバッハの指導のもとで書写されたものであることが判明しました。

ライプツィヒ・バッハ・アーカイブ(バッハ資料財団)のディレクターであるペーター·ヴォルニー博士は、30年以上にわたる研究の末、この2曲がバッハ18歳~20歳頃の初期作品であると断定しました。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
ヨハン・ゼバスティアン・バッハの肖像画(1746年)
パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1270015による

初演の舞台は“バッハの眠る教会”

初演の舞台となったのは、バッハが1723年から65歳でこの世を去る1750年まで、27年にわたってトーマスカントル(音楽監督)を務めたライプツィヒの聖トーマス教会です。

ここにはバッハの墓があり、11月17日に行われたバッハ・アーカイブ創立75周年式典の中で初演されました。

初演を担ったのは、バッハ・アーカイブの会長で、古楽界の巨匠として知られるトン・コープマン

コープマン氏はオランダのオルガン・チェンバロ奏者で、指揮者としても高名です。演奏はYouTubeで配信され、楽譜は同時にBreitkopf & Härtel社から出版されています。

ライプツィヒのトーマス教会
ライプツィヒのトーマス教会
パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15674による

音楽界の反応と作品の価値

初演を担当したコープマン氏は、この作品を「若きバッハの天才を示す高難度かつ生命力あふれるレパートリー」と評価し、今後、世界中のオルガニストの主要レパートリーになるだろうと期待を寄せました。

また、バッハ専門家のアンジェラ・ヒューイット氏も「バッハ初期のスタイルの想像力と豊かさ、演奏の喜びに満ちた優れた作品」と絶賛しており、その歴史的・芸術的価値は極めて高いと評価されています。

この世紀の再発見は、バッハの音楽の深さと、若年期から既に備わっていた成熟した作曲能力を改めて世界に知らしめることとなりました。

J.S.バッハ:シャコンヌとフーガ ニ短調 BWV 1178

J.S.バッハ:シャコンヌとフーガ ニ短調 BWV 1178

オルガン:トン・コープマン

2025年11月17日 聖トーマス教会(ライプチヒ)

J.S.バッハ:シャコンヌ ト短調 BWV 1179

J.S.バッハ:シャコンヌ ト短調 BWV 1179

オルガン:トン・コープマン

2025年11月17日 聖トーマス教会(ライプチヒ)

隠された宝の発見 ― ライプツィヒ・バッハ・アーカイブが明かす驚異の発見|音楽ドキュメンタリー

ライプツィヒ・バッハ・アーカイブ(ライプツィヒ・バッハ資料財団)は、バッハ没後200年にあたる1950年に設立されたヨハン・ゼバスティアン・バッハに関する研究機関で、文書館、バッハ博物館、ライプツィヒ・バッハ音楽祭、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールを運営しています。

現在、その会長を務めるのがトン・コープマン氏です。

こちらの動画では、バッハの作品に関する最新の研究の様子をご覧になれます。

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日本語字幕をONにしてお楽しみください。

まとめ

今回のバッハのシャコンヌ2作品(BWV 1178, BWV 1179)の公式公開は、若き日の天才的な作曲能力を証明する極めて歴史的な発見です。

18歳当時のバッハが既に確立していた独自のスタイルが明らかになり、真偽が議論される他の初期作品の研究においても重要な資料となります。

今後も筆跡鑑定などの研究が進むことで、新たな未発表作品の発見や、真偽未確定作品の特定が大いに期待されます。クラシックファンとして、今後の研究成果に引き続き注目していきたいと思います。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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Posted by piccolo